藤澤 紫

教授

藤澤 紫

フジサワ ムラサキ

専門分野
日本美術史、日本近世文化史、比較芸術学
本学就任
2014年04月01日
担当教科
史学基礎演習B、史学展開演習(歴史地理)、日本美術史A、日本美術史1、日本美術史B、日本美術史2、日本史特殊講義、史学特殊講義、卒業論文、前期課程・比較芸術学研究(演習)、前期課程・史料学研究1(演習)、後期課程・比較芸術学特殊研究(演習)

著書・論文紹介

2016年12月  『東京人』 12月号 28~43 頁 都市出版 「画狂人」とも称し70余年に渡って作画に尽力した浮世絵師、葛飾北斎の画業を、ゆかりの地である墨田区の史跡や景観と共に辿った。北斎の作品研究に関しては、しばしば唐絵や洋風画など海外文化の影響が指摘されるが、本稿では作画の根底に流れる伝統的な「やまと絵」の側面に着目し、主題選択や画技の点から指摘した。重ねて雛形本を例に、江戸のメディア業界、更には欧米文化にも影響を与えた北斎の意匠家(デザイナー)としての活動にも触れた。

2015年4月 『國學院大學大學院紀要 文学研究科』第46輯 1~40頁 國學院大學大学院  「名所絵」は、近世における庶民文化の台頭、街道の整備、旅の流行といった社会状況の変化によって需要が拡大し、明和(1764~72)初年に誕生した「錦絵」技法の導入を経て庶民層に広まった。本論では名所絵の定義と流れを確認した上で、近世初期の「洛中洛外図屏風」に見られる俯瞰構図が、鍬形蕙斎らの「江戸一目図」や浮世絵の続き物に導入される過程と構図の変化について論じた。次いで安政の大地震の翌年から刊行された初代歌川広重の「名所江戸百景」の報道性や吉祥性、更に伝統的な四季絵や都市景観図との融合にも触れ、名所絵の多様化について論じた。それによって、名所絵を購入し出版活動を支えた「庶民文化の成熟」も併せて確認することができた。

 『美術フォーラム21』29号 一般社団法人美術フォーラム21 2014年5月 江戸の人気浮世絵師の画業を「やまと絵」の流れに組み入れて論じ、彼らが日本の伝統的な画技を新たなジャンルに取り入れた過程を明らかにした。  自ら「やまと絵」を名乗った浮世絵の祖・菱川師宣、古典文学を見立て、やまと絵の「雅」の意識を作品に生かした鈴木春信、そして琳派の意匠性を作風に反映させた葛飾北斎の3名を軸に、浮世絵作品を介して江戸庶民にもやまと絵の趣向が普及していった経緯を示した。

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教授からのメッセージ

ゼミについて
私が担当する基礎演習では、屏風、絵巻、版画、版本、古地図などを用い、絵画や歴史史料の扱い方、読み方を楽しく学びます。特に浮世絵などを例に、都市景観、四季風俗、祭礼など、描かれた「場所・事・物」にあたり、その謎を読み解きます。基礎学習の後は、受講生各自が任意の一図を選び、描かれた景観や祭事、暮らしなどについて自由に発表する機会も設けます。文献学習は勿論、カメラを手に描かれた土地を歩き、絵師と同じアングルを目指して写真を撮影するなど、フィールドワークの成果も積極的に生かしましょう。演習を通じて、「絵を読む」楽しみと「文化を学ぶ」楽しみの双方を経験して欲しいと思います。

研究について
日本美術史、日本近世文化史、比較芸術学など。中でも日本近世を軸とした絵画史研究を積極的に行っています。作品研究を通じて景観表現や風俗表現(衣食住・芸能・祭礼など)について論じるほか、浮世絵等の出版文化を介してメディアとしての機能、美術と国際交流の実情について研究しています。近年は「異界」をキーワードに、絵画表現における虚と実の問題についても考えています。また研究、普及活動の一環として展覧会業務にも携わり、日本美術、文化の魅力を発信できるよう意識しています。

受験生や学生に一言
私が研究の楽しみを知るきっかけとなったのは、1点の作品との衝撃的な出会いでした。高校時代に訪れた印象派展の会場である浮世絵版画を鑑賞し、憧れの西欧の画家に身近な日本美術が大きな影響を与えたことを知りました。それを機に大学では日本美術史を専攻、作品研究を通じて文化や歴史を探ることの面白さを体験しました。現在は様々な仕事を介して出会う新たな発見の喜びが、私の日々の研究意欲を支えています。皆さんと一緒に研究を進める中で、互いに一つでも多くの感動と発見があるよう願っています。

研究室 国際子ども文化研究会
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