学部長挨拶

2021年4月1日更新

今なすべきこと

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 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
 この一年、新型コロナウイルスに翻弄されてきたことと思います。これが終熄するまで、もうしばらく耐えなくてはなりませんが、苦しい思いをしているのは、けっして皆さんだけでなく、誰もが同じ環境下にいることを忘れないでください。
 世のなかには、善いことがあれば、悪いこともあります。それをどのように受け止め、どのように対処すればよいのか、それをしっかりと考えることが、大学生になった皆さんの課題である、と思います。
 本居宣長大人は『玉鉾百首』のなかで、
  世のなかのよきもあしきもことごとに神のこころのしわざにぞある
と歌っています。神道はきれいごとを並べて、現状をごまかすようなことはいたしません。現実を直視し、世のなかには善もあれば悪もあることを認めます。しかも、その原因はすべて神のみこころだ、と言うのです。そうしたみこころをお持ちになる神のみしわざは、まことに恐ろしいものです。大人は同書で、
  目に見えぬ神のこころのかみごとはかしこきものぞおほにな思ひそ
と歌います。すなわち、神のみしわざは恐ろしいものであるから、おろそかにしてはなりません、と教えたのです。
 では、わたくしどもは、そのようなかけまくもかしこき神のみしわざに、ただひれ伏し、何もしないでいてよいのでしょうか。よいはずがありません。このような恐ろしい神のみこころを和ませて、悪い状態を善い状態へと移行させなければならないのです。それがお祭りの本義ともいえましょう。
 とはいえ、そもそもお祭りとは何か。また、どのようにすればよいのでしょうか。それを知るためには、まず神道古典を通じて、日本人のこころが理解できるようにしなければならないでしょう。また、お祭りの作法も身に付けなければならないでしょう。そのほか、さまざまな分野の学問を身に付けなければ、かけまくもかしこき神のみこころを和ませることはできないでしょう。
 こうした一連の課題を学ぶところが神道文化学部です。皆さんが、高い志をもって、この学び舎でしっかりと学び、今なすべきことは何か、を考え、そして見つけることを願っております。

神道文化学部長 西岡 和彦

(令和3年度 神道文化学部ガイドブックより)

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