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【経済学部新学部長に聞く】
常識を疑う姿勢や態度を涵養し、主体的な学びを

(後編)

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経済学部長・教授 星野 広和

2021年5月21日更新

 國學院大學では令和3年度、経済学部に新学部長が就任した。コロナ禍で授業形態などが大きく変わる中、星野広和・新学部長は「高等教育機関の社会的責任を果たしたい」と抱負を話す。昨年度から経済学科と経営学科の2学科体制となった経済学部の舵取りについて聞いた。

【経済学部新学部長に聞く】学科再編で、実践力と創造力ある人材育成(前編)

 

 昨年はコロナ禍でオンライン授業が広がった。オンライン授業は機材の準備や操作への慣れなど大変な面もある一方、大教室で声が聞き取れないといった課題が解消されるメリットもある。今年度は50人以下の講義は対面授業で、大人数はオンライン授業を行うというハイブリッド型の教育体制をとる。対面とオンラインの両輪で、学びの可能性が広がる。

 経済学部の特色は、少人数教育で学生との距離が近く、きめ細かな教育指導ができること。初年次教育としての基礎演習や必修科目の英語は、1クラス20数人、ゼミナールは10数人程度だ。基礎演習やアクティブ・ラーニング型授業でのグループワークやプレゼン大会など、スループットの強化に注力してきた。初年次教育としての基礎演習は一定の成果を上げている。

 また、学生同士が学修した成果を発表し、教え合う場も設けている。学部共通科目である「日本の経済」ではグループワークを通し、学んだ内容について学生同士が意見を交わし、インプットの質を高めている。

 平成30年からはゼミ成果発表会を開催している。以前は、ゼミで学修したことは卒論にまとめたり、ゼミ内で発表したりしていたが、広くアウトプットする場を設けている。大学で、興味や関心のある分野を学び、成果を出すということは、主体的に学ぶ上でとても大切だ。

学部長としての抱負

 高等教育機関としての社会的責任を果たしたいというのが私の抱負だ。そのためにはまず学生や保護者の満足度(Customer Satisfaction)を高めたい。

 大学に対する学生の満足度とは、わかりやすく単位修得しやすい講義を増やすことであるとは限らない。知的好奇心を引き出し、学生の主体的な学びへと誘導するカリキュラム、講義を用意することもそうだろうし、仲間と協働しながら学ぶ体験も考えられる。

 在学中という短期的な視点だけではなく、卒業後に社会で活躍できることや素晴らしい人生を歩むことができる長期的な視野で考えたい。

 経済学部教員の満足度(Employee Satisfaction)向上も不可欠だ。大学の教員は教育者だけでなく研究者としての社会的使命を持ち、研究成果を社会に還元することをその社会的責任としている。研究と教育の両立、研究時間の確保など教員の満足度を高めることが、結果として学生満足度の向上にもつながると考えている。

高等教育の環境の変化

 少子化や大学進学率の高止まりで、大学間の競争はますます激しくなるだろう。学生が大学を評価し大学を選ぶ時代はこれまで以上に進むだろうし、大学が社会に対してどれだけ有用な人材を育成し、輩出できるかが問われる時代だ。

 AIやIoTなどテクノロジーの進展によって大きな社会変革が起こっている。特に注目したいことはスマートフォンが社会全体に浸透し、良否はともかく高等教育でも実際の学習の場でかなり利用されていることだ。

 今の学生はスマホやタブレットでさまざまな情報をすぐに収集することができる。それだけに情報を切り貼りして、エビデンスがあいまいなまま、平凡な「答え」を出すケースも少なくない。

 高等教育機関である大学は、常識を疑い、仮説を立て、検証をする学びの場だ。世の中で起こっていることを自分ごととして捉え、その解決策を考える人材を育てる場でもある。

 大学の役割は、学生に対して正しい知識(真理)を教授するだけでなく、常識を疑う姿勢や態度を涵養し、何より常識を良識に変える主体的な学びを持った学生を育成し、輩出することに尽きる。(談)

星野 広和

研究分野

経営管理論、経営組織論、経営戦略論

論文

「イノベーションの停滞と製品不具合に関する一考察:自動車用エアバッグの技術進化のケース」(2021/03/31)

「製品リコールを通じた組織学習—組織外-自発的学習の有効性に関する一考察—」(2020/03/31)

このページに対するお問い合せ先: 広報課

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