高内 寿夫

教授

高内 寿夫

タカウチ ヒサオ

専門分野
刑事訴訟法、少年法
本学就任
2005年04月01日
担当教科
少年法A、少年法、少年法B、基礎演習2(刑事訴訟法)、応用演習(刑事訴訟法)、刑事政策、少年法

著書・論文紹介

 本書は、子どもの法定年齢について、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、韓国の5か国において、公法、民事法、刑事法の観点から比較検討したものである。このうち、「フランス少年司法における年齢設定」の項目を担当した。フランスの少年法適用年齢・刑事責任年齢、少年保護法制の歴史、現行法における少年司法手続、少年に課される教育処分および刑罰について整理検討した後、フランスでは、刑事法上の少年の年齢設定は、保護・教育的措置が充実していく過程の中で設定されたものであり、選挙権年齢や民事上の成年年齢と連動したものではない点などを指摘した。

 多田辰也『被疑者取調べとその適正化』(成文堂、1999年)を基本文献として、取調べ受忍義務論に関する学説・実務の考え方、被疑者取調べの任意処分性をめぐる学説、多田教授の見解の学説史的意義、基本文献の内容、残された課題、基本文献の現代的な意義などを検討した。

 本書は、刑事手続における捜査活動の位置付けについて、新たな見方を示したものである。それは、第1部において、「予審的視点」として提示され、第2部では、一層実践的な観点から、「捜査活動の記録」という形に言い換えられている。  本書は2部構成をとる。第1部は、フランスにおいて予審制度がいかなる目的で創設され、そしてそれはフランスの刑事手続全体においてどのように位置付けられるのかを歴史的に分析する。第2部は、第1部で検討したフランスにおける予審制度の検討を踏まえ、「予審的視点」から、わが国の刑事手続の諸問題を検討する。とりわけ、裁判員裁判における検察官面前調書の取り扱い、参考人取調べの録音・録画の必要性、被疑者取調べの適法性の判断基準、平成28年改正法における被疑者取調べの録音・録画制度の検討などを行っている。

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教授からのメッセージ

 旅に出て、はじめて行った街の高台に登って街を眺めるのは気持ちがよいものです。歩いてきた道はあそこだとか、あの建物は何だろうかとか、あの森に行ってみようとか、いろいろ興味が湧いてきます。海などが見えればさらに得をした気分になれます。この点は刑事訴訟法の学習も同様です。刑事手続および証拠法の全体を見渡すことができれば、細かな条文の意味も理解でき、問題点の理解も進んで刑事手続が興味深く感じられるでしょう。私の担当する刑事訴訟法の講義では、とくに刑事手続全体を俯瞰する力の涵養を重視したいと思っています。
 ところで、2009年5月から裁判員制度が始まります。あなたは弁護人であり、3名の裁判官と素人である6名の裁判員との前で最終弁論をしていると想像してください。裁判員裁判の法廷に立つためには、事件を洞察する力、弁論技術、臨機応変な対応力、パフォーマンス、様々なことが要求されるでしょう。実際に法廷に立たなければ学ぶことができない能力も多いことと思います。しかし、何にも増して重要なことは公判審理に対する周到な準備を行なうことです。どれだけ事件に対する資料を収集し、それに対して徹底した分析を加えたかによって、公判廷の攻防の大半は決するといっても過言ではありません。この際、的確な準備を行なうためには、当該事件において何が問題となり、弁護人は何を主張しなければならないかという点について理解している必要があります。刑事法演習Ⅱの授業では、具体的な事例の中から問題を的確に捉え、できる限り適切な答えを追究していく姿勢を養っていこうと思います。

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