神道文化学部 在学生インタビュー(24)

2015年12月8日更新

「日本人の叡智」を求めて、神道文化学部に入学しました

牧口さん
フレックスB(昼間主)3年

―神道文化学部入学の動機を教えてください。

「私の出身高校は、漢学塾の系譜をひく大学の付属校で、授業では『論語』講読がありました。とても興味を引かれ、懸命に受講しました。『論語』は中国の書物です。そこに示されているのは「中国の叡智」です。それでは、「日本の叡智」とは何なのでしょうか。「日本人ならではの価値観」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。折に触れて、しばしば考え込むようになった私。次第に、わが国ならではの「道」としての神道に、心惹かれていくようになったのです」

観月祭で

―実際に入学して、いかがでしたか?

「入学してすぐ、武田秀章先生の『古事記』講読の授業が始まりました。『古事記』には、『論語』のような「教え」はありません。そこでは、生き生きとした「物語」によって、古代人の思想や価値観が表現されていたのです。私には、それがとても新鮮でした」

「同じく1年次の導入科目「神道文化基礎演習」。担当は黒崎浩行先生でした。発表では「靖国神社・靖国問題」について報告しました。靖國神社は、通っていた高校の近くにあり、学校の行き帰り、よくお詣りしていました。この時の発表が、私の大学での学修の「入り口」となったのです」

―観月祭で活躍していますね。

「入学直後、神楽舞サークル「みすず会」に入りました。稽古稽古の日々を経て、2年生の時、本学恒例の観月祭で、豊栄舞の舞人を務めました」

「3年次の観月祭では、浦安の舞を舞わせていただきました。稽古日数も倍増し、とてもハードな日々でしたが、おかげさまで本番では快心の舞を披露することができたと思っています。小野貴嗣先生、御田村洋子先生の親身な御指導の賜物です。心から感謝申し上げます」

―ゼミでの研究テーマは?

「3年次から遠藤潤先生のゼミに入っています。演習論文のテーマは柳田國男『遠野物語』の研究です。『遠野物語』は『古事記』と同じ「物語」です。簡潔を極めた掌編の中に、日本人の信仰や畏れが凝縮されています。興味が尽きません」

千度大祓で(福島県いわき市)

「今年の夏、ゼミの友人3人と一緒に、遠野を旅行してきました。鄙びた遠野の風土に接して、『遠野物語』の世界がますます身近になりました。誰よりも自分自身が納得のいく論文をまとめたいものと願っています」

―将来の抱負は?

「もうすぐ4年。就職か、奉職か。選択の時が近づいています。3年間の経験を踏まえ、自分の進路をしっかりと見定めていきたいと思いっています」

武田秀章学部長より

いつも控えめで穏やかな牧口さん。けれどもその内側には、真摯な問い掛けと探究心が燃え盛っています。
「日本人とは?」という高校時代以来の問い掛け。牧口さんは、その答えを、『古事記』を経て、『遠野物語』の中に見出したようです。
観月祭の稽古でも、牧口さんは真摯そのものでした。粘り強い精進の日々を経て、観月祭当日は、仲間と共に、見事ベスト・パフォーマンスを披露したのです。
牧口さんが、持ち前の真摯な探究心によって、自らの進路を力強く切り開いてゆくことを、心から祈っています。

遠藤潤准教授と

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