令和7(2025)年7月22日、渋谷キャンパス常磐松ホールで令和7年度公開古典講座が始まりました。公開古典講座は、昭和初期に開講した「萬葉講座」の流れを受け継ぎ、「古典文学の國學院」ならではの伝統に根ざした内容を学ぶことができる短期講座です。
今年度の講座では、日本人に馴染みの深い「源氏物語」と「萬葉集」を取り上げており、7月22日から7月26日までの期間で各10講義を実施しております。毎年、それぞれの作品から扱う巻を決め、本学教員をはじめとした研究者が講義を行います。
◇源氏物語
今回の源氏物語の講義では、光源氏の誕生から成長までが描かれた「桐壺」について取り上げ、7月22日の講義では「光源氏の誕生と桐壺更衣の死①・②」というテーマのもと小田勝・文学部教授が講義しました。小田教授は相関図を記しながら、文法の観点から本文を読み解いていきました。随所にユーモアを交えて講義を進める場面も見られ、会場内にはたびたび笑い声があふれ、和やかな雰囲気で行われました。
◇萬葉集
今年度の「萬葉集を読む」講座では、「巻十六」を読むことを全体テーマに据え、初回となる今回は「巻十六の歌物語/物語歌①・②」と題し、文学部の土佐秀里教授が講義を行いました。
冒頭、土佐教授は「歌と物語には深い関係があるが、時代とともにその関係性は忘れられがちである」と述べ、古代の物語に登場するさまざまな「歌」を用いて解説を展開しました。後半では、『萬葉集』巻十六に収められた物語と、それに関連する歌の内容について詳しく紹介され、参加者は物語に書かれた想いや表現の豊かさに触れる貴重な機会となりました。
土佐教授が物語を交えながら軽妙に語る様子に、会場からはたびたび笑いが起こり、終始和やかな雰囲気で講座が進行しました。