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大正、昭和期の京都周辺の民俗を調査した貴重資料

井上氏旧蔵資料 井上頼寿ノート・メモ

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研究開発推進機構准教授 大東 敬明

2020年2月2日更新

井上頼寿ノート『京之山』No.4(大豊神社牡丹鉾飾〈左〉・白川天神祭三之鉾飾〈右〉)【國學院大學所蔵】※無断転載を禁じます

 國學院大學が所蔵する「井上氏旧蔵資料」は、国学者の井上頼囶(1839~1914)、神宮(伊勢神宮)の禰宜や神宮皇学館の教授をつとめた頼文(1861~1932)、近畿地方の民俗を調査した頼寿(1900~79)3代の資料群である。頼囶が、昭和21(1946)年まで本学の経営母体であった皇典講究所の創設・運営に深く関わったことから、平成19年4月に井上頼輝氏の御篤志により寄贈された。

 井上頼寿は、現在の三重県伊勢市に生まれ、大正13(1924)年に京都府立京都第二中学校(旧制)へ教諭として赴任した。これ以降、京都を拠点とし、近畿地方の祭りや信仰などの民
俗について調査を行った。主著に『京都古習志』(館友神職会、昭和15年)、『近江祭礼風土記』(滋賀県神社庁、昭和35年)がある。

 これらの著作は、「井上氏旧蔵資料」に含まれる頼寿のノート・メモ群(約650点)をもとに記述されたようである。このノート・メモには、当時の祭りなどについての情報が含まれており、今後、民俗学だけでなく、神道学、歴史学など、多分野からの調査・分析が望まれる。

 なお、「井上氏旧蔵資料」のうち、頼文の資料については、國學院大學博物館で行われる企画展「古物を守り伝えた人々―好古家たちAntiquarians―」(1月25日~3月15日)において展示される。学報連載コラム「未来へつなぐ学術資産研究ノート」(第8回)

研究分野

神道史、祭祀・祭礼、神道思想史

論文

東泉院の神道資料と下方五社(2018/03/00)

札幌まつりと東京の祭礼文化-近代における神田祭のイメージの一端-(2017/05/00)

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