神道文化学部の授業紹介 神道史学 IIB

2015年2月20日更新

12月11日(木)4時限、「神道史学 IIB」の授業を参観しました。
古代・中世の神道史を扱う「神道史学 I」を承け、「神道史学 IIA・IIB」では、近世・近現代の神道史を学びます。

教室では、阪本是丸教授が、神道史の学び方・考え方を巡って、学生に問いかけていました。

「神道文化学部にはざまざなな科目があります。各科目は、てんでんバラバラで並んでいるのではありません。すべての科目は、共通テーマ「わかちがたい全体像としての神道」の解明に向けて方向付けられているのです」

「みなさんは、決してタコツボの中に潜り込んでしまってはいけません。さまざまな科目の学びを通して、常に「トータルとしての神道」を考えていかなければならないのです」

「今回のテーマは、『明治初年の国民教化運動』です。年表や用語を丸暗記しても、何の意味もありません」

「『神道』をトータルに背負う覚悟で、必死に語りかけたことがありますか。そうした努力をしたことがない者に、明治の先人の辛苦など、わかるわけがないのです」

「国民教化運動の綱領は『敬神愛国』でした。今からすれば何の変哲もない言葉です」

「しかし、明治初年においては、『「敬神」とは何か』『そもそも「神」とは何か』を巡って、神官も考え抜き、僧侶も考え抜き、学者も考え抜き、名もなき人々も考え抜きました」

「その膨大な多様さ・一筋縄ではいかない複雑さを知ることが、『歴史』を知る、ということなのです。到底生半可で済ませられるようなものではありません」

「そうしたことを常に念頭に置きながら、これからも、みなさんと一緒に『近代の神道の歴史』を考えていきたいと思います」

阪本教授の授業は、当節流行の「わかりやすい授業」ではありません。学問とは、「巨大な難問」に立ち向かうこと。そのことを、教授は身を以て示します。
受講生は、その問いかけを真摯に受けとめ、熱心に耳を傾けていました。

このページに対するお問い合せ先: 神道文化学部

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