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親子でしっかり話し合おう~子供の防災・防犯教育~

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人間開発学部健康体育学科教授 村上佳司

2016年6月2日更新

 今回は子供の安全確保、防災や防犯についてです。

 まずは防災教育についてです。最近は、自然災害が多発しています。そこで大切になるのが、「災害時の対応を事前に家族で確認すること」です。災害に遭遇する場面は登下校中や留守番中などさまざまなケースが考えられます。そのときに子供一人という可能性もありますので、事前に災害時の対応を話し合うことが重要です。災害のニュースをきっかけに話すなど、子供に実感を持たせるように心がけてください。災害はシビアな問題ですが、防災について子供に興味・関心を持たせることも必要です。大人が答えを教えると、「はい」と答えるだけになりますので、「もし家が浸水したら?」「避難所生活になったら?」など、自分で答えを考えられるようにしてあげましょう。また、待ち合わせ場所や合流できない場合の連絡先(親戚など)を決めるなどさまざまな想定をしておくことも重要です。

 次に、防犯教育です。ここでは三点ポイントをお伝えします。

 一つ目は、「何かあったら必ず伝える習慣をつけること」です。特に低学年児童の場合は、大人が守ってあげる必要がありますが、子供たちは何かあっても「うまく伝えられない」「怒られるのではないか」と不安を持っています。犯罪が起きた際には、初期対応が重要です。そのためには、何かあったらすぐ伝えられる習慣づくりが大切になります。高学年児童の場合は、活動範囲や交友関係も拡大するため、危険な場所や時間を避けるように外出時の位置情報を伝えることや、帰宅時間など時間的制約を設けることが必要になります。

 二つ目は、「保護者が通学路やその環境について知っておくこと」です。通学路は、季節や天候、時間などで常に環境が変化します。定期的にチェックすることで、危険な箇所を子供にアドバイスできます。遅刻登校時や早退を含む下校時は不審者などに遭遇する可能性が高くなるため、危険な場所には行かないようにすることも重要です。また、普段と変わったことがないかの確認も大切です。大人が聴き手になり、会話のキャッチボールになるように心がけてください。

 三つ目のポイントは、「長期休みに入る前に約束をつくること」です。長期休みには、子供の緊張感は緩みがちです。例えば、1. 留守番時の電話対応の仕方を決め、親がいないことを気づかれないようにする 2. 家に入る際には周りに不審者がいないかを確認し、大きく扉を開けないようにするなどの約束をすることで、犯罪に巻き込まれる危険を低減できます。もちろん、日頃から防犯対策について意識づけしておくことも重要です。また、携帯電話はネット犯罪やいじめに巻き込まれる可能性もありますが、使い方次第では防犯・防災に有効です。使用上の約束を身に付けさせてトラブルに巻き込まれることを防ぎましょう。

 

 

 

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