教授

浅野 春二

アサノ ハルジ

専門分野
道教儀礼研究
本学就任
2002年04月01日
担当教科
生活と文化(道教の祭りと信仰)、世界の文化と生活015、中国民俗文化概説、中国学特殊講義13(生活文化)、中国原典研究3、中国文学研究3(2)、中国原典演習3、中国文学展開演習3、漢文学概説、中国語基礎演習、中国民俗文化特殊講義A、中国民俗論、中国語演習2(1)、中国語演習2、卒業論文2(3年次)、卒業論文、卒業論文2(4年次)、前期課程・中国文学研究3(演習)、後期課程・中国文学特殊研究3(演習)

著書・論文紹介

 黄籙斎の儀礼伝統では、一日三回の「行道」儀礼が三日間繰り返される「三日正齋九時行道」の形が基本であった。小規模なものでは、「一日」に「三時行道」を行う形が行われてきた。唐末から南宋にかけての儀式書においてはそうした形が確認できる。それが、元代に成立した林靈眞の『靈寶領教濟度金書』や明代に編纂された周思得の『上清靈寶濟度大成金書』に至ると、「行道」を一度だけ行うような儀礼の形(「単朝行道」)が見られるようになってくる。現代台南で行われている斎醮儀礼(祈安醮・抜度斎)では、二日間や三日間の儀礼において、「行道」の流れを汲む「道場進茶」(道場科儀)が一度だけ行われる形が一般化しているが、そうした儀礼のプログラムの源流は、ここに見出せるのではないかと思われる。

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教授からのメッセージ

わたしが中国の研究を始めたきっかけは、学部の学生だった頃に、台湾で道教の祭りを見たことでした。卒業論文の指導教授が台湾の農村で行われる儀礼の調査をする際に、わたしも同行させてもらったのですが、初めて見る道教儀礼は目、耳、鼻、皮膚に触れてくるものすべてが圧倒的でした。
 儀礼は主に閉め切った廟の中で行われます。香の煙や斗灯の灯から出る油煙で、廟内は目も開けていられないほどになり、しばらくすると目が痛み涙が出るばかりか、喉や鼻も煙にやられてしまいます。儀礼は音楽の演奏を伴いますが、これも耳どころか皮膚にまで響く大音響です。道士たちのきらびやかな衣装にも驚かされます。
 そして儀礼は延々と続きます。二十分から二時間ほどのプログラムが、若干の休憩を挟みながら、短くても二日半、長いものでは一週間以上にも及びます。道教儀礼には呪術的要素や演劇的要素が含まれ、見ていておもしろい部分も多い反面、単調な念誦や所作のくり返しも多く、すぐに睡魔に襲われます。睡魔と戦いながらじっと見続けているのはなかなかの苦痛でした。しかし、そうした苦痛も含めて、道教儀礼の時間・空間に身を置くことがわたしには非常に心地よく、楽しく思えました。
 その後わたしの興味は道教の儀礼に傾き、その研究を専門とするようになりましたが、台湾での本格的な調査を開始したのは、はじめて道教の祭りを見てから八年も経ってからのことでした。自分の進むべき道を自覚するのに随分と時間がかかったものです。何の考えもなく台湾へ行ったことが、後になって気が付くと、自分にとって大きな意味を持つことになっていたのでした。
 皆さんも機会があれば、実際に中国大陸や台湾に出かけてみてください。さまざまな発見があるかもしれません。中国文化は奥深さと、計り知れない広がりとを秘めています。何か心惹かれることに出会えるかもしれません。

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