吉田 敏弘

教授

吉田 敏弘

ヨシダ トシヒロ

所属
文学部 史学科
研究分野
人文地理学、歴史地理学、地図史
  • 研究・教育活動

    学位

    文学修士

    研究テーマ

    論文

    ライン博士と1874年東京におけるもう一つの博物館 ー歴史史料としての日記(原著英文)(2021/12/00)

    四至牓示から境界線へ : 寛喜二年神護寺・高山寺絵図の境界表現を中心に(2017/05/01)

    著書

    『大東・京津畑の明治維新』(2021/03/12)

    國學院大學図書館所蔵那智参詣曼荼羅巻子本光学的調査報告書(2018/02/28)

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教員からのメッセージ

ゼミについて
 史学科の中でも、地域文化と景観コースは、文献史料ではなく、現在も各地に生きているさまざまな歴史遺産を主たる資料として、伝統的な地域文化の特質を明らかにし、文化や遺産の将来への継承をはかる、というユニークな特色をもっています。私のゼミでは、各地の伝統的景観を中心テーマとし、現地調査や古地図・絵図資料に拠りつつ、その原型を復元し、現在に至る変容過程を追跡し、現在も生きている伝統的景観の諸要素の保全手法を考えます。そのため、ユネスコ世界文化遺産や日本各地でも実践されている伝統的建造物群保存地区や文化景観保全地区などの事例を学ぶと共に、そうした保全の可能性があるフィールドを新たに見いだし、その地の景観の価値の解明をめざします。
 また、私が担当する「地域文化と景観調査法」では現代における地図情報処理の最先端であるGIS(地理情報システム)を習得します。これは受講生諸君の就職などにも役立つスキルを開発するものです。また、ゼミや実習の受講生を中心として、伝統的な景観や文化が生きているフィールドで、田植・稲刈りなどの農業体験を行います。現在は岩手県一関市の伝統的な小区画水田を借り受け、地域住民や中学生などと楽しい体験交流を実施しています。ゼミ生以外でも、余裕がある限り参加を受け付けますので、興味ある学生は地理学実習室まで問い合わせて下さい。

研究について
 卒論・修論で、日本・西欧の中世農村景観に関する研究を開始し、次いでその重要な資料である日本中世荘園絵図の研究に着手しました。絵図・古地図研究は大変奥が深く、現在では、荘園絵図に限らず、各種の絵図や古地図を対象として、これらの研究可能性の開拓に努めています。荘園絵図研究の一事例として扱った中尊寺領骨寺村絵図の現地調査を通じて、その故地の景観が大きな価値をもっていることに気づき、地域住民と共にその景観保全に取り組んでからすでに20年近くが経過しています。これを契機として、景観保全の実践にも大きな関心をもっています。また出発点であった農村景観の研究では、かつての農業技術の問題が重要であるとの認識に立って、農業技術と景観の変容に関する研究を進めています。

受験生や学生に一言
 大学では、すべて自主的に行動することが基本です。授業に出席することだけが勉強ではありません。時には図書館にこもったり、教員や先輩と討論したり、また一人で研究フィールドに旅して、現地を歩き回ったり、地域住民の方の話を聞く、など、いま何が必要なのかを、自分で考えて、これを実践することが重要です。
 私は常時、AMC1Fにある地理学実習室で研究指導にあたっています。この部屋には、いつも大学院生や学生が研究に利用しています。興味のある人は是非一度地理学実習室を訪問して下さい。多くの先輩から有益なアドバイスが受けられるでしょう。

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