神道文化学部 卒業生インタビュー(7)

2016年1月21日更新

初宮詣でご奉仕すると、親御さんからとても喜んでいただけます

神道文化学部からは、毎年、少なからぬ女子神職が巣立っています。
そんな卒業生の声をお届けしましょう。

齊藤さん
平成26年神道文化学部卒業、122期

神田神社

―齊藤さんは、神田神社ではじめての女性神職ですね。

「おかげさまで神職として奉職させていただきましたが、当初は巫女としての仕事から入りました。1年を経て、権禰宜を拝命しました。この前後から、参拝者の御祈願を奉仕させていただけるようになったのです」

学生時代

「御祈願では、斎主を務めさせていただくこともあります。とりわけ新生児の初宮詣でご奉仕すると、親御さんからとても喜んでいただけます。いちばん嬉しいのは、報賽に来られた方々の喜びのお顔に接する時です。御祈願はいつも一期一会です。御祈願の方々のまごころにお応えし、精一杯のまごころを籠めて奉仕させていただきます」

卒業証書授与式で 成績優秀者として表彰される齊藤さん

―神道文化学部入学の経緯を教えてください。

「小さい頃からずっと神社のお手伝いを続けてきました。大学進学を前にして、こう決意したのです。「これからもずっと大好きな神社でご奉仕を続けていこう。そのために神職を目指そう」。受験を経て、無事、神道文化学部に入学することができました。地域の皆様が、我が事のように喜んでくださいました」

―学部での経験は、ご奉仕に役だっていますか?

「学部では、小野和伸先生から祭式を、宍戸忠男先生から装束着装を教わりました。祭式や装束の学びが、ご奉仕に役だっていることはもちろんです。さらに私の支えになっているのは、お神輿サークル「若木睦」での活動です。2年次に入会し、3年次に副会長、4年次に会長となりました。サークル始まって以来の女性会長でした」

卒業祝賀会で

「若木祭の神輿渡御は、神道系各サークルが力を合わせて運営します。当日は、全員がお神輿のお供をして、渋谷の街を練り歩きます。私はこの活動を通じて、全員参加で形作るチームワークの素晴らしさ、皆で心を一つにして盛り上がる昂揚感を、いつも満喫してきました。」

昨年度の神輿渡御の打ち上げで

―齊藤さんにとって、神道文化学部はどんな学部でしたか。

「神道文化学部は、世にも稀な学部です。学生が自発的に動き、自主的に役割分担し、自分たちの行事を作り出すことができる学部だからです。しかもそうした営みは、世代から世代へと、しっかりと受け継がれていくのです。皆が力を合わせ、困難を乗り越え、目的を達成する…こうした経験は、神社のご奉仕だけではなく、一般社会の現場でも、必ず活きてくるものだと思います」

大学時代、観月祭で仲間たちと

―大学生活の一番の収穫は?

「クラスやサークルの友人をはじめ、多くの友人ができたことです。神道文化学部には、社家の子弟が、全国から集まってきます。在学中はもちろん、卒業後も、末永い交流が続いていきます。ついこの間も、友人たちと誘い合わせ、大和を巡り、春日大社や大神神社にお詣りしてきました。卒業後の友人たちとの付き合いが、こんなにも楽しいものだったとは… 在学中は予想もできなかったことです。友人たちと友情を深めるたびごとに、こういう思いを噛みしめています。「神道文化学部の卒業生で、本当によかった」 神道文化学部で育まれた交流の絆は、この先、生涯にわたって続いてゆくことになるでしょう」

―今後の抱負は?

「神田神社の職員は、新しい時代のうねりの中で、神社をどう活かし、新たな発展をいかに齎していくか、常に心を砕いています。微力ながら私も、そのお手伝いができればと願っています」

武田秀章学部長より

齊藤さんは、在学中、笹生衛先生のゼミで、地元房総の古墳祭祀を研究していました。
笹生先生は、同県人という御縁もあって、齊藤さんを、それは懇切に指導していました。
勉強熱心な齊藤さんは、同時にお神輿サークル「若木睦」の女性会長を務めていました。
「あのお淑やかな齊藤さんが、サークルの荒くれ男たちを、どうやって束ねているのだろう…?」
かねて不思議に思っていましたが、やがて得心がいきました。
力をも入れずして天地を動かす「手弱女(たおやめ)振り」のしなやかさ。
これこそが、「やまとだましい」の神髄だったのです。
大和撫子という表現が、齊藤さんほどよく似合う人はいません。
齊藤さんの神職としてのしなやかな成長を、心から祈りたいと思います。

このページに対するお問い合せ先: 神道文化学部

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