ARTICLE

休校・休園の時間を楽しく過ごす6つのコツ(後編)

すくすく子育てエッセイ(在宅編)Vol.04

  • 人間開発学部
  • 全ての方向け
  • 教育
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人間開発学部准教授 吉永安里

2020年4月22日更新

 國學院大學では、教育学・体育学の教員が中心となり、子育てに関する連載企画を5月上旬まで緊急展開します。自宅でテレワークを続けながら子育てに奮闘しているパパママの心の励みになるものや、お友だちとも自由に遊べず寂しい思いをしている子どもたちへの応援メッセージが込められたテーマでお送りします。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、保育所から大学まで休園・休校になっている地域も少なくありません。休みが長引いてきて、親御さんの中には、毎日メリハリなくゲームやテレビを見てだらだらしていること、勉強が遅れてしまうのではないかいうことを心配したり、ネタも尽きてきて明日はなにをしたらよいか、一日三食の献立をどうするかに日々頭を悩ませたりしている方も多いことでしょう。なかには、お子さん自身が不安やストレスで落ち着かなくなったり、イライラしたりしていることもあるようです。

 園や学校の生活は、親子が少しの間距離を取ることで、親も子離れし、子どもも親に干渉されず生活面での自律と社会的な自立を学んでいける、そんな場だったのだということを改めて実感させられるこの頃です。この記事では、ご家庭で、親御さんもお子さんもリラックスして、かつ楽しく有意義に過ごすためのちょっとしたアイディアやつかえるリソースをご紹介します。

 

④ 乳児期のお子さんには、親御さんの安定が大切

 特に乳児さんは親御さんが不安や心配をため込まずリラックスすることが大切です。お子さんの健康が心配、家庭にこもっているストレスが発散しにくいなど、身近に相談できる人がいないというときは、普段は子育て支援センターや子育てサークルなどがありますが、今はお休みのところが多いです。以下の相談センターは、Facebook、Instagramで情報交換もしていますし、Lineで個人的な相談もできます。外国語にも対応しているので、身近に困っている方がいたら紹介してあげてください。

*** まちの赤ちゃん保健室 ***

 

⑤ 幼児期のお子さんには、遊びに集中できる時間が大切

 保育園や幼稚園では、子どもたちは登園から降園まで自分の好きな遊びを十分に楽しめる時間があります。あまり細かい時間を設けず、朝の時間、お昼を挟んで昼寝をして、午後の時間など緩やかな時間の流れになるようにしましょう。牛乳や卵のパック、空き箱など廃材を利用した工作を楽しんだり、クレヨンや絵の具で大きな紙に自由に絵を描いたりする時間をたっぷりとるとよいです。そのとき、お店屋さんごっこや電車ごっこなど、ごっこ遊びをするお子さんもいることと思います。ご家庭にある既製品のおままごとセットやおもちゃを使うのではなく、1から自分で作って楽しむようにすると子どもたちは集中します。必要な材料を一緒に考えたり、お店屋さんやお客さんになったりするところは親御さんのサポートが必要かと思いますが、4歳以降のお子さんであれば、何日もかけて看板をつくったり、メニュー表やお金、制服をつくったりして2、3週間十分楽しめます。

 また、お子さんの好きな音楽や踊りの動画に合わせて体を動かしたり、身体遊びなどをしたりする時間も楽しいですね。意識的に体を動かすようにしましょう。もちろん、5,6歳のお子さんをもつ親御さんは小学校の準備のことも心配でしょう。いつもであればたくさん友達と遊ぶ中で学べるので心配はないのですが、ご家庭で一人では心配もあるかと思います。そんなときは、親子で楽しく学べる教材などもいろいろ出ていますので、活用してみてください。

 お昼寝の前や夜寝る前に、ゆったりと絵本の読み聞かせをする時間をとってもよいです。親御さんにとってもお子さんにとってもリラックスできる時間になるでしょう。親御さんに健康の不安があるときは無理をしないでください。今は、読み聞かせのプロが動画をアップしてくれていますので、お子さんと一緒に読み聞かせ聞くのもよいでしょう。著作権の問題がありますので、動画は公式のものを利用してくださいね。

 

⑥ 小学生以上は、自分で時間割を決めて自分の成果を振り返る

 小学生は時間割を自分できちんと決めて、一日の振り返りを親御さんと一緒にするとよいですね。シールなどを使って達成感を味わえるように工夫してみましょう。自分で考えて、自分で実行することが大切です。ただ、小学校の授業では友達と学び合いの時間がありますので、いつも通りの時間で一人で学習するのは難しいです。1回の学習も45分は難しいので2、30分程度、3科目くらいに減らして、国語や算数に偏らず、生活科や理科(自然を観察したり実験したり)、体育(体を動かしたり)や音楽(聴いたり歌ったり)、図画工作(作ったり描いたり)や家庭科(1年生も料理やお掃除のお手伝いを)などいろいろな科目をバランスよく取り入れてみましょう。夏休みの自由研究のように1つのテーマを追究して、本を読んだり、写真をとったり、模造紙にまとめたりするのもよいですね。休憩の時間も十分にとって、無理せず焦らず、子どもたちが楽しく学習できるようにしましょう。以下にご紹介するコンテンツを利用してみるものよいでしょう。

 お子さんも気が張り詰めています。いつもだったら文句を言いたくなることも「私も子どももみんな家にいるだけで頑張っているのだから」とおおらかな気持ちで、いつも以上にお子さんのがんばったことにフォーカスするようにして、褒めることを中心にしましょう。親子ともに気持ちが楽になりますよ。

 

『幼児教育から小学校教育への接続』

田澤里喜(編著)
吉永安里(編著)

世界文化社

定価:2,800円(税別)

 

 

 

吉永 安里

研究分野

幼児期のことばの発達、小学校国語科教育

論文

「どうして?」「やってみたい!」があふれる幼児期の学び(2021/11/10)

『おおきなかぶ』における幼小の指導の連続性(2021/05/10)

このページに対するお問い合せ先: 総合企画部広報課

MENU