野村 一夫

教授

野村 一夫

ノムラ カズオ

専門分野
メディア文化論、社会理論、医療文化論、情報倫理
本学就任
2001年04月01日
担当教科
基礎演習A、基礎演習B、情報システムの基礎、情報メディア問題入門、情報倫理とセキュリティ、演習2(4)、演習3(4)、前期課程・経営学特論4(講義・演習)、後期課程・経営学特論4(講義・演習)

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著書・論文紹介

渋谷系とシブヤライゼーション。広域渋谷圏の構造とシブヤイーストの位置価。再開発なき街づくりの技法としてのメディア文化論的構築。文化空間の物語構築をどう進めるか。渋谷らしさの未来へ。

基礎演習・入門演習・教養演習などの初年次導入教育のゼミのための入門書。「一流の大学生」への入門であると同時に、初年次導入科目担当の先生のための手引き書。予告編・出会い編・導入編・問題関心編・もうひとつの中級編・もうひとつの上級編

『談』掲載の対談の再録。

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教授からのメッセージ

経済学部と「つなぐ仕事」と「何を学ぶか」

▶そもそも学部とは何でしょう。
 基本は、たったふたつです。研究直結型か、職業直結型かです。 研究直結型の学部は、職業選択としては「研究者」と「教員」を養成します。それに対して職業直結型の学部は、特定の職業人になることを想定して勉強します。ですから就職率のようなものは職業直結型学部の方が断然高くなります。特定の資格をとって専門職に就職するケースが多いでしょう。
 それらに対して経済学部は「中間的な学部」と言えます。「中間的」というのは、けっして悪い意味ではありません。むしろ積極的な意義さえあります。中間的な学部には2種類あります。ひとつは複合領域に対応した学部。文系と理系の区別なしに勉強する学部もあります。もうひとつは、むしろおなじみの学部です。経済学部・経営学部・社会学部など。これらの学部をでると何か特定の職業に就けるというイメージがありません。だいたいビジネスに関連する学部という認識でしょう。「半分は学問的、半分は実務的」という感じです。
 だからでしょうか、「むずかしい勉強はいや。だけどガチガチの職業訓練はしたくないし、どんな職業に就きたいかわからない」という消去法で学部選びをしていくと、たいていこれらの中間的な学部に行き着きます。それでいいのです。職業についての判断は、見極めのできる大学生になってからでも遅くはないのです。

▶「つなぐ仕事」とは何でしょう。
 じつは、経済学部のような中間的な学部には重要なミッションがあるのです。それは明確に言われることが少なく、ほとんど強調されていません。一言で言うと「つなぐ仕事」です。
 では、何をつなぐのかというと、5種類のことがらです。人、物、組織、情報、お金。
 たとえば、営業職というのがあります。一般に「営業」と呼びます。これは何をするのかというと、会社と会社をつないだり、会社とお客さんをつないだり、お客さんと職人さん(または専門職)をつないだり、情報とお金をつないだりします。組み合わせはいろいろです。たとえばプロジェクトとかコーディネイトとかイベントなどと呼ばれる出来事を企画して、さまざまな人・物・組織・情報・お金をつなぐのです。「つなぐだけ」と思うかもしれませんが「つなぐ人」がいなければ「飛騨の職人さん」も「一級建築士」も「コピーライター」も「カメラマン」も「アーチスト」も仕事になりません。この複雑な社会の中で、それらの人たちを出会わせる人たちが必要なのです。ちゃんと適切に「つなぐ人」が、無縁な職人さんや専門職の人びとを創造的なネットワークに組み入れるのです。これはこれで「片手間」ではできません。「つなぐ人」に必要なのは、これらに関するほどほどの専門知識とビジネス志向と教養と都会的センスです。 ここをわかってないと経済学部に入ってから目標を失います。

▶経済学部で何を学ぶのか。
 それは「つなぐ人」になるために必要な勉強です。その勉強には、およそ5つのジャンルがあります。
1 経済学研究。経済学はもはや市場経済の一部です。経済学の専門知識はビジネスを展開する上では必須です。
2 ビジネス研究。こちらは、もっと具体的な知識です。企業を固有名詞レベルで語れるようにしておかないと、つなぐにつなげません。
3 お金の世界。何ごとにもお金の問題はつきまといます。失敗もよくある世界です。しくみを熟知してきましょう。
4 特技。特技があれば、そこから何かが拓けることがあります。1つはもっていたほうがいい。
5 都会的センス。やはりこれがないと「つなぐ人」にはなれないと思います。視野の広さ、人当たりの良さ、身軽さ、予測の適切さ、ネットワークの広さなどがあります。
 ほんとうは、これに法律的思考を入れたいところです。秩序ある社会は法律に則して動いていますから。でも、法律の世界はなかなか奥深いのでトレーニングが必要です。経済学系の人は、チームを作るさいには法律のわかる人を入れておいた方がいいでしょう。

▶国学院経済学部の基本構成
 本学経済学部が用意しているプログラムは、基本として経済学と経営学、それに新領域を加えて構成されています。新領域は経済ネットワーキング学科が担当します。経済学科でさえも実質的に「経済学の理論と、経済の歴史と、近年の日本と世界の経済の動向研究」という広い範囲をカバーしています。さらに他の学科の専門科目もすべて履修(りしゅう)できるようになっています。ただし、この考え方には賛否両論あります。アカデミックな近代経済学の立場からすると「これは経済学ではない」という科目もたくさん設定されています。それは「どういう人になってもらいたいか」に強く関係します。それが「つなぐ仕事」のできる人なんです。

▶大学の個性を見よう!
 大学は本来、個性的な存在です。歴史があり、人がいて、積み上がった無形の文化があるはずです。そこに注目して、自分の進路を考えて下さい。では、グッドラック!

研究室 815
オフィスアワー 月水金の2限から5限のあいだ(国内派遣研究中なので、ずっと研究室にいます)
連絡先 R707FF@kokugakuin.ac.jp
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