教授

中山 郁

ナカヤマ カオル

専門分野
宗教学
本学就任
2006年04月01日
担当教科
神道文化基礎演習、神道文化演習、日本の基層文化(日本の山と精神文化)

著書・論文紹介

本稿では日中戦争・大東亜戦争における前線部隊での戦死者慰霊(戦没者の遺体埋葬、遺骨採収、慰霊祭)の様相を明らかにしたうえで、霊魂の「祀り手」としての戦友や部隊の遺骨や「英霊」に対する宗教観念について考察したものである。 日本陸軍の戦没者処置は「戦場掃除」「内地還送」という二大原則のもとに運営され、支那事変以降、「遺骨還送規定」に従って遺骨の還送が行なわれていた。この遺骨還送システムを底辺で支えていたものが、前線部隊における「骨を拾いあう」関係を柱として結合した戦友同士の関係性であると考えられる。また、遺骨の還送に伴い行なわれる慰霊祭では、戦没者の死を部隊の勝利へと結びつけ勲功として顕彰することで死者を慰める、そして生き残った戦友は英霊に羞じない戦いを通じて勝利を獲得することで英霊に応えることができるのであり、また、英霊もそれを加護するという観念の元に営まれていたことが明らかにされた。また、こうした慰霊祭で祀られる「英霊」は、戦友や部隊を守護する「護国の神」につらなる存在として捉えられていた一方、戦友を死に導く死者としての属性もイメージされた、両義的な存在と考えられていたのである。 「戦場の慰霊」は慰霊の主体である部隊や戦友と、戦没英霊の間における慰霊と顕彰、そして加護という双方向的な関係を縦軸に、遺骨の採取と内地還送を横軸に展開されていたのである。

本稿では、本学におけるアクティブラーニング展開史を概観し、次いでアクティブラーニング用の教室として解説された3309教室の施設と利用状況について検証を行なった。そのうえで、今後のICTを活用したアクティブラーニング展開のためには、ICT活用を「教員と学生」を結ぶものと単純に考えるのではなく、寧ろ学生同士の学びを活性化させるツールとして捉えることの有効性を論じた。

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教授からのメッセージ

[研究テーマ]
専門分野は宗教学で、これまで山岳宗教・修験道研究、シャーマニズム研究、神道系教団の研究を行ってきた。とくに山岳宗教については木曽御嶽行者の修行や、大峰奥駈修行、羽黒山秋峰入修行など山伏の修行の参与観察調査を行うとともに、文書・文献調査の成果も踏まえ、山と人との関わりについて考察をし続けている。ことに、平成26年9月の木曽御嶽噴火を踏まえ、今後は山岳宗教者のみならず、山で暮らすコミュニティーを視野に入れた研究を進める必要があると考えている。
また、神道系教団については、各教団の教学的展開や宗教的実践の変容を分析しながら、これらの教団にとっての「神道」とは何であったのか、について、兼担教員として参加している、研究開発推進センターの研究事業「昭和前期の神道・国学と社会」のなかで問いを深めてゆきたいと考えている。
以上に加えて近年は海外戦没者慰霊の研究に着手し、ミクロネシア地域(北マリアナ連邦、パラオ共和国)やパプアニューギニアにおける日本人による遺骨収集や慰霊巡拝、慰霊碑の調査を行っている。

 
[教育開発]
教育開発推進機構の構成員として、本学の教育力の一層の向上を図るのが教員としての主な任務である。なかでも本学共通教育、教養教育体制の運用、検証、改善を担う者のひとりとして、本学の風土に即したグローバル化への対応や、共通教育、教養教育の整備、本学ならではの教育と検証体制の整備に一層の力を入れてゆきたい。
また、学生の潜在的な力を引き出し、主体的な学びに導き入れる授業法として「アクティブラーニング」に注目している。自身の授業に活用し、その効果について検討を進めているが、これに加えて他学における活用状況に関する情報提供を積極的に行ってゆこうと考えている。
さらに、大学教員に対する教授法等の研修体制についても、他学の事例について注視し、情報の収集を心がけるとともに、本学におけるより良い研修プログラムの構築の手助けをしてゆければと考えている。

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