教授

根岸 茂夫

ネギシ シゲオ

専門分野
日本近世史
本学就任
1988年04月01日
担当教科
史学展開演習(日本史)、史学基礎演習C、史学展開演習1(日本史)、史学展開演習(日本史)、史学展開演習2(日本史)、史料講読、古文書学演習1、古文書学演習2、史学応用演習(日本史)、史学導入演習、史学基礎演習A、日本時代史5(2)、日本時代史6(2)、卒業論文、卒業論文(1次題目)、前期課程・日本近世史研究1(演習)、前期課程・日本近世史研究1(演習)、後期課程・日本近世史特殊研究1(演習)

著書・論文紹介

平成26年度國學院大學特別推進研究の研究成果報告書。京都市伏見区東丸神社所蔵東羽倉家文書の分析を中心に、荷田春満の学問と彼を中心とした近世の前期国学の人的ネットワーク、春満の養子在満の学問、伏見稲荷社の社家であった東羽倉家の神職としての役割と伏見地域との関係、幕末の稲荷社の諸相などにつき考察した論文集。

近世初期の中山道における伝馬継立制度について、徳川氏が関東に入封した天正18年(1590)から元和期(1615~24)ころまで、江戸幕府の成立とともに確立していく姿を、史料を克明に検討しながらその意義を論じた。

平成22年~25年度科学研究費補助金(B)(一般)(課題番号22320130)の研究成果報告書。荷田春満に代表される前期国学の諸問題を、特に18世紀前期の春満を中心とした人的ネットワークの解明を中心に、春満の弟羽倉信名の「日記」に登場する人物1100名の分析と、春満と門人の和歌の検討から考察し、従来の研究に新たな視角を切り開くと同時に、法制史・書誌学・春満を生んだ山城伏見の地域や伏見稲荷社との関係の考察など、多様な考察を試みた。

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教授からのメッセージ

ゼミについて
 近世史の史料をくずし字の原典コピーを使って読んでいきます。現在知られている近世史料のうち、活字化されたものは、おそらく1パーセントもありません。近世史料を読み解くためには、くずし字の知識とともに、内容を正確に把握し、当時の社会が直面していた問題や背景などを見出す作業が必要です。受講生各自が、史料の収集・分析を通じて 多様な史実を見いだし、それを基礎に歴史を考えていくという方法論を身につけ、歴史に対する豊かな知識や創造力、歴史的かつ論理な思考力を持ってほしいと思っており、そのために基本文献や研究動向などを理解できるよう配慮しています。
 卒業論文では、近世初頭から幕末まで、政治・社会・風俗・生活など、幅広い分野を見ています。指導の場や春夏の合宿などを通じて、受講生は各自の研究を発表しながら討論を重ね、互いによりよい論文 を作成しようと協力し合ってがんばっています。なお、史料の原点に触れる機会を設け、機会があれば史跡や博物館の見学・現地調査なども取り入れるつもりです。

   
研究について
 いくつかの研究課題を持っています。第一に、近世武家社会の解明をすることです。武士というのは一般的に知られているようでも、実は不明な点が多く存在します。いま大名行列をキーワードにしてこの問題に取り組んでいます。第二に、関東を中心とした地域史の研究です。若いころから関東農村の史料調査にかかわり、現在でもいくつかの自治体の歴史編纂に携わっています。第三に、国学の成立期の研究です。大学内外の若手の研究者と取り組んでおり、国学の始祖である荷田春満について毎年京都に史料調査に出かけています。併せて近世の神社史にもかかわっています。

受験生・学生に一言
 ときどき就職した卒業生から、自分は史学科を卒業して良かったといわれることがあります。何故かと聞くと、仕事の中で様々な分析や報告書の作成に、卒業論文を書いた経験が役に立ったというのです。目的を定めてさまざまな情報を集め、それを分析しながらガセネタを排して正しい情報を確定し、それを系統的・論理的に考察して方向性を明確にし、その主張を明快な文章にして報告書を作成するという方法は、確かに卒業論文の作成の手順そのものです。また企業関係者から、史学科の卒業生は、トラブルが発生したとき、まず原因を究明し、そこからトラブルまでの過程を歴史的に丹念にたどりながら問題の解決に当たる姿勢を持っているといわれたことがあります。
 史学科に行っても就職がないと、大学に入学するとき私も周囲から反対されましたが、歴史学の方法論を身につけ歴史に対する造詣を深くすることは、現実の社会に対応できる力を身につけることにつながるのではないでしょうか。

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