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2016年度司法試験合格者 太田 博久さん

  • 卒業生
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2017年2月8日更新

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 私が本法科大学院を選んだのは自習室やローライブラリーなどの学習環境が整っていること、少人数教育が徹底している事に魅力を感じたからです。
 
 授業では裁判員制度を採り入れた刑事模擬裁判が強く印象に残っています。分からないことばかりで試行錯誤の連続でしたが、当時まだ始まったばかりの裁判員制度を反映した刑事裁判の姿を学べたことは実務に携わる上での貴重な経験となりました。
 
 在学中は司法試験に一回で合格するつもりで勉強に励んでいましたが、結果として5回目での司法試験合格となりました。今考えてみると、知識は十分あり今一歩で合格出来ない状態が続いていたので、毎年「今年は何とかなるだろう」と甘い考えを持っており、何が自分には足りないのか真剣に自分と向き合って無かったと思います。今苦み悩んでいる受験生の皆さんには、日々の勉強を頑張る事はもちろん重要ですが、今やっている学習方法はこれで正しいのか、司法試験合格のためには何が求められているのかという事を一旦立ち止まって考えてほしいと思います。
 
 私は3回目の司法試験受験後に裁判所に就職し、刑事公判部の事務官として司法修習直前まで働いていました。裁判所の内部から刑事公判の流れを見る事ができ、また裁判員裁判の手続きに関われた事は非常に有意義な体験でした。しかし、働きながらの受験勉強は思った以上に大変で、時間の面もそうですが、肉体的・精神的疲労で勉強になかなか身が入らず、4回目の司法試験は惨憺たる結果となってしまいました。そのため、5回目の司法試験に対してはモチベーションも相当失いかけてしまっており、受験自体どうするか迷う時期もありました。
 
 そんな時に私を支えてくれたのは、法科大学院で出会った仲間や先生方でした。仕事が始まってからは殆ど学校に行かなかったにもかかわらず、先生方には現在の状況を気にかけて頂いて学習アドバイザーを受講するように勧めて頂いたことでモチベーションを維持でき、また自分に足りない点を振り返ることができました。そして、同じ状況でまだ勉強を続けている仲間といろいろな情報交換をしたりゼミでお互いの答案を叩き合ったりした事で最後の最後に一緒に合格したいという気持ちで頑張り続ける事ができました。
 
 合格まで長い時間が掛かってしまいましたが、回り道をしたとは思わず、その過程で得た全ての経験を生かして真に人に寄り添う弁護士になりたいと思います。

このページに対するお問い合せ先: 大学院事務課(法科大学院)

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