小木曽 道夫

教授

小木曽 道夫

オギソ ミチオ

専門分野
組織社会学、産業社会学、集合行動
本学就任
1996年04月01日
担当教科
アンケート調査、アンケート調査入門、ネットワーク型組織、基礎演習A、演習1(2)、演習2(4)、演習3(4)、演習4、前期課程・社会政策特論3(講義・演習)、後期課程・社会政策研究3(講義・演習)

著書・論文紹介

ブラック企業とは、職務に限定されない非限定的な労働を強制し、かつ、定着が悪い企業のことである。工業化初期の日本では、年功序列、終身雇用、運命共同体主義が構造変容自己生産された。そしてこれらの複合は、経営の予測可能性が高くなるため経営者により、家族の将来の予測可能性が高くなるため従業員により受容され、1980年代にかけて構造変容自己生産され続けた。1990年代以降の経済成熟期にはいった日本企業は、会社の利益を確保するために人件費を削減する必要に迫られ、年功給と終身雇用の廃止を目指して、成果主義や自己都合退職偽装という操縦を試みたが、従業員に受容されず構造探索自己生産となることが多かった。ブラック企業と呼ばれている企業は、新興企業が多いため、もともと年功序列と終身雇用を導入しておらず、運命共同体主義的な経営理念を洗脳することを通じて非限定的な労働を操縦した。一方、ブラック企業の従業員は、非限定的な労働に洗脳されて服従するか、または、不本意ながらも服従させられて、ブラック企業が構造変容自己生産されてしまった。日本企業は、内部労働市場を前提とする限り職務に限定されない非限定的な労働を従業員に課す必要があるので、利益確保のために雇用を切り捨て、かつ、運命共同体主義イデオロギーを用いた操縦などにより非限定的な労働を従業員に強制するならば、ブラック企業になりがちである。

意味作用とは、異種のシステム間の構成素間で意味するものと意味されるものとを同定化し、かつ、意味するものと意味されるものそれぞれのシステム内の構成素を区別できるように差異化することである。特定の条件を満たした場合に限定してある種類の自己生産システムが他の種類の自己生産システムを規定しあう事態である条件つき相互規定の条件とは、異種の自己生産システム間の構成素間の意味作用が成立していることである。

本稿では、ShannonとSaussureのコミュニケーション理論と対比することを通じて、コミュニケーションの性質を明らかにする。コミュニケーションの共時的な意味作用とは、モールス信号と言語との符号化のような、意味するものと意味されるものとの結びつきである。コミュニケーションの継起的な確率過程においては、冗長性というムダの付加により、エントロピーを減少させることができる。コミュニケーションは、自己の継起する以前の状態に準拠する点においては自己準拠システムであるが、他の種類の自己生産システムに準拠する点においては他者準拠システムである。

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教授からのメッセージ

組織の有効性を向上させる要因
 2008年夏のアメリカでの金融恐慌に伴う日本企業の業績低下は、「将来何が起きるのかわからない」という予測可能性の低さを日本国民に思い知らすことになりました。また、「居酒屋タクシー」とも呼ばれる国家公務員への「タクシー接待」は、「キックバック、みんなでもらえば罪でない」というお役人様にとっては当たり前のことであっても、納税者にとっては理解しがたいことであり、相次ぐ食品の消費期限や賞味期限の偽装は、消費者を欺いてまでも利益を追求しようとする金に目がくらんだ経営者にとっては当たり前のことであっても、消費者を欺きたくないのに表示を偽装させられる従業員にとっては理解しがたいことです。このように、予測可能性や理解可能性が低い状態を指して情報エントロピーが高いと呼び、情報エントロピーが高ければ、株式会社などの組織の売上げや利益といった有効性が低下します。
 私の担当する「ネットワーク型組織」では、組織を構成するコミュニケーションにおける情報エントロピーを減少させ、組織の有効性を向上させる要因について講義します。また「アンケート調査入門」では、アンケート調査の基礎知識について講義し、さらに「アンケート調査」では、社会科学において一次データを収集するための有力な方法であり、構成的調査票を用いて一次データを収集して統計分析を行う社会調査の手法の取得を目標としています。

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