テレビや雑誌に数多く登場している國學院大学の先生方。メディアの中で各分野の専門家として、自らの研究内容を語っています。
テレビ・雑誌に出ている先生方のインタビューが「國學院大学メディア」には、数多く掲載されています。研究内容を詳しく語って頂いたり、専門家目線で学問の面白みを解説頂いたり。考古学から最新のスポーツデータ分析まで、テレビで見かける先生方のインタビューをご紹介しましょう。
①研究開発推進機構・深澤太郎教授「人類史全般への興味をもった幼少期を経て、いま考古学にとりくむ理由とは」
②文学部・藤澤紫教授「恋に魅せられ、人に惹かれて。浮世絵は、こんなに楽しい。」
③人間開発学部・神事努准教授「熱い夏が証明した、『育成』と『データ』のたしかな関係性」
④人間開発学部・吉永安里准教授「幼児教育と小学校教育には大きなギャップがある?」
考古学者として、ブラタモリに出演。タモリさんと渋谷の街をブラり歩いた研究開発推進機構教授 深澤太郎先生が語る人間のルーツ研究
NHKの「ブラタモリ #186 渋谷〜なぜ渋谷に人が集まるのかのロケ地」にトゥクトゥクに乗って登場したのが研究開発推進機構教授 深澤太郎先生だ。番組では考古学者という物静かなイメージを裏切るポップな語り口で話題を呼んだ。インタビューでは、そのポップさを支える真摯な研究哲学が垣間見える。
深澤先生の考古学に対する興味は幼少期から既に芽生えていたと語る。
『そもそも山梨に生まれ育った子どもの頃は、「人類はどこからやってきて、どこへゆくのだろう」などと想像を巡らしているような変わり者でした。実際に、長野の野尻湖で旧石器時代の遺跡の発掘調査に参加するなどしていたのですが、こうした”人類史全般”への興味は、現在まで持続しています。』
こうした子どもの頃からの興味は、やがて人類のルーツへと関心が向いていく。
『単に“最古”を探ることには困難が伴うからこそ、時代に遡及的に物事を考えるようになった』と語る深澤先生は、軽やかなフットワークで時代や地域を横断し研究を進めていくスタイル。
先生が扱う考古資料は、それ自体では何もモノを語らない。語らぬモノに語らせる考古学。その先生なりの考察を、インタビューで解き明かしていこう。
高校時代に出会った1枚の浮世絵。以後、ずっと浮世絵の世界に魅せられている文学部教授 藤澤紫先生が語る、浮世絵の面白さ
NHKの「チコちゃんに叱られる 2022年5月13日放送回」において、「なんで浮世絵の顔はみんな同じなの?」を解説していたのが、文学部教授 藤澤紫先生だ。
藤澤先生は、2018年に国際浮世絵学会賞を受賞するなど浮世絵研究の第一人者として知られ、浮世絵の魅力を学生に、さらには世の中に伝えるため日々奮闘している。
浮世絵の謎に迫った「チコちゃんに叱られる」では、浮世絵には謎解き要素も含まれていると語り、浮世絵に描かれる男女の様子などから、シチュエーションや、登場人物の想いなどを解き明かしていくことの楽しさをはつらつと語っていた。
藤澤先生自身も、高校生の時に見た1枚の浮世絵に心を奪われ、研究者の道に進んだ1人だ。先生はインタビューの中で、こう語っている。
『この世界に入るきっかけになったのは、“恋”を描いた浮世絵。それを見た高校生のときの私は、瞬く間に、浮世絵に心を奪われてしまいました。絵に秘められた物語を読み込もうとしていた私は、そこでハッと、「ふたりは恋の共犯者なんだ……!」と気づき、その少女漫画のような世界観に、たちどころに魅かれていったのでした。』
浮世絵の中の登場人物には、今の私たちと変わらぬ感情があり、現代の人々にも浮世絵をなるべく身近な感覚で受け止めてもらいたいと語る藤澤先生。先生の感性と浮世絵への深い愛情、先生が浮世絵に求める“新鮮さ” “人を描くことへの思い”を知ると、メディアに出ている藤澤先生の印象が、また違って見えることでしょう。
“テクノロジーの進歩”と“スポーツのおもしろさ”はリンクしている。スポーツデータ解析の先端を走る 人間開発学部准教授 神事努先生
NHK BSの「球辞苑 〜プロ野球が100倍楽しくなるキーワードたち~」で、元プロ野球選手達とともに野球を語っていたのが、人間開発学部准教授 神事努先生。
バイオメカニクスを研究テーマに掲げ、スポーツデータを活かした実践的な指導も行っている。2018年、夏の甲子園でフィーバーを巻き起こした金足農業高校。その躍進をスポーツ科学の側面でサポートしたのも神事先生だ。
神事先生がスポーツデータに興味を抱いたきっかけは、自身が教えを受けた野球コーチの昔ながらの指導だったと言う。
『私自身、大学まで野球をやっていたのですが、ある日のバッティング練習でコーチから「軸でまわれ!」と言われたんです。自分なりにそれを理解して体現しようとしましたが、考えれば考えるほど「軸ってなに?」という疑問にぶつかって。そのときに「抽象的な指導内容を全員が共有するには、どうすれば良いだろう?」と考えて、行き当たったのが“数字”というツールでした。
20年以上に渡ってスポーツデータと向き合ってきた神事先生は、今後スポーツデータをどのように活用していくべきと考えているのか、先生自身の目指すところはいったいどこなのか、神事先生の本音に迫ったインタビューです。
人間開発学部准教授 吉永安里先生が語る、学びの本質とは何か、子ども達にとって望ましい学びの環境、授業とは
最後にご紹介するのはNHK Eテレ 「すくすく子育て〜 入学前にできなきゃいけない!?(学習編)〜」にて、小学校入学を控えたお子様の学習面に不安を抱く方に向けて、率直で分かりやすい説明をしていた人間開発学部准教授 吉永安里先生だ。
吉永先生は、大学で「幼少接続」の研究を進めている。幼稚園や保育園で遊びを通して学んでいた子どもたちが、小学校に入ると、整然と教室の席に座り、教科書を順番通りに学んでいくようになる。ごく一般的な子どもの成長プロセスのように思われるが、それは本当に“当たり前”のことなのだろうか。と吉永先生は問う。
インタビューで吉永先生はこう語っている。
『幼稚園では、子どもたちが秋の自然に興味を持ったのなら、葉っぱや木の実などの自然物を収集して造形活動や身体表現に発展させたり、その表現を通して教師や友達と気持ちを通わせたりするなど、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5つの領域のねらいを総合的に達成するようにしていきます。一方で小学校に上がると、1年生の子どもたちは「教科」指導の文化に参入することになります。教科書を開いて、「この教材を勉強します」と子どもの興味関心とは関係なく、ねらいや学習方法が先生によって提示されることもあります。この間のギャップは、本当に大きい。』
「幼小接続」の課題解決は、決して放置されていたわけではなく、これまでにも段階を踏みながら試みられてきた。現在では幼少どちらの要領案にも、カリキュラム面での「幼小接続」の視点が含まれている。かつては吉永先生自身も、幼稚園小学校それぞれの教育現場で指導にあたり、実践的な知見を深めてきたからこそ、学びの本質を問い直し、子どもたちが学ぶことの楽しさや喜びを感じ、自ら学びを深めていけるような、そんな園や学校、保育や授業を考えていきたいと語る。
インタビューでは、吉永先生が「幼小接続」のギャップを埋めるのにうってつけのテーマだとする「おおきなかぶ」を例に、幼小接続の実践編もお話しされている。