教授

吉田 敏弘

ヨシダ トシヒロ

専門分野
人文地理学、歴史地理学、地図史
本学就任
1992年04月01日
担当教科
史学基礎演習C、史学展開演習(歴史地理)、史学展開演習2(地域文化と景観)、地域・景観調査法、歴史地理調査法、文化景観各論1、歴史地理学各論1、史学応用演習(地域文化と景観)、史学応用演習(歴史地理)、環境史・災害史、史学特殊講義、地域文化と景観特殊講義、卒業論文、前期課程・歴史地理学研究1(演習)、後期課程・歴史地理学特殊研究(演習)

著書・論文紹介

荘園絵図の作成契機と機能を概観し、単一荘園を描く「故実絵図」の特質を、紀伊国井上本荘絵図を事例に検討した。井上本荘絵図の境界は近世村境に継承されない概念的な直線境界であり、13世紀以前の荘園景観を描いている可能性を指摘した。また、現地に残る溜池群は貴重な景観遺産であり、保全の価値があることを述べた。

國學院大学図書館蔵「山門大絵図」購入のいきさつと絵図内容の概要を紹介し、その意義を簡単に述べた。とりわけ幕府に提出した正保2年山門大繪圖の存在は、同時期に進行していた幕府撰国絵図事業との関連を予想させるものである。

3ヶ年度にわたる本寺地区の農村景観保全実践の取り組みと磐井川流域の伝統的農村景観の現状調査・評価の活動の成果と課題を総括した。

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教授からのメッセージ

ゼミについて
 史学科の中でも、地域文化と景観コースは、文献史料ではなく、現在も各地に生きているさまざまな歴史遺産を主たる資料として、伝統的な地域文化の特質を明らかにし、文化や遺産の将来への継承をはかる、というユニークな特色をもっています。私のゼミでは、各地の伝統的景観を中心テーマとし、現地調査や古地図・絵図資料に拠りつつ、その原型を復元し、現在に至る変容過程を追跡し、現在も生きている伝統的景観の諸要素の保全手法を考えます。そのため、ユネスコ世界文化遺産や日本各地でも実践されている伝統的建造物群保存地区や文化景観保全地区などの事例を学ぶと共に、そうした保全の可能性があるフィールドを新たに見いだし、その地の景観の価値の解明をめざします。
 また、私が担当する「地域文化と景観調査法」では現代における地図情報処理の最先端であるGIS(地理情報システム)を習得します。これは受講生諸君の就職などにも役立つスキルを開発するものです。また、ゼミや実習の受講生を中心として、伝統的な景観や文化が生きているフィールドで、田植・稲刈りなどの農業体験を行います。現在は岩手県一関市の伝統的な小区画水田を借り受け、地域住民や中学生などと楽しい体験交流を実施しています。ゼミ生以外でも、余裕がある限り参加を受け付けますので、興味ある学生は地理学実習室まで問い合わせて下さい。

研究について
 卒論・修論で、日本・西欧の中世農村景観に関する研究を開始し、次いでその重要な資料である日本中世荘園絵図の研究に着手しました。絵図・古地図研究は大変奥が深く、現在では、荘園絵図に限らず、各種の絵図や古地図を対象として、これらの研究可能性の開拓に努めています。荘園絵図研究の一事例として扱った中尊寺領骨寺村絵図の現地調査を通じて、その故地の景観が大きな価値をもっていることに気づき、地域住民と共にその景観保全に取り組んでからすでに20年近くが経過しています。これを契機として、景観保全の実践にも大きな関心をもっています。また出発点であった農村景観の研究では、かつての農業技術の問題が重要であるとの認識に立って、農業技術と景観の変容に関する研究を進めています。

受験生や学生に一言
 大学では、すべて自主的に行動することが基本です。授業に出席することだけが勉強ではありません。時には図書館にこもったり、教員や先輩と討論したり、また一人で研究フィールドに旅して、現地を歩き回ったり、地域住民の方の話を聞く、など、いま何が必要なのかを、自分で考えて、これを実践することが重要です。
 私は常時、AMC1Fにある地理学実習室で研究指導にあたっています。この部屋には、いつも大学院生や学生が研究に利用しています。興味のある人は是非一度地理学実習室を訪問して下さい。多くの先輩から有益なアドバイスが受けられるでしょう。

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