関ヶ原の戦いで豊臣方を破った徳川家康は全国統一を成し遂げて、江戸城を拠点に江戸幕府を開き、さまざまな施策、事業を行いました。その結果、三百年近く続くことになる泰平な社会を実現するに至ります。
相前後して、海外から入ってきた印刷技術は、日本の国土に合った改良を重ねていました。模索発展の末、大量生産することができるようになった本(版本)は、本屋で商品として売られるようになっていきました。マスコミとしての文学は、江戸時代から始まったわけです。
江戸時代前期(一六〇〇年代)、このように京で誕生した本屋は大坂でも増加していきましたが、発展途上の都市である江戸では、そうした上方の本屋の支店(出店)があるばかりでした。やがて江戸時代中期(一七〇〇年代)になって都市的安定を迎えた江戸の地において、独自の文化を背景にした新規の本屋(地本問屋)が次々と生まれ、次第に増大していく庶民読者を中心にして、庶民文芸が花開いていくことになります。
本展示は、出版文化としての江戸文学(近世文学)を通観するとともに、國學院大學で所蔵する江戸文学の代表的作品や珍しい作品を紹介するものです。特に、庶民文化と密接な結びつきを見せた江戸後期の戯作類を中心として、ややもすると文学史上で軽視されがちな庶民文芸に改めて光を当てています。
江戸の活気溢れる、楽しい文学の世界に触れて下さい。
開催期間 | 平成28年7月19日(火)~8月28日(日) 【開館時間】 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで) ※8月10日(水)~8月19日(金)は休館 |
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会場 | 國學院大學博物館 (渋谷区東四丁目10-28) |
主催 | 國學院大學 |
後援 | 渋谷区、毎日新聞社、國學院大學若木育成会、一般財団法人國學院大學院友会 |
入場料 | 無料 |
お問合せ | 國學院大學広報課 TEL:03-5466-0130 |
主な展示資料
『栗毛弥次馬』、『源平総勘定』、『俳優素顔夏の富士』、『白縫譚』、『世上洒落見絵図』、『箱根草』
國學院大學学びへの誘い
國學院大學が所有する学術資産の内から、古典籍を中心に展示会を開催し、開催地域との文化的な融合を図ることを目的として平成17年より実施しています。
「学び」とは、学生のみならず、誰もが生涯を通して行う行為であり、切り口を変えることにより、新しい発見が生まれ、様々なものが見えてきます。多彩な入口を提供し、学術の裾野を広げようとする試みが「学びへの誘い」です。
巡回展示
札幌:6月4日(土)~12日(日)紀伊国屋書店 札幌本店2階ギャラリー
滝川:6月13日(月)~18日(日)國學院大學北海道短期大学部
松本:9月10日(土)~25日(日)松本市時計博物館 3階企画展示室
ミュージアムトーク(展示解説)※無料
◆日時:平成28年7月30日(土)・8月27日(土) 14:00~14:30
◆講師:中村正明(國學院大學文学部准教授)
※お申し込み不要です。当日、國學院大學博物館までお越しください。
ブロガー内覧会 ※無料
◆日時:平成28年7月20日(水)18:30~19:30
当日、中村正明准教授による展示解説を行います。
※事前申込制(詳しくは下記「ブロガー内覧会」ページでご確認ください)