教授

紺井 博則

コンイ ヒロノリ

専門分野
金融論、国際金融論
本学就任
1980年04月01日
担当教科
サマーセミナー(演習1)、サマーセミナー(演習2)、スプリングセミナー(演習1)、スプリングセミナー(演習2)、国際通貨と国際金融、基礎演習A、基礎演習B、日本の金融システム、演習1(2)、演習2(4)、演習3(2)、前期課程・貨幣金融特論1(講義・演習)、後期課程・貨幣金融研究1(講義・演習)

著書・論文紹介

高田太久吉氏の編著(2013年、新日本出版社刊)に寄せて、とくに2008年の世界金融・経済危機をマルクス恐慌論の立場からどのように性格規定し、その後の危機対応策を吟味すべきかという点を検討し、今後の恐慌論研究に活かして行くべきかを問うたもの.

1973年に日本が変動相場制に移行してから40年が経過した。この間に変動相場制については様々は経験を重ねてきたが、この制度に期待された為替相場の安定性について吟味・再検討しべき時期に来ている。本論文では幾つかの視点から、その安定性についての評価を行い、とくに90年代以降、グローバルに見ると多様な為替相場制度の取り決めが採用されている現実を踏まえて、変動為替相場制そのものの見直を含む今後の為替相場制度の行方を探っている。

07~08年の世界金融・経済危機から5年以上の時間が経過し、最悪期を脱したとはいえ、今次の「危機」(=「新しい金融恐慌」)からの「出口」は容易に見えてこない.本論文では、この根底に、現代の資本主義の資本蓄積様式の変化と結びついた新たな貨幣資本の過剰が醸成され、この資本の独自の循環の形成によって景気変動がもたらされている点を明らかにする. またこの変容をいっそう拡大する要因として先進諸国による超金融緩和政策(量的金融緩和)の長期的継続を指摘している.従来の恐慌論の蓄積とその限界を踏まえた問題提起を行っている.

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教授からのメッセージ

金融危機と実体経済の不況との厄介な絡み合い

 97年~98年のアジア通貨・金融危機からほぼ十年経過して、08 年のリーマン・ショックを発端とする米国発金融危機が世界金融危機へと拡大しました。その記憶が消えないうちにさらに09年のギリシャ財政危機を契機とする欧州債務危機が顕在化して、こちらはその収束を語るには相応しくない時点にあります。
 戦後に限って見ても金融危機は繰り返され、確かにもの珍しい現象ではなくなっているのかも知れません。しかし、金融危機の震源地こそ違え、危機が瞬時の内に伝搬し、文字通りグローバルな危機に展開して行く様は前世紀末以来の特徴と言えるでしょう。確かに金融危機そのもの原因には金融の自由化・証券化の行き過ぎにあり、金融のグローバル化・資本の国際的移動の自由化がその危機の電動ベルトの役割を果たしていると言えます。
 しかし、もっとも厄介な点は、金融危機が金融危機として収束できずに、必ず実体経済を道連れにするところにあります。東日本大震災は日本が震源地でしたが、リーマン・ショックの震源地はそうではなかったのに、この危機の余震は日本企業への就職内定者の取り消しという想定外の事態をもたらしました。「金融危機なんて自分たちに関係ない」と高をくくっていても、金融危機はそのリアクションとして必ず実体経済を停滞させ、深刻な不況に巻き込むことになるという事実がまた示されました。
 金融危機と実体経済の停滞・不況との「負の連鎖」を断ち切り、金融危機を再現させないためには、危機の原因を正確につかまえ、そして遅ればせながらも各国・地域で議論が始まっている金融規制について取り組む必要があります。もちろんその規制は「グローバルな規制」へと進まざるをえないでしょう。金融や国際金融の目下の焦点のひとつです。

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