小林 宣彦

准教授

小林 宣彦

コバヤシ ノリヒコ

専門分野
神道史
本学就任
2015年04月01日
担当教科
神道史学演習1、神道史学演習2、古典講読2A、古典講読2B、神道史学1、神道文化基礎演習、神道文化演習

著書・論文紹介

 本稿では、まず、律令祭祀と神社の関係性を次のように論じた。宝亀年間から延暦年間にかけて、朝廷は、国家祭祀と国司との関係性を見直すようになる。祭祀においては、多くの祈年祭班幣における幣帛の準備と授受を、国司に委任し、国家祭祀の場となる神社の維持・管理については、祝を現場責任者、国司を監督責任者に位置付け、朝廷がそれを統括することになった。朝廷は、「祝による維持・管理」「神戸による維持・管理」「神主による維持管理」を中心に、神社の維持・管理をはかった。神主は、基本的に奉斎氏族から選ばれるから、「神主による維持・管理」とは、奉斎氏族の支援を期待したものであった。実際には、神戸や神主が設定されていた神社の数は限定的であったし、朝廷は、「公的予算を用いての神社管理」と「神社の奉斎集団を公的に位置付ける」ことをしなかったため、有効な施策にはならなかった。  朝廷は、祝・神戸・神主などを通して、国家祭祀の場である神社の清浄性を維持しようとしたが、多くの神社については奉斎集団の管理に依存していた。神社を実質的に支える奉斎集団を律令制の下に位置付ける、という方針も採ってはいない。これは、律令祭祀において不可欠な神社の位置付けを、国家は明確にしていなかった、ということになる。特に、祈年祭班幣では、神祇官幣帛・祝・神社の三点が重要であり、神社の名簿も神祇官で作成されている。しかし、それはあくまで祭祀の対象であって、法的拘束は希薄だったとみるべきであろう。

 本書は、國學院大學所蔵の貴重な典籍のうち、主に古代の神祇典籍を収録したものである。 正史である日本書紀は多くの写本が残されているが、特に嘉禎本は、卜部氏によって書写された弘安本・乾元本以前の古い形態を残す貴重な写本である。三嶋本も、三嶋大社に襲蔵する写本の一部であり、中世神道説の展開を考察する上で貴重な史料である。

 本稿は、出雲神郡成立の検討から、律令制の成立と祭祀制度の関係性について考察したものである。  神郡とは、畿外における、国家祭祀のための人的・経済的拠点であった。古代国家にとって、出雲の神々は「祟り為す神」であり、災害を引き起こす神として位置付けられていたことを指摘した。そして、古代の神事が災害対策の行政の一つであったことを考えれば、出雲は、国家による恒常的な祭祀が必要な地であったことを明らかにした。  また、神郡の対象神社については、現在、熊野神社説と杵築大社説とに学説が分かれている。熊野神社は、『令義解』では「天神」と位置付けられており、同じく杵築大社は、「地祇」と位置付けられている。出雲神郡に対応する神社が熊野神社か杵築大社かという問題は、出雲の地において、国家のための祭祀を行う対象として、「天神」と「地祇」といずれが妥当であるのか、という検討である。この問題を、記紀の出雲と天皇の内容から、国家が意識しなければならなかったのは、出雲の神々であったことを明確にし、出雲神郡に対応する神社は、杵築大社と考えるのが妥当であると結論づけた。

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教授からのメッセージ

自分らしさを大事にすることは大切です。
それと同時に、理想像を持ち、それに自分自身を近づけていくことも、人間らしい在り方です。
せっかく大学に入学したのですから、現実を冷静に見つめ、更なる高みを目指してみてはどうでしょうか。
全ての人間が理想に到達できるわけではありませんが、最初から自分の能力に見切りをつけるのは、大学生として感心しません。
少なくとも、理想像を自分で掲げられる大学生になって下さい。

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