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子どもたちにとって給食は発見・気づきの時間

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人間開発学部 助教 小林唯

2019年9月3日更新

 本学では、令和2年度までFMヨコハマの番組『Lovely Day♡』にて、人間開発学部が提供するミニコーナー『SUKU SUKU SCHOOL』をお送りしていました。この番組は、人間開発学部の教員が、『子供が すくすく 育つ 』子育てワンポイントアドバイスを毎回紹介するもので、ここでは、今まで放送された内容をまとめたものを定期的に記事として配信しています。

 2019年度は小学校の行事に沿った内容で、5/20~6/24の6回を担当したのは人間開発学部の小林唯助教です。

 テーマは「給食」。その模様をお伝えします。

給食だよりは親御さんへのメッセージ

 毎日お子さんの献立を考えるのが大変という親御さんの声をよく聞きます。そのときに頼りになるのが給食だよりです。子どもは普段こんなものを食べているんだ、とか家庭ではなかなか使わないこんな食材が使われているんだといったことがわかるものですが、それだけではありません。

 ここにはお子さんに必要な栄養素の量やバランス、季節ごとに気をつけたいことなど情報が満載で親御さんに伝えたいメッセージがたくさん詰まっています。献立予定表には、子どもに必要なお肉や魚の分量、入っている調味量まで書いてあるので、レシピとしても使え、夜の献立の参考にもなりますね。

 今時の給食はとてもバラエティに富んでいて、食パンにチリコンカンとキャベツサラダ、カレーにナンと言った世界各国の食事が出てきます。給食は栄養のバランスのとれた献立を提供しているだけでなく、子どもたちにとっては、食事から世界を知るきっかけになります。

 そして、自分が食べられるものが増えたり、これこんなに美味しいんだ、とわかったり、日々の経験が養われる場にもなっています。

配膳は勉強の場

 海外の給食事情と比べると、日本はかなり進んでいます。給食というのはもともと、子どもたちに栄養を与える福祉給食というところから始まり、そこから欧米などでも一般的な栄養素・基準量を満たすものとなりました。さらに進むと、台湾や韓国のように、その国の食文化を大切にしましょうという給食となります。日本ではここから一歩進んだ段階にあって、食育の場となっています。

 給食では昔から子どもたちが自分たちでご飯をよそう配膳文化を大切にしてきました。役割分担などさまざまな学びがあるのですが、食材を作っている人に感謝し、提供されるまでのいろいろな人たちへの心のつながりを知るということも特徴です。給食が、食べるだけでなく食育にまで昇華されているのは世界的に見ても進んでいると言えます。

 違う国のメニューを食べて他の国の文化を学ぶといったことを積極的に行っているところは、海外からも注目されているところです。このように進んでいるところはさらに磨きをかけて大切にしたい文化です。

 給食には子どもたちにとってたくさんの発見や気づきがあります。ぜひ親御さんもその発見や気づきを共有し、コミュニュケーションのきっかけにしてほしいと思います。

 

小林 唯

研究分野

栄養学、スポーツ栄養学

論文

「ホルター心電計を用いた活動代謝量および睡眠の自動算出に関する研究」(2004/03/01)

本邦プロバスケットボール選手の大学在籍時における体格およびスプリント能力の特徴 ー15年間のフィジカル測定データによる観察研究ー(2021//)

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