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人々の求める価値が変わる時代
「本質を見極める力」がカギとなる

渋谷対談!Vol21 トップが語る Vision & Mission『國學院大學×株式会社ビームス』

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2019年1月8日更新

日経ビジネス(BEAMS)①

 同じ渋谷区にある國學院大學の赤井益久学長とビームスの設楽洋社長が対談。テクノロジーの進歩などにより人々の価値観は変わりつつあるが、大学と企業のトップはその変化をどう捉え、何をすべきと考えているのか。両者が意見を交わす。

 

プロフィール

赤井益久(あかいますひさ)

設楽洋(したらよう)

國學院大學

学長

株式会社ビームス

代表取締役社長

1950年生まれ。

國學院大學大学院文学研究科博士課程を経て、1996年より同文学部教授。2011年に学長に就任。

1951年生まれ。

慶應義塾大学卒業。電通に入社後、1976年からビームス創業に関わる。電通を退社し1988年より現職。

 

情報過多の中で重要な「本質を見極める力」

 

赤井 互いに、渋谷の街で長らく若者に接してきたと思うのですが、情報過多と言われる今の社会では、人の価値観も変化したと思います。設楽社長はどう感じていますか。

設楽 弊社が創業した42年前、若者はモノと情報に飢えており、彼らが見たことのないモノを見せることが“価値”でした。今はモノと情報があふれているため、何が正しいかわからない。その結果“本物”に飢えているのだと思います。数ある情報を絞り、本質的なものを伝えることが“価値”なのではないでしょうか。

赤井 確かに、情報を容易に得られるのはメリットもある反面、得た情報が本質なのか見極める力が求められています。本学が志すのも「本質を見極められる教育」であり、古典なら原型に近い書物に触れさせる、考古学なら発堀現場に立ち合うなど、できる限り本物に触れさせています。

 

「今の社会において、本質を見極める力が豊かな人生につながる」と赤井学長。

「今の社会において、本質を見極める力が豊かな人生につながる」と赤井学長。

現代の教育・育成は
「回り道」させることがカギ

 

設楽 弊社も同様です。モノ選びは一朝一夕では出来ないので、なるべく全社員をモノが実際に作られている現地に連れていきます。現場はもちろん、周辺の町や風土、文化を見る。大切なのはモノの“横”や“脇”にある何かで、回り道したから見えるものがあります。意外な発見や予期せぬ文化を知ると、見極める目が育つのです。

 

設楽社長は「回り道をして見える花もある。その体験が財産になる」という。

設楽社長は「回り道をして見える花もある。その体験が財産になる」という。

赤井 本物に触れるとは、回り道をすることでもあります。検索すればすぐに答えは見つかる時代ですが、答えに到達するまでに悩むからこそ、モノの価値がわかるようになります。本学の教育目標に「大人の育成」を掲げていますが、“大人”とは“悩む力”を持つ人間なのだと考えています。

設楽 ネット検索は関連情報が次々に出るため、たくさんの情報に触れて満足しがちです。しかし、それでは自分の嗜好以外のところで新しい発見をしにくい。フィルターバブルと言って、知らぬ間に1つの泡の中に閉じ込められているかもしれない。

赤井 ですから、教育でもあえて回り道をさせる工夫が求められます。加えて、回り道をした学生が予期せぬ発見を吸収できるよう、アンテナを張らせることも大事。標高が高い山は裾野が広く、低い山は裾野が狭いことと同じで、いかに視野を広く持って学べるか。その姿勢づくりが現代教育には必須です。

 

モノからコト、100年先の目
それぞれの社会的価値

 

設楽 価値観の変化という視点では、現代では“モノ”を手に入れる価値よりも「それを使って何をするか」という“コト”が重視されているとも感じます。2014年から発売し始めた書籍「BEAMS AT HOME」や「BEAMS ON LIFE」もそれがコンセプトで、弊社社員がアイテムを使ってどんな生活をしているか提案しています。これこそが、現代社会で発信すべきビームスの価値だと思うのです。

赤井 素晴らしい取り組みですね。社会に対する大学の価値という点では、教育と研究という2つの使命があります。最近の大学は教育先行になりつつありますが、優れた教育は優れた研究、本質を捉えた学問により生まれます。特に歴史や考古学は100年先200年先に結実することもある。であれば、目先だけ見ず、次の時代へつなぐために真理の追求を続けるべき。それが私たち大学に課せられた使命であり、社会的価値だと思うのです。

 

「BEAMS AT HOME」は好評を博し第4弾まで発売。各号100人以上の社員が登場する。

「BEAMS AT HOME」は好評を博し第4弾まで発売。各号100人以上の社員が登場する。

 

赤井 益久

研究分野

中国古典文学、中国古典語法

論文

「伝奇と説話-白居易をめぐって―」(2018/12/28)

「玄宗と楊貴妃の物語を伝えた『場』」(2017/11/30)

このページに対するお問い合せ先: 総合企画部広報課

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