教授

豊島 秀範

トヨシマ ヒデノリ

専門分野
平安朝文学・中世王朝文学、(民俗学・儀礼文化学)
本学就任
2003年04月01日
担当教科
日本文学演習2(4)、日本文学演習3(4)、卒業論文、基礎日本古典文学、前期課程・日本中古文学研究2(演習)、前期課程・日本文学研究A1(講義)、前期課程・日本文学研究B1(講義)、前期課程・日本文学概論A1(講義)、前期課程・日本文学概論B1(講義)、後期課程・日本中古文学特殊研究2(演習)

著書・論文紹介

 「吉川家本」(毛利家伝来『源氏物語』河内本)の本文の特徴について、「花散里」巻を中心に、主要十一本の伝本との対校一覧を作成して、そこから認められる本部の特徴的な傾向について論じたもの。

 『狭衣物語』の本文、校異、語釈、現代語訳、異本本文、鑑賞・研究の全てを網羅した『狭衣物語全註釈』の5巻目。狭衣物語研究会編(代表:豊島秀範)

 アメリカ議会図書館本の特徴である、和歌の一行散らし書きについて、散らし書きが認められる十三巻について、その実態と特徴につて論じた。

他の著書・論文を見る

教授からのメッセージ

いまに伝えられた物語   少年の春は惜しめどもとどまらぬものなりければ、 三月(や よひ)二十日あまりにもなりぬ。    平安の後期、いまから約950年ほど前に、ひとりの女房によって描かれた『狭衣物語』の冒頭文。「少年の春」とは、〔少年期の春〕であり、〔少年期のようなはかない春〕でもある。  春は一月~三月。まもなく終わろうとしている春。その春を惜しむ情景を写すことで、語り始めようとしている。  物語を評論した『無名(むみょう)草子(ぞうし)』が、800年ほど前の鎌倉初期に出現した。そして、『源氏物語』に最大の讃辞を送ったのちに、次のように記している。    それより後の物語は、思へばいとやすかりぬべきものなり。かれ を 才覚にて作らむに、『源氏』にまさりたらむことを作りいだす人 ありなむ。 「『源氏物語』の後は、物語を作るのは容易なはずである。『源氏』を見習えば、それを越える作品も作れよう。」というのだが、それが容易でなかったことは、物語の歴史が示している。    その中で、『狭衣』は、その当時の外国文学である『白氏文集』の詩句などを、物語の冒頭から積極的に活用することで、固定的な従来の記述を脱却して、斬新な表現に成功している。  『狭衣』とほぼ同じ時代に、恋に悩みながら成長する女性を描いた『夜の寝覚』、舞台を大陸へと広げ、夢と転生を取り込んだ『浜松中納言物語』。すべて『源氏』という優れた作品と対峙し、独自の世界を模索し、工夫した結果である。そうした工夫と創造に富む作品のみが、今日にまで伝わることを許されたのである。

MENU