神道文化学部 就職内定者インタビュー(4)

2015年1月22日更新

『神道文化学部の学生が、なぜわが社のような企業を志望するのですか?』

上田さん
フレックスA(夜間主)4年

パナホーム株式会社内定

―神道文化学部入学の動機は?

私の叔父は石川県の神社の神職です。私も幼い頃から神社のお手伝いを続けていました。「大学ではぜひ『神道の大学』で学びたい」と考え、第一志望で本学に入学しました。

―就職活動、就職内定に至る経緯を教えてください。

入学後、神職課程を履修していましたが、早くから一般企業への「就職」を目指していました。
3年次から始まる就職活動に先立って、私はさまざまな業種を研究しました。その過程で、「自分は本当は何がやりたいのか」「自分は何を一生の仕事にしたいのか」ということを熟考したのです。やがて「自分は、『家作り』に関わる仕事に従事したい」との強い思いが固まってきました。
そこで今度は、「日本の家作りにおいて、もっとも家らしい家、最も安心な家を提供しいている企業はどこなのか」ということを自分なりにリサーチしました。さまざまな企業の住宅展示場を巡り歩き、そこにいらっしゃる販売担当の方々から色々なお話をうかがいました。
そうした見聞を踏まえ、最終的には自分が「この企業こそ!」と思った会社に、真っ向からチャレンジを試みたのです。まずは企業説明会に始まり、住宅展示場見学会、パソコンを通したSPI試験、個人面接、グループデイスカッション等の関門を経て、最後の部長面接に漕ぎ着けました。

―最終面接で…

面接での質問は、自分がかねて予想していた通りのものでした。
「神道文化学部の学生さんが、なぜわが社のような企業を志望するのですか?」
この質問にどう答えるかが、勝負のわかれ目です。
まず私は、建設関係の方だったら誰でも身近な「地鎮祭」のことから口火を切りました。
「神道のお祭りが、日本人の「衣食住」に関わる祈りであること」
「神道が、日本人の「衣食住」にかかわる生活様式そのものであること」
「神道の学びを通じて、とりわけ日本人の「住」に深い関心を抱いてきたこと」
「日本人の「住」を担う仕事に就きたいと決意を固めるに至った経緯…」。
最終面接を経て、おかげさまで、どうにか採用内定の通知をいただくことができました。
入社後の仕事は営業です。お客様のご希望をうかがって設計部門・建築部門との仲立ちを行い、さらに資金計画のお手伝いもします。入社後の研修でしっかりと研鑽を積み、一刻も早く現場に出て、お客様と向き合っていきたいと思っています。

―学生生活について教えてください。

3年次からの演習は茂木栄先生の「宗教学演習」を選びました。演習論文では、「外国人が見た日本」をテーマに、「宣教師ルイス・フロイス等の滞在者が、日本の宗教や文化をどう見ていたのか」ということを検証しました。
サークルは放送研究会に所属し、主として機械関係を担当していました。充実した学生時代を謳歌できたと思います。

茂木栄教授の「宗教学演習 I・II」

―後輩へのエールをお願いします。

「神道文化学部の学生が、なぜわが社のような企業を志望するのですか?」
一般企業の面接で、神道文化学部の学生は必ずそう聞かれるでしょう。
「自分はなぜ神道文化学部に入ったのか」「学部でいったい何を学んだのか」ということを自省し、自分なりに突き詰めた回答を用意して、面接に臨まなければなりません。
「自分がなぜその業種、その仕事を目指すのか」ということを考え抜くことはもちろん、「自分はなぜ神道文化学部で学んでいるのか」ということも、しっかりと考え抜いてください。  
そこからしか道は開けません。
健闘を祈ります。

武田秀章副学部長より

「『天の御柱』を見立てよ!」

上田君とは、1年次の「古典講読 I」、2年次の「神道文化演習」で、共に『古事記』を講読しました。
上田君は、「立ち止まってしっかり考える」タイプではないでしょうか。上田君は、そのポリシーを、ともすれば浮き足立ってしまいがちな就職活動においても、きちんと貫きました。そのブレないスタンスが、よい結果を齎したのだと思います。
『古事記』では、「底つ石根に宮柱ふとしり、高天原に氷椽たかし」る宮居の立派さが、繰り返し讃えられています。
そもそも伊耶那岐命・伊耶那美命は、国生みに先立って、おのごろ島に「天の御柱」を見立てました。
須佐之男命の御神詠(「八雲たつ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を」)は、須賀宮の竣功を言寿ぐ「新室ほがい」の歌でもあります。

八雲立つ出雲の国に建てそめし家こそ国のはじめなりけり 貞明皇后

上田君は、『古事記』の心を体して、さまざまなご家族の「スイートホーム」作りを、しっかりとお手伝いしてゆくことでしょう。
卒業後の上田君の弥栄を、心から祈念して已みません。

神殿前にて

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