准教授

青木 敬

アオキ タカシ

専門分野
日本考古学(古墳時代・古代の考古学)
本学就任
2016年04月01日
担当教科
史学展開演習1(考古学)、史学展開演習(考古学)、史学展開演習2(考古学)、歴史考古学1、歴史考古学2、史学応用演習(考古学)、史学導入演習、史学基礎演習A、考古学概論1、考古学概論2、考古学調査法、卒業論文

著書・論文紹介

日本列島に認められる版築の技術系統を分類し、その上で神奈川県下における版築基壇や掘込地業が認められる寺院造営の技術的背景を考察する。下寺尾七堂伽藍跡の掘込地業にみられる版築は南朝・百済ルートの系統、千代廃寺の掘込地業や相模国分寺の基壇などは北朝・新羅ルートの系統にそれぞれ位置づけられるとした。

白鳳寺院の基壇構築技術、とくに版築技術に注目し、新たにB工法の簡略形であるB´工法を設定した。B´工法の例は、7世紀後半以降顕著に認められ、新羅の技術であるA工法と百済由来のB工法とが融合したAB工法とともに、7世紀後半に爆発的な増加をみせた寺院造営を支えた技術と位置づけることができる。そして、B´工法にみられる技術の省略化こそが、分布を広げる上で重要な要素となることを、須恵器環状瓶の例をあげて説いた。このほか、山王廃寺など基壇や掘込地業の版築にB工法を採用する例は、いわゆる七堂伽藍を備える本格的な寺院に限定されることを指摘し、飛鳥地域における諸例もふまえると、B工法が本格的寺院に専用の技術とも換言され、王権との強い関連性が看取される。つまり、7世紀代の各地に本格的寺院を造営することは、つとめて政策的な色彩が強いと考えた。

伽藍整備計画にもとづく、近年の興福寺伽藍における発掘調査成果を紹介した。とくに、中金堂、中金堂院回廊、中門、南大門、北円堂院を中心に検出遺構や特筆すべき出土遺物を列挙し、興福寺伽藍の特質について解説した。

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教授からのメッセージ

ゼミについて
これまで蓄積されてきた古墳時代以降の考古学的な研究成果について、論文や報告などを紐解きながら、研究の現状と課題を把握していきます。各人の理解を深めるため、重要な調査例も適宜紹介しつつ、考古資料の見方や分析および解釈の方法などを学んでいきます。学生諸君は、自ら資料を探索し、発表や討論を重ねることで、考古資料から得られた情報を実証的に分析し、時代的な背景や歴史的意義にまで踏み込んで考察する思考力を身に着けることを目指します。身に着けた思考力をもとに、大学生活の総括として卒業論文を作成するとともに、各自の史観を形成すること、これが目標です。

研究について
歴史考古学を専攻し、主として古墳時代・飛鳥時代・奈良時代・平安時代の研究に取り組んでいます。具体的には、飛鳥時代から平安時代の都城・寺院・官衙の成立および展開について、遺跡・遺構・遺物を用いてその歴史的意義を追究しています。さらに、寺院の研究などを通じて、信仰や祈りといった古代の人々の精神世界ものぞいてみたいと思い、目下考古学からアプローチする方法について模索中です。古墳時代では、日中韓における古墳の構造分析などを手がかりに、当時の列島における政治や社会の復元を目指して研究に取り組んでいます。

受験生や学生に一言
考古学という言葉を聞くと、冒険仕立てのロマンを抱く人がいるかもしれません。でも現実は、泥と汗にまみれた発掘調査や発掘後の成果を検討する過程で、物言わぬ考古資料と数多く向き合い、どれほど多くの情報を引き出すか、たゆまずその方法を模索し、歴史的な思考を研ぎ澄ましていく長い道のりに他なりません。しかし、こうした地道な努力を重ねるにつれ、考古資料と「対話」ができるようになり、次第に考古学が「おもしろい」と思えるようになってきます。そうなったらしめたもの。みなさんが「おもしろい」と思える「モノ」に出会えるきっかけとなるよう、國學院大學の考古学コースでは多彩な講座や実習を揃えています。

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