情熱
本学の授業やゼミは、少人数制ならではの熱の入ったものでした。
とくに、本学修了後の勉強期間中に行なっていた答案添削ゼミでは、学生同士でお互いの答案の良い点、改善すべき点、疑問点などについて意見をぶつけ合うだけでなく、担当の先生にも忌憚なく意見や質問を投げかけると、先生方も正面からそれに答えて下さりました。
また、本学は基本的に自習室が1年中開室しており、ほぼ常に学生がいる環境にあったため、量・質ともに誰にも負けないという気持ちで、日々、自学自習に励むことができました。
冷静
私は5回目の受験で合格致しましたが、ゼミを担当してくださった森田先生の言葉が合格を後押ししてくれました。
それは、
「負けない試合をして来てください。」
でした。
「負けない試合」とは、合格ラインギリギリの答案を目指すのではなく、合格レベルに最低限必要な要素は落とさずに、しかし、時間管理の観点から、必要以上に書きすぎないようバランスに配慮した答案を作成することです。
私は、これまでの受験生活において予備校の答練や全国模試では、合格レベルを超える成績を出していました。しかし、本番では、なぜかうまくいきませんでした。
これは、本番になると「他の人よりもいい答案を書かねば」という「勝ちに行く試合」をしようとする余りに冷静さを欠き、練習のように上手くいかなかったことが大きな敗因でした。
しかし、今年はこれまでの試験とは違いました。森田先生の言葉があったからです。
そうです。「負けない試合」です。
今年は、本番でもこの言葉を試験開始直前に思い返し、自分に言い聞かせていました。これによって、冷静に問題と向き合い、時間を意識しながら、答案を書くことができました。
合格発表後に送られてきた成績通知をみれば、本年から始まった科目別のランク評価では、半分以上の科目について、最高評価のAランクを獲得することができました。
結果的には、「負けない試合」を超えて、「勝ちに行く試合」を実現することができたのではないかと考えております。
以上のように、情熱を持って受験勉強に励む環境が存在したことと、その努力を本番で最大限発揮できるような冷静さが、自分の中で上手く融合したことで、本年の司法試験合格に至ったと考えております。