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【経済学部新学部長に聞く】
学科再編で、実践力と創造力ある人材育成

(前編)

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経済学部長・教授 星野 広和

2021年5月21日更新

 國學院大學では令和3年度、経済学部に新学部長が就任した。コロナ禍で授業形態などが大きく変わる中、星野広和・新学部長は「高等教育機関の社会的責任を果たしたい」と抱負を話す。昨年度から経済学科と経営学科の2学科体制となった経済学部の舵取りについて聞いた。

【経済学部新学部長に聞く】常識を疑う姿勢や態度を涵養し、主体的な学びを(後編)

 

 経済学部は令和2年度から経済学科と経営学科の2学科の新体制になり、新カリキュラムも作った。新しい経済学部の教育理念は「多元化し、グローバリゼーションの進展する社会の中で、経済学の基礎力と日本経済に関する知見を兼ね備え、実践的で創造的な対応力を身につけた、社会に貢献できる専門的教養人を育成すること」である。

 この理念を達成するために、特に次の3つを重視している①経済学、経営学について基礎的な考え方や概念、知識・知見を早い段階で学生に教育する②基礎教育は、できるだけ少人数クラスで専任教員が学生と身近に接しながら丁寧に教育する③本学の建学の精神にも繋がるが、「日本」を意識した教育を行うこと――である。

 もちろん現代はグローバル化の時代であり、世界を学ぶことが重要であることは言うまでもない。しかし、世界を知るためにはまず「日本」を知る必要があり、経済・経営の分野で「日本」を多分に意識した教育を実践している。

 具体的にどんなプログラムや取り組みに注力しているかを紹介したい。専門基礎力を強化するため、経済学・経営学の基礎知識を1年次の学部共通科目や2年次以降の学科基礎科目の履修を通じて確かなものにする。

 次にアクティブ・ラーニングやゼミを通じて、専門能力はもちろんコミュニケーション力や論理的思考力を育成する。また、2年後期からゼミで学び卒業論文を必修として主体性を涵養し専門性を構築する。ゼミに入らない場合でも卒業リポートを課している。

 まとめるとインプット(専門基礎力の獲得)―スループット(ゼミや演習、アクティブ・ラーニング授業を通じた専門基礎力の育成・定着)―アウトプット(卒業論文の作成と発表)を4年間のカリキュラムで実現・完結させることで未来への実践的で創造的な対応力を身につけた、社会に貢献できる専門的教養人の育成、輩出を図っている。

経済学部長としての舵取り

 学部学科改組で新たな教育理念・目標を設置したので、その具現化のための教育実践における行動目標を立てたい。学部学科改組により、学士課程教育の3つのポリシー、特に卒業認定・学位授与方針(ディプロマ・ポリシー、DP)も変更した。

 具体的には学部のDPだけではなく、両学科のDPともにICTを活用した情報収集と処理、データを用いた論理的思考や意見の表明、といった知識や思考力などを兼ね備えた人材の育成と輩出を謳っている。新たな教育実践の行動目標には高等教育を取り巻く環境の変化、すなわち現代社会、経済、技術の変化に対応したものが求められる。

 もう一つの課題はアウトプットの強化に向けた取り組みだ。これまでのカリキュラムではゼミの加入や卒業論文の提出は任意で、学部生の大半が十全なアウトプット経験がないまま卒業することになっていた。

 新カリキュラムでは卒業論文(卒業リポート)を必修化することで、教育の質的保証としてアウトプットにより力点を置いた。アウトプット強化のためには、卒業論文の執筆に不可欠なインプット、スループットの引き上げも必要だ。

 教育課程の課題以外にも、入学試験制度や就職率アップといった課題もある。新カリキュラムではデータ分析系科目を強化しており、その前提になる統計や数学の基礎力が必要になる。これまでのような英語と国語(現代文)だけ得意な受験生を集めるのではなく、数学が得意な学生を一定程度確保する制度も考えられる。

 就職に関して言えば、経済学部の教育目的は「社会に貢献できる」専門的教養人の育成と輩出にある。だからこそ社会全体の福利や厚生の向上に大きく貢献できる業界や企業・団体に卒業生を多く輩出し、その組織で活躍するための能力を醸成する必要があると考えている。(談)

《後編に続く》

星野 広和

研究分野

経営管理論、経営組織論、経営戦略論

論文

「イノベーションの停滞と製品不具合に関する一考察:自動車用エアバッグの技術進化のケース」(2021/03/31)

「製品リコールを通じた組織学習—組織外-自発的学習の有効性に関する一考察—」(2020/03/31)

このページに対するお問い合せ先: 広報課

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