神道文化学部 就職内定者インタビュー(1)

2014年12月24日更新

神道文化学部生であることが、就職活動でこの上ない「武器」となりました

須藤さん
フレックスA(夜間主)4年

京セラグループ内定

―就職内定先企業を選んだ理由を教えてください。

私は高校時代から、松下幸之助や井深大など、企業経営者の人間像、その経営哲学に興味を抱いていました。社家ではない私が神道文化学部を選んだのも、そうした経営者たちの宗教的・哲学的バックグランドを、神道の観点から究めてみたい、という問題意識があったからでした。
可能であれば、自分も、そうした「経営哲学」を受け継ぐ企業の一翼を担ってみたい…。そんな思いから、就職活動では、この方面の最先端を切り開いてきた大手企業に、敢えてチャレンジを試みたのです。

―入社内定までの経緯を教えてください。

入社内定に漕ぎ着けるまで、5回の関門がありました。
筆記試験は、いわゆる「SPI試験」で、知識量よりも、問題発見能力・問題解決能力が問われます。
グループディスカッションでは、「ブラック企業にどう対処するか。」「5人組アイドルグループを4人に絞りたい。誰を落とすのか。その後のケアをどうするのか。」といったテーマについて、4人ひと組で、1時間ほど議論します。そこでは、自分の意見をはっきりと主張することだけではなく、他人の意見をよく聞いて「落としどころ」を見つけていく協調性もチェックされていたような気がします。

最後の役員面接。こんな質問から始まりました。「君はなぜ神道文化学部という世にも珍しい学部に入ったのか」「そもそも神道文化学部とはどんな学部なのか、そこで何を学んだのか」
その聞き方は、決して突き放したものではなく、むしろ「神道に対して興味津々」といった感触がありました。古都の企業だけあって、役員の方々は、みな神社や神道に一方ならぬ興味を持たれていたのです。
そんなわけで、役員面接では、神社について、神道について、あたかも質問攻めのような形になりました。私は、神道文化学部での学修の甲斐あって、その問いのすべてに、自分なりにしっかりと答えることができたのです。
その中には「神道の古典、『古事記』とは、いったいどんな本ですか」というお尋ねもありました。さっそく『古事記』の神々について、即席の「語り部」を実演しました。武田先生の授業の「『古事記』語り部トレーニング」が、ドンピシャで活きた瞬間でした。
このようにして、最後の役員面接では、神道文化学部学生であるとことが「ウイークポイント」になるどころか、まさに切札的な「セールスポイント」になったのでした。

経済学部や法学部は、全国に沢山あります。しかし神道文化学部は、世界にたったひとつしかありません。そのことに自信と誇りを持って、自らを堂々とアピールすれば、必ず道は開けていきます。そのことを、私は心から実感しました。

―入社後の抱負を教えてください。

私は全くの新人です。先輩方の教えに耳を傾けながら、自分に与えられた役割を、全力投球で果たしていくのみです。

―神道文化学部での学修や学生生活について教えてください。

1年次の武田先生の『古事記』講読がとても印象的でした。おかげさまで『古事記』のストーリーの流れをしっかりと頭に刻み付けることができました。そのことは、先ほども申し上げた通り、最後の役員面接において、ジャスト・ミートで役立ったのです。
3年次は菅浩二先生のゼミに入りました。菅先生は、一般企業を目指す私の志向をご理解いただき、それにふさわしい演習論文のテーマ(「会社経営手法にみる宗教哲学とその内実」)へとお導きいただきました。
演習論文では、とりわけ松下幸之助の「水道哲学」と、その背景にある哲学的・宗教的思索について考察しました。論文は、何回ものゼミ発表を経て、現在、ほぼ成稿に至っています。
学生生活では、テニスサークルの活動で、学部の垣根を越えた友人たちと知り合うことができました。おかげさまで、充実した学生生活を満喫しました。
経済的な側面では、本学のフレックス奨学金制度がとても有難かったです。フレックス奨学金の支給は、私が本学のフレックスA(夜間主)を選んだ理由のひとつでもありました。フレックス奨学金の支えなしに、私が大学で学業を続けることは到底できなかったでしょう。

―学部の後輩へのメッセージをお願いします。

「神道文化学部学生であることが、就職活動においては、この上ない「武器」となり得る…」。自分の就職活動で、私はこのことを痛感しました。
卑屈になる理由は何もありません。みなさん方は、オンリー・ワンの学部、神道文化学部への入学を決めました。それ自体が、既に目覚ましい「決断」です。自らの「決断」に自信と誇りを持って、学部でのユニークな学びを堂々とアピールすれば、必ずや良い結果がもたらされるでしょう。
後輩のみなさん、『古事記』に見られるチャレンジ精神を、そして敢闘精神を、ぜひとも振るい起こしてください。

武田秀章副学部長より

「君子三日会わずんば、まさに刮目して待て」

須藤君は1年次、私の授業を受講していました(「古典講読 I」「神道文化基礎演習」)。
一昨日、就職内定を獲得した須藤君と、久しぶりに会いました。約3年ぶりの再会です。須藤君と膝を交えて話しながら、いつしか私は「君子三日会わずんば、まさに刮目して待て」という 中国典籍の言葉を噛みしめていました。
にこやかな、しかしきりりと引き締まった表情。穏やかな、しかし秘めた情熱を感じさせる語り口。礼儀正しい立居振舞。スーツの颯爽とした着こなし。4年生になった須藤君は、末頼もしい大丈夫として、目覚ましく成長していたのです。
「神道文化学部で学んだからこそ、道を切り開くことができました。そのことを、自分の後輩たちにどうしても伝えたい。今日はそういう思いで、ここに参りました。」私は、須藤君の真率な母校愛、後輩たちへの熱い思いに、深く打たれました。
神道文化学部の学生諸君、どうか須藤君のエールをしっかりと受け止めてください。須藤君がそうしたように、内なる「神道精神」を奮い起こして、自らの道を力強く切り開いていってください。

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