令和7年(2025)年7月30日に國學院大學人間開発学部教育実践総合センターが主催する第16回夏季教育講座 「國學院大學教育実践フォーラム」がたまプラーザキャンパスで開催されました。
本講座は、毎年夏に開催されており、今年度は「主体的に学び合う子どもの育成-探究的な学びを実現する授業・活動のデザイン-」をテーマに行われ、600人を超える教員や保育者、学生などが参加しました。
冒頭、太田直之・人間開発学部長が「研究成果、地域への還元、社会への還元を目的として行っている。幅広く教育に関わる方が参加しているので、それぞれのテーマごとに活発な議論を展開していただけることを楽しみにしている」と挨拶しました。
その後、「探究的な学びを実現する授業・活動のデザイン-学習指導要綱の改訂を視野に入れて-」と題して、田村学・文部科学省初等中等教育局・主任視学官による基調講演が行われました。「デザインすること」をテーマとし、「探究」と「柔軟な」という2点をキーワードに講演が開かれました。「学習指導要綱というのは授業や鍛錬、年間指導計画、教育課程全般においても皆さんがデザインしていくことが大きな方向性へと繋がっていくイメージを、指導要綱改定の情報を提供することによって伝えていきたい」と話し、具体的な学校を例に挙げながら解説していきました。
講演の最後には、質問が寄せられ、「独自で柔軟なカリキュラムを作っていく際には、証拠や根拠が少ないため、保護者の方々などに説明するのが難しいが、その点についてどう考えているか」という質問に、田村氏は「独自のカリキュラムを作るということは責任が伴い、頻繁に変えられるわけではないので、教育委員会などと相談しながら決めていく必要などがある。魅力的なものではあるが責任が重要になってくる」と答えました。
また、「ICT教育が進んでいく中で、どこまでデジタルで行い、アナログとどう共存していくべきか」という質問には「デジタル一辺倒の状態にするという話をしているわけではなく、両者を有効にバランスよく活用していく必要がある。よりリアルが充実するようにデジタルを活用していく」と見解を述べました。
基調講演の後には、「保育・幼児教育」「言葉・国語」「音楽」「体育・保健体育」「総合的な学習の時間」「道徳」「特別活動」「特別支援教育」の8つのテーマに分かれて、分科会が開催され、人間開発学部を卒業した院友教員や本学学生も多数参加し、熱心にメモを取りながら聞いている様子が見受けられました。