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休校・休園の時間を楽しく過ごす6つのコツ(前編)

すくすく子育てエッセイ(在宅編)Vol.03

  • 人間開発学部
  • 全ての方向け
  • 教育
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人間開発学部准教授 吉永安里

2020年4月20日更新

 國學院大學では、教育学・体育学の教員が中心となり、子育てに関する連載企画を5月上旬まで緊急展開します。自宅でテレワークを続けながら子育てに奮闘しているパパママの心の励みになるものや、お友だちとも自由に遊べず寂しい思いをしている子どもたちへの応援メッセージが込められたテーマでお送りします。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、保育所から大学まで休園・休校になっている地域も少なくありません。休みが長引いてきて、親御さんの中には、毎日メリハリなくゲームやテレビを見てだらだらしていること、勉強が遅れてしまうのではないかいうことを心配したり、ネタも尽きてきて明日はなにをしたらよいか、一日三食の献立をどうするかに日々頭を悩ませたりしている方も多いことでしょう。なかには、お子さん自身が不安やストレスで落ち着かなくなったり、イライラしたりしていることもあるようです。

 園や学校の生活は、親子が少しの間距離を取ることで、親も子離れし、子どもも親に干渉されず生活面での自律と社会的な自立を学んでいける、そんな場だったのだということを改めて実感させられるこの頃です。この記事では、ご家庭で、親御さんもお子さんもリラックスして、かつ楽しく有意義に過ごすためのちょっとしたアイディアやつかえるリソースをご紹介します。

 

① 親御さんもお子さんも、いつも通りを期待しない、がんばりすぎない

 まだまだ続きそうな外出自粛です。これまで通り親御さんもお子さんも仕事や学習を頑張ろうとしても、環境も違いますし、家庭は仕事や学習に最適な空間ではないので同じようにはできません。いい意味であきらめる。「今日はここまでできて上出来!」と、親御さんもお子さんもお互いに今日の自分を認め合うことが大切です。肩の力を抜いて。がんばりすぎないで。

 

② 家族の穏やかなコミュニケーションを大切にする

 毎日夜には時間を決めて、家族がコミュニケーションをとれる時間をつくるとよいですよ。不安を抱えているお子さんとっては親御さんとゆったりかかわれる時間になりますし、親御さんにとっても仕事の時間、家族の時間とメリハリをつけるのに大切です。ただ、毎日気まぐれに声を掛けても年齢が上がるほど面倒くさがることもあるので、「毎日20時に集合!」などとルーティン化するとよいです。髙山先生も以前の記事でご紹介していますが、おしゃべりしたり、カードゲームやボードゲームなどをしたりするのもよいのですが、この時間に、次の日の家族の時間割をつくるのも楽しいですよ。ポイントは、お子さんの時間割だけでなく、親御さんの時間割もつくってみんなで取り組むこと。そしてお子さんの時間割は親御さんが決めず、年齢に合わせてできるかぎりお子さんが自分で考えて守ることです。次の日には、一緒に時間割に取り組みましょう。時には親子で学習に取り組む時間やお父さん先生、お母さん先生の出番があってもいいですし、いつも親御さんの目があるとお子さんもリラックスできませんので、互いにうるさく言わず、別々に楽しむ時間をつくることも大切です。

 実はこんな時、子どもたちはちょっとした大人の目にも神経質になりやすいので、子ども部屋がないときは、お子さんからは視界が遮られ、親御さんからは見えているような低い衝立(段ボールでもいいです)やメッシュ地の小さなテントなどをリビングの片隅に置いてあげると、その中でリラックスして過ごすことができます。ちょっと一人になりたいお父さん、お母さんにもいいかもしれませんね。

日本成育医療研究センター 新型コロナウィルスと子どものストレスについて

 

③ コロナのことを正しく伝え、子どもであっても社会的責任ある存在として認める

 特に小さなお子さんは、今の社会の状況がよく理解できていないことも多いので、親御さんの不安やイライラする様子をみて、自分が何か悪いことをしているのではないかと感じてしまったり、テレビの報道から病気や命の危険があるということを知って強い恐怖を感じてしまったりすることがあります。これも年齢に応じてですが、手洗いやうがいをしっかりして、マスクをしたり、おうちにいたりすれば心配がないこと、外に出られないことはつらいけれど、その頑張りがたくさんの命を守ることになるとても大切な行動なのだということを、折を見て、伝えていきましょう。

 

発達保育実践政策学センター「新型コロナウイルス関連の子ども・子育てに関わる情報リンク集」

新型コロナウイルス感染症に関連する国内外の情報や、ご家庭、園生活や学校生活で役立つ情報が網羅されているリンク集です。保護者向け、一般向け、保育・教育施設向けと分かれていますので、お子さんと一緒に視聴したり、親御さんや先生方が情報収集したりするのに役立ちます。

 

『幼児教育から小学校教育への接続』

田澤里喜(編著)
吉永安里(編著)

世界文化社

定価:2,800円(税別)

 

 

 

吉永 安里

研究分野

幼児期のことばの発達、小学校国語科教育

論文

「どうして?」「やってみたい!」があふれる幼児期の学び(2021/11/10)

『おおきなかぶ』における幼小の指導の連続性(2021/05/10)

このページに対するお問い合せ先: 総合企画部広報課

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