企業への就職を希望している人

2011年3月30日更新

企業の構成と法律

企業を構成する部門

 意外に思われる方がいるかもしれませんが、法学部の卒業生の多くは、企業その他の法人に就職します。企業に就職した法学部卒業生は、以下のような企業の様々な部門で働いています。

営業部門:商品の販売、サービスの提供
製造部門:製品・商品の製造
企画部門:会社の事業計画の立案
総務部門:株主総会対策、会社の庶務務全般
人事・労務部門:労働者の雇用、賃金、年金・保険などの社会保障に関する業務
経理部門:会計、税務など会社の財務に関する業務
知的財産部門:知的財産権の管理
法務部門:契約書の作成や会社の法令遵守など法律に関する業務

各部門で使われる法律

 このように、大学で法律を勉強したからといって、法務部門に就職するわけではありませんし、また法律専門家になるわけではないのです。しかし、法律の知識や考え方が、こうした部門で役に立たないというわけではありません。業種によっても異なりますが、主に次のような法律が役に立つと考えられます。なお、法務部門では法律全般を扱います。

営業部門 → 消費者法
製造部門 → 環境法、知的財産法
企画部門 → 会社法、金融商品取引法、独占禁止法、知的財産法
総務部門 → 会社法
人事・労務部門 → 労働法、社会保障法
経理部門 → 会社法、金融商品取引法、税法
知的財産部門 → 知的財産法

 このように、会社の様々な部門で法律の知識が用いられていることがわかります。自分がどの部署で働くことを希望しているかによって、重点的に勉強する科目も変わってきます。

法務部門

 法務部門は、会社の業務に関して発生する法律問題を専門的に扱う部署です。最近は企業で様々な不祥事が発生しており、その結果として企業の倒産や買収に至る場合もあるため、コンプライアンス(法令遵守)をはじめとする法務は、企業の中でも注目を集めつつある部門と言っても良いでしょう。しかし、こうした部署で働くためには、比較的高度な法律の専門知識が必要です(司法試験の択一合格程度のレベルと言われることがあります)。
 いずれにしても、上記のような様々な法律を実際に使いこなしていくためには、基礎となる法律知識がしっかりと身に付いていることが必要です。

業種と法律

 業種によっても、重点的に扱う法律は変わってきます。

 いかなる業種においても、契約を締結してビジネスを行いますので、民法、特に財産法や商取引法の学習は必要ですし、そうしたビジネスを行う主体である会社について学ぶ会社法も重要です。

 それ以外に用いる主要な法律を業種毎に挙げますと、下記の通りです(もとよりこれだけに限られませんので、注意して下さい)。

製造業:知的財産法、環境法、国際私法、経済法
食品関係:消費者法、環境法
医療・薬品:医事法
エンターテインメント:情報法、知的財産法、消費者法
百貨店・スーパー:消費者法
建設業:不動産登記法、経済法、環境法
銀行等の金融機関:倒産法、商事決済法、金融商品取引法
信託銀行:家族法、信託法、金融商品取引法
証券会社・資産運用会社:金融商品取引法
保険会社:保険法、金融商品取引法
クレジット・カード会社:消費者法、商事決済法、金融商品取引法
商社:国際私法
不動産開発・販売:不動産登記法、環境法、消費者法、経済法
新聞・出版:憲法、情報法、知的財産法
運輸業:国際私法、環境法

 自分が目指している職種や業種によって、学習の対象を自ら選択していく必要があることがおわかり頂けたのではないかと思います。貴重な大学4年間を有意義に過ごして就職に繋げ、大学で得た知識を将来の職業に活かすためには、受講する科目の選択がきわめて重要なのです。自分が目指している企業でどのような職業に就きたいのかをよく考えて、学習対象を選ぶようにしましょう。

このページに対するお問い合せ先: 法学部

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