准教授

野田 隆夫

ノダ タカオ

専門分野
理論経済学
本学就任
1979年04月01日
担当教科
経済理論入門、マクロ経済学1、マクロ経済学2、マクロ経済学、演習4、演習3(2)、演習2(4)、演習1(2)、サマーセミナー(演習2)、前期課程・理論経済学特論1(講義・演習)

著書・論文紹介

イノベーションあるいは技術革新によって,資源配分の技術的な効率性が必ず上昇するという議論に対して,それは既存企業が革新する場合には妥当するが,新規参入がある場合は必ずしも妥当しないことを示し,また技術の非可逆性による費用も存在しうることを考察した。市場で淘汰されたということでイノベーションを全面的に固定する傾きに対して,ネガティブな面を伝統的枠組みの中で探す努力をした。

固定資本を入れた結合生産モデルを利用して,固定資本の各年令での価格と固定資本の寿命の選択との間の関係を明確な形で示すとともに,旧固定資本に体化された新技術への移行の過程で,技術のダイナミックな形での再切り換え現象が生じうることを示した。

マクロ経済学の概説書である。担当部分の前半においては経済成長の諸理論について説明し,後半では成長率が低下した要因を技術革新とそれがもたらす経済構造の変化ならびに相対価格の変動との関連で説明しようとした。

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教授からのメッセージ

「前置き」
 店の主が「景気はどうですか?」と訊かれ、「ぼちぼちですね。」と答えるとき、この景気という言葉は、この店の売れ行きの状況、もうかり具合を指します。それに対して、「景気を浮揚する強力な政策を実行します。」と政治家が言うとき、この景気は日本経済全体の調子を指しています。
 経済全体の調子を診断するためには、全体をまとめた何らかの目安が必要であり、百貨店売上高とか住宅着工数といったものが使われますが、その中の本家本元というべきものが国内総生産(GDP)です。このような目安で経済全体の景気を診断し、人々を代表して政府が対策を立てる、ということが現代では当然のこととされています。しかし、これが常識となったのは、そう遠い昔のことではありません。
 産業革命の後、経済が成長して資本主義経済と呼ばれる段階になると、好景気と不景気が交互に現れるようになり、恐慌と呼ばれるひどい不景気では、多くの人々が路頭に迷い、悲惨な情景が生まれました。これを見て、19世紀にマルクスという経済学者は、資本主義経済には大きな欠陥があり、いずれ壊れるだろうし、早く壊して新しい経済のしくみ、社会主義経済に変えるべきだと考えました。しかし、他の経済学者の多くは、不景気は風邪のようなもので、経済には自然治癒力があり、ほっておいても治る、と楽観的でした。
 ところが、1929年、アメリカでの株価の大暴落を端緒として、世界が「大恐慌」に陥り、楽観視できるどころか第2次世界大戦という破滅への道を進むことになります。
 こんな中で、イギリスのケインズは、不景気という資本主義の病はほっておくと大変なことになる可能性があり、ちゃんと人間の力で治癒すべきであり、それが可能であると考え、従来とは違った処方箋も提案しました。しかし、現在ではこのケインズの処方箋が有効なのか、副作用はないのかという議論から、もっと経済の治癒力を信頼すべきであるという考え方も強くなっています。
 私の担当するマクロ経済学の授業では、以上のことが「前置き」として語られます。

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