植原 吉朗

教授

植原 吉朗

ウエハラ キチオ

専門分野
スポーツ心理学、武道科学(剣道教士七段)、体育学、健康科学
本学就任
1987年04月01日
担当教科
運動方法基礎実習武道系2(剣道)、指導法実習武道系2(剣道)、武道の国際比較、導入基礎演習、演習(人間開発学部)、スポーツ・身体文化1B、スポーツ・身体文化1A、演習・卒業論文(人間開発学部)

著書・論文紹介

剣道は修得価値のある日本の身体・精神文化として実践者に受容されているのか、それともそれらの文化性が変容して単に日本発祥の競技スポーツの一つとして認知されているに過ぎないのか。剣道の国際的普及の理想と実態について、国内外の剣道関係者に問うことでその認識を明らかにすることを試みてきたが、これまでの調査結果を概観すると、質問項目数が49項目に亘り、一部の項目では回答分布の偏りが見られ調査趣旨への寄与が低いものがあったこと、調査実施上で回答者の負担感が高いこと、また質問紙作成時にカテゴライズした7要因の独立性が十分に検証されてないことなどが懸念されてきた。  そこで、これまで収集したデータから日本語調査用紙での日本人からの回答を活用し、因子分析により各項目の有効性の確認と抽出された因子と質問紙作成時の7要因との関連性などを考察し、今後の調査に向けてさらに有効性の高い質問紙となるよう、各項目を精査することを試みた。  欠損値のない大学生387名の回答を用い、49の質問項目について因子分析を行った結果、質問紙作成時に想定した7要因と一致度の高い6因子が抽出された。また因子負荷量の高い項目は、49から25に絞られた。抽出された因子には以下のように命名した。  第Ⅰ因子:「剣道独自の特性と試合・審判のあり方」  第Ⅱ因子:「海外普及の是非・要否」  第Ⅲ因子:「オリンピックへの関与と普及」  第Ⅳ因子:「段位制の意義」  第Ⅴ因子:「ドーピングへの懸念」  第Ⅵ因子:「勝敗の偏重」

 多くの外国人剣道実践者は剣道にみられる精神性や身体文化性を高く評価し、それが最も大きな剣道開始動機の一つとなっている。しかし現代剣道は、日本文化の側面を精神性や動作形態に色濃く留めつつも、実際に競技として運用されており、スポーツとしての考え方が全く否定される状況にないことは明らかである。それは剣道の持つ、日本文化に育まれた精神性の維持が、国際化によって将来的には脅かされつつあることも意味する。  剣道が修得価値ある日本の身体・精神文化として実践者に受容されているのか、それともそれら文化性が、剣道の普及した国々で変容して単に日本発祥の競技スポーツの一つとして認知されているに過ぎないのかを考察することは、世界に発信された日本文化が国際的な価値を認められるのか否かを顧みる端緒にもなろう。  そこで、剣道の国際的普及の理想と実態を、国内外の剣道関係者に問うことでその認識を明らかにしようと考え、今回は仏語の質問紙を用いフランスでデータを収集した。このデータと収集済みの日本人剣士などのデータと比較分析することにより、フランス人剣士の剣道における身体文化性の認識の特徴を考察した。その結果、 1.剣道に関して、その普及により身体・精神性や文化性を維持継承しようとする姿勢が、日本人剣士よりもフランス人剣士に強くみられた 総体的に外国人剣士の方が精神性や文化性を尊重しようとする中でも、フランス人剣士のその傾向は際立つものであることが今回示唆された。 2.フランスの剣道実践者は特にオリンピック参入に否定的であった  フランス人剣士には、オリンピック参入が剣道の精神性や文化性をスポーツの論理で駆逐しかねないと懸念する一貫性が見出された。

公開シンポジウムにおいて、「必修化された武道に対する期待」、「授業における道着着用の試み」、「道着着用に関しての学生に対する質問紙調査」、「紐結びにみる“不便の効用”」、「中学校における杖道の導入」、「形武道の教育的効果」などの話題提起、情報提供を述べた。

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教授からのメッセージ

☆大学生の勉強は「楽」か?
確かに、自ら求めなければいくらでも楽はできる。高校時代までと違い、人から「勉強しろ」とは言われない。しかし、「受験勉強よりはるかに楽」と感じたら、それは違う。実は自らを焚きつけなければ何も得ることはできない。学生時代、時間はたっぷりありそうで、4年間は短い。遊びまくるのか、おのれに磨きをかけるのか・・・

☆諸君は今まで、
問題をあてがわれ、予め用意されている正解に辿り着くことだけのトレーニングに明け暮れていなかったか。勉強は、知識をひたすらインプットすることと勘違いしてはいまいか。しかし、答えは唯一、また必ずあるとは限らないのがむしろ当たり前なのだ。そもそも問題は与えられるものではなく、自ら探し出すもの。いくらたくさん知識を持っていても、頭にインプットするだけで、それを再構成してアウトプットできなければ、何も知らないバカに等しい。

☆学生時代になすべきこと
1.体を鍛えろ
トップアスリートを目指すのではなく、自ら立てた志や目標到達に不可欠な「頑張れる体」を作るべし。礼儀、言葉遣い、立ち居振る舞いから始まり、誠意、人間性、品格を磨こうではないか。
2.語学を身に付けよ
今や英語は使えて当然。日本国内に留まらず国際的ステージで役割を果たせる人材たれ。
3.本を読め
ネットの時代でも読書の価値は変わらない。最初は「積ん読」でもいい。ただし、マンガは原則「ダメ」。
4.読み書き計算(ITを使いこなす)
今やコンピュータは「紙、ペン、そろばん」そのもの。情報の収集・分析・創造・発信なくして自己表現はあり得ない。

☆学生の最大の責務は、本質を見極め、真実を見抜く洞察力を身に付けること
マスメディアやインターネット上の情報は、本当に「正しい」とは限らない。自分にとっての「真実」とは、自ら「現場」に赴き直接触れて感じたものであるはず。「間接情報」は「伝言ゲーム」に過ぎないと心得よ。

好きな言葉
「乾坤一擲」、「聴天籟」

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