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「見つめる目」「見つける目」「見守る目」で、子どもはスクスク成長

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人間開発学部学部長 新富康央

2016年6月1日更新

 年の初めにあたり、子育て「三つの目」を紹介しましょう。「三つの目」とは、「見つめる目」→「見つける目」→「見守る目」です。

 まず「見つめる目」です。これは、表面的にはできーふできがあっても、人格として子どもの全てを受け入れるという、子育ての基本姿勢です。ダメな子どもは一人もいない、という親としての信念です。

 ここでは、「ソネ方式」です。反発する気持ちを抑えて「ソ、〇〇なのネ」と、まずはそのまま返してやることです。例えば、「そ、勉強嫌なのね」と、そのまま返してやる。すると、子どもはその瞬間、親の言うことも聞いてやろうと、頭に隙間をつくってくれます。その上で親の思いを伝えるのです。

 あるいは、「ハンバーガー方式」です。言いたいことを真ん中に挟んで、まずは認めるところは認めてやり、その上で注意を挟んで、最後にその子の希望につながる話をしてやるのです。

 「勉強が嫌いと言っているのは、逆に、自分が勉強嫌いのままではいけないと思っているということでしょう」。ここから入るのです。そして、真ん中に、こうなって欲しいという思いをぶつけ、最後に、「これができれば〇〇になるよ」と、子どもの夢と希望につながる話をしてやるのです。

 学校の先生が、このやり方を取り入れたところ、「子どもの学習意欲に効果があった」と喜びの報告をくださいました。

 次は、「見つける目」です。その子の良さを見つけるということです。これは、「見つめる目」から可能になります。良さを見つけよ、と言われても、そう簡単にできるものではありません。そこで、「ナメクジは 殻持たぬ故 疎まれる」です。

 ナメクジは殻がないだけ、かたつむりよりも一つ進化しただけです。しかし、かわいい殻がついていないというだけで、ナメクジは塩を持って追われる立場です。一見ナメクジと見られている子も見方を変えて、きれいな殻をつけてやれば、「かたつむり」の歌で愛唱されるような存在に変わるのです。暴れん坊も見方を変えれば、(つまり殻をつけてやれば)元気闊達に変わります。そこから初めて、その子の良さが見つかるのです。

 最後は、「見守る目」です。これは、「ダメな子」というマイナスのラベルを貼らないで、「自分は大切な存在なのだ」というプラスのラベルを貼ってやることです。

 学術的には「ピグマリオン効果」と言います。日本では「期待影響効果」と訳されています。期待と信頼のエールを送っていると、本当にそうなるという教育的な影響力のことです。身近にできるピグマリオン効果は、「おはよう、行ってらっしゃい、お帰り」等の挨拶のエール交換です。

 子育てに満点なし。子育て「三つの目」で、今年も子育てを楽しんでみましょう。

 

 

 

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