平成30年11月17日(土)、3限~5限の時間帯で、120周年記念1号館1206教室において神道文化学部主催の第6回「和歌講座」を開講しました。
この講座は書道講座やマナー講座などと同様、院友神職会から頂戴している学部教育補助費を活用し、平成24年度より実施している講座の一つであるが、今回で6回目となります。
講師は、歌人で作家の田中章義先生(第36回角川短歌賞受賞、本学兼任講師)です。
今回の和歌講座では、田中先生がお持ちの國學院科目「ことのはの文化」の授業を通じて、近年、本学からの各短歌賞への応募が徐々に増えていることから、本学部の学生にもぜひ実作も含む講座を実施したいという趣旨で実施することとなりました。
今回もまず、田中先生から恒例となった名歌の鑑賞、解説を行われましたが、とくに本年度は明年4月末に譲位をひかえる今上陛下の御製と皇后陛下の御歌44首を中心とした鑑賞と解説に加え、古代から現代までの歌人を中心とした名歌の鑑賞を中心に歌詠みの学びについて触れるところからスタートしました。
休憩を挟み、2限目からは武田信玄や毛利元就など戦国武将をはじめ、古代から近世までの歴史上の偉人の和歌、幕末の志士たちの歌についても講義がなされたのち、今回は、食べ物を主題とした和歌の実作へとチャレンジ致しました。また、今回は「食べ物」、「親子(家族)」、「ふるさと」をテーマにした作歌を行い、田中先生が参加学生がそれぞれ詠んだ和歌をホワイトボードへと順に書き出し、作者が朗詠、皆で感想を言い合いながら作歌の鑑賞を行いました。その後、さらに現代歌人を中心として再び、名歌の解釈・鑑賞を行いました。
田中先生から、参加学生の和歌に対する習熟度は様々だが、和歌に触れる機会がこれまでほとんどなく、歌を詠むのがほぼ初めてという学生がいるにもかかわらず、今回の和歌講座では学生諸君がわずかな時間での即興での実作にもひるみなくチャレンジしてくれたこと、またそれぞれの歌からは、各参加学生の日頃の思いや決意が表れた歌も多く、参加学生の和歌に対する意識の高さを感じる講座であったとの講評を頂戴しました。
最後に御多忙のなか、毎回、講座を担当していただいている田中章義先生に心から感謝と御礼を申し上げます。
なお、以下は今回の和歌講座での学生の実作の一部です。
社たち 学びやがたつ 鯉山の地 そびえたつのは 吉備の中山
先月に植えたはずの トマトの実 甘いからかな 虫も近づく
マフラーをずらし吸い込む冷たさに 降り出した雪の 甘さ味わう
石段をのぼり 息吐き 空を見る 夜に照りし黄 赤青のもみぢ
二十歳なる 移り移ろう 心にも 氷川の社 つねに忘れず
金色に 光り輝く稲穂波 頭をたれて 思いをはせる
アルミ巻き ストーブの上に30分 ホクホクの冬を兄と分け合う