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2014年度司法試験合格者 橋爪 将史さん

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2014年11月28日更新

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法科大学院への入学は、非法学部出身で年齢も30を超えていた私にとって、すべてをかける覚悟の上の挑戦でした。しかし、法科大学院での暗中模索の日々は、その覚悟を揺るがすほどに不安と焦燥の毎日でした。それでも、心を折ることなく挑戦を続けることができたこと、それによって修了直後の司法試験で合格できたことは、國學院大學法科大学院の環境によるところが大きかったと感じています。

入学当初、私はまったく授業についていけませんでした。初めて書いた答案は、およそ法律の論述とは呼べない酷いもので、「もし3年後に合格したら、3年後の俺は相当頑張ったということだね」と苦笑いしながら同期と話したことを覚えています。

この3年間を振り返ってみて、私が修了直後の司法試験に合格できた要因として特に大きかったことは、國學院大學法科大学院が少人数教育であったこと、リーガルクリニックで実務を体験できたことの2つではないかと思っています。

本学は、少人数教育であるがゆえに教員・スタッフの方々との距離が非常に近く、学生一人一人がその他大勢の中に埋もれてしまうことがありませんでした。教員の方々との距離の近さは、質問しやすい環境を生み、勉強効率を上げてくれました。授業でも、その他大勢に埋もれることが許されないため、主体的な参加が要求され、常に緊張感を持って臨むことができました。また、同期全員で司法試験に向かっているという一体感を生むことができましたし、スタッフの方々は学生全員の名前を憶えてくれていつも私たちを応援してくれていたので、在学中に孤独を感じることはありませんでした。この少人数教育から生まれる環境が私の覚悟を支えてくれていたのだと思っています。

本学には、リーガルクリニックとして、併設されている渋谷パブリック法律事務所の弁護士の方々と共に実際の事件に携わることができるカリキュラムがあります。それは、机上で学んでいた法律の知識を実際に使う実践の場であり、興奮を覚える体験でした。リーガルクリニックは、司法試験にとって有意でないと感じる方もいるかもしれませんが、私はむしろ司法試験に直結するものだと感じています。なぜなら、司法試験では、法律の知識よりも、法律を使うことができる能力が問われているからです。リーガルクリニックでは、まさに法律を使うことを教えて頂きました。 また、リーガルクリニックでは、依頼者に人生を委ねられることの責任を肌で感じることができました。この実感によって、司法試験とは、他人に人生を委ねてもらうことを職業とする資格を得るための試験なのだと確信しましたし、生半可な努力では足りないという更なる覚悟も生まれました。この覚悟は、辛く苦しい受験勉強に最後の踏ん張りを与えてくれました。

司法試験の合格は、通過点でしかありません。國學院大學法科大学院に与えて頂いた環境を社会に還元するためにも、挑戦を続けていきたいと思っています。

このページに対するお問い合せ先: 大学院事務課(法科大学院)

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