キャリア・サポート

2011年3月30日更新

キャリアと専攻制度

 法学部では、学生の皆さんが卒業後の進路を見据えた学生生活を送ることができるように、3専攻制度を採用しました。つまり、専攻それ自体がキャリア・サポートとなるような仕組みになっているのです。したがって、たとえば、次のように将来の目的にしたがって専攻を選択することができるのです。

法律関係の専門職に就きたい人→「法律専門職専攻」
政治に関係する職業を目指している人→「政治専攻」
大学に入ってから進路を決めたい人→「法律専攻」

進路を決めていなくても大丈夫

 大学に入ってから進路を決めたいと考えている受験生の方は結構多いと思います。確たる考えもなく、法学部に入ってしまって大丈夫だろうか、と心配している人、焦っている人もいることでしょう。
 しかし、そんな心配は無用です。職業に就いてどんな業務を行うことになるのかがわからなければ、そもそも自分がどの職業に向いているのかを知ることはできませんし、自分がなりたいと思っている職業が本当に自分に向いているのかを、いろいろな情報を収集・分析しながらよく考えてみる必要があります。思い込みで決めてしまうことのほうが、よほど危険なことなのです。

法学部専門教育科目「キャリア・プランニング」(法律専攻のみ)

 法学部の法律専攻では、「キャリア・プランニング」という講義を設けて、自分の将来について考えてもらうきっかけを作ることにしています。まだ入学もしていない受験生のみなさんに、大学卒業後の自分を想像してもらうのは難しいかもしれません。しかし、大学で勉強したことやキャリア形成のために取り組んだことが卒業後のキャリアに活かされるのです。自分の夢を実現したければ、大学在学中から意欲的に取り組むことが大切です。その意味で、将来を見据えて自分が目指している職業に役立つ講義を受講することが必要ですし、常日頃から卒業後の進路を思い描いておくことが必要です。

 法学部では、法律知識や法的思考力をきちんと付けるための方法として、「法学検定試験2・3・4級」の受験を促し、合格した場合には単位として認定することによって、着実な法律知識・法的思考力の取得を応援しています。法律関係の専門職に就くことを考えている方には、基礎的な力がついているかどうかをこの試験を通じて確認することができますし、また企業への就職を考えている方にとっては、就職活動の際のアピール材料となるでしょう。

パラリーガル実務講座(法律学特殊講義)

 法学部では、弁護士の補助職である法律事務職員・パラリーガルの実務を学ぶパラリーガル実務講座を、2・3・4年生用に開講しています。そこで、ご担当いただいている横店恵美先生に、パラリーガルとは何か、そしてパラリーガル実務講座ではどのような内容の講義が行われているのかについて、以下におまとめいただきました。

  • 日本の法律事務所

     法律事務所には有資格者である弁護士以外にもスタッフが存在し、弁護士の業務を支えています。一口に法律事務所と言っても様々です。最近話題になっているのは、海外の法律事務所との競争に対抗すべく事務所合併によりどんどん大きくなっていっている渉外・企業法務中心の法律事務所です。しかしながら、日本弁護士連合会の2000年の調査でも日本の法律事務所は弁護士が3名以下の法律事務所が全体の7、8割を占めています。

     皆さんは、法律事務所ってどういう職場を想像されますか?テレビドラマに出てくるような、1つの事件を弁護士と事務職員とが一定期間、それにかかりきりになって処理し、法廷が開かれるときは事務職員もその法廷を傍聴しているというような想像をされていませんか?現実に事務職員が弁護士に同行することはほとんどありません。多忙な弁護士の留守を守り、依頼者・相手方からのさまざまな電話はもちろんのこと、「弁護士さん、いつもいないんだねえ??連絡がこないんだけど!?」等々苦情の電話から怖いヤミ金からの電話、裁判所からの「事件番号平成××年(ワ)第12345号事件について期日の打ち合わせです……」をさばき、次から次へと来所されるお客様の応対、暑い夏には冷たい麦茶、寒い冬には温かくほっとするお茶でもてなし、ただでさえ、敷居が高い法律事務所の八-ドルを低くできるような応対を心がけ、その合間を縫って、弁護士からのさまざまな指示に対応します。これワープロしておいて!この原稿、申立用に形成しておいて!この取り寄せお願い!書証作成して!申立するから準備して!などなど。集中してひとつの仕事だけしているわけにはいきません。弁護士と依頼者とが相談中に応接室から指示が飛んでくることもあります。訴訟委任状もってきて!この手続には黍付書類として何が必要だったっけ?印紙・郵券等実費はいくらかかる??そして、事務所でのデスクワークだけではなく、裁判所・法務局・銀行等々外回りの仕事も事務職員の仕事の重要な部分です。常にアンテナを張り、弁護士からの指示に応えなければなりません。そうこうしているうちに、あっという間にもう、夕方なんてこともよくあります。そこへ、保全申立が入った、急ぎの仕事です、今日は残業、となることも。このように、いろんな仕事が同時進行していくのが、事務職員のお仕事です。忙しい弁護士は細かく事務職員に指示できないこともあります。日々の経験で、その場その場でどの仕事が優先なのか見極めながら片付けていかなければなりません。急な指示に対し、フットワーク軽く動くことが要求されることも多いのです。法律専門職の仕事だけしていればよいという事務所は日本においては少ないのが現実です。

  • パラリーガルとは

     パラリーガルとはアメリカで2、30年以上前より法律事務所の秘書から徐々に法律専門職として進化した職域です。日本においても弁護士は弁護士でしかできない固有の法律事務に専念し、これまで弁護士がすべて行ってきた法律事務のうち、一定の定型的・手続的法律事務を法律事務職員・パラリーガルに任せ、弁護士と法律事務職員・パラリーガルの職域が分化しつつあります。パラリーガルとは「法律事務所に勤務する弁護士以外の職員であって、専門的な法律事務処理能力を有するスタッフ。弁護士が最終責任を負うことを前提として、その指導・監督のもと、その弁護士の名において、法廷への出頭その他訴訟行為そのもの以外の一定の定型的・手続的法律事務・登記事務・供託事務等々を処理することができるスタッフ」ということになります。弁護士といえども1日24時間しかないのです。すべての法律事務を自分でこなしていたのでは、迅速なリーガルサービスの提供はできないのです。法律事務所内のスタッフである法律事務職員・パラリーガルに一定の手続を任かせることができれば、弁護士は自分固有の仕事に専念することができ、事務所としてこなす仕事の量も増えるはずです。

     もっとも、アメリカと日本とで異なる点は、アメリカでは日本のような周辺士業が存在しないので、独立パラリーガルというのも存在しますが、日本においてはあくまでも弁護士の補助職であるという点です。それでも弁護士の指導・監督のもと、弁護士の職域がかなり広い分、その補助職の仕事も幅広く、何年も法律事務職員・パラリーガルをやっていても常に新しい仕事があり、飽きることがありません。また、中小規模の法律事務所においては、依頼者の方と直接接する機会も多く、受任から解決までずっとお付き合いでき、解決の晩には依頼者の満足にも接することができ、仕事の達成感という意味でも遣り甲斐があります。そして、法改正や実務の変動が激しい現在、仕事を続ける以上、常に現状にあった実務を学んでいく必要もあります。

  • パラリーガル実務講座

     本講座では、法律事務職員・パラリーガルがかかわる可能性のある実務について学ぶことになります。

     イメージがわくようにケーススタディで裁判資料を配布し、また実務上の経験談を交えて進めていきます。さらに情報がまだまだ少ない法律事務職員への就職支援もしていきますし、何よりの強みは現職になってからも支援できるというところにあります。アメリカのパラリーガルは自主組織としてパラリーガル協会を立ち上げ、パラリーガル養成講座を開講し、パラリーガル認定を行っています。日本では、まだまだこれからですが、私が代表をしておりますパラリーガルクラブでは「法律事務職員簡単実務マニュアル」等マニュアルの発行、実務情報発信のためのホームページ(http://www.paralegal-jp.com)、実務経験交換のメーリングリスト、その他、現職のパラリーガル養成講座も開講し始め、法律事務職員・パラリーガル支援を続けております。ただ、本講座においては、法律事務職員志望の方ばかりでなく、裁判実務や登記実務等手続がどういうふうに動いているのか興味がある方の受講も歓迎しております。せっかく法学部に入学したのですから、本来本人申立できるはずの裁判や登記について知っておかれることも今後の人生において役立つこともあるのではないでしょうか。

     2005年度より通年講座としていただきました。前半は主に裁判実務について学びます。後半はその周辺の登記実務、公証役場実務、供託実務、倒産手続等について学びます。また、不動産商業登記事項証明書や戸籍の取り寄せを実際にしていただき、相続人の確定、相続関係説明図や登記申請書の作成等も実際に行っていただきます。とりあえず、まだ実務に就いているわけではありませんので、「裁判実務ってこうなっているんだ、登記事項証明書や戸籍からいろんなことがわかるんだ」でいいと思います。

     最後に、専門職としての法律事務職員、パラリーガルを目指されるとしたら、物事の理屈を考えること、どうしてそうなるのか、つきつめて考えることができること、書籍を読むのを厭わないこと、何でも好奇心をもつことが要求されると思います。手続分野の実務が面白くなったら、それがこれから生きていくうえでの仕事になったら楽しいと思いませんか?本講座で職域としての法律事務職員の存在とその職域の可能性について知っていただけたら幸いです。

     なお、民事執行法・民事保全法についても、実務講座で重点を置いて学ぶところとはかなり違いますが、大学時代にしか学べない視点もありますので、実務講座と並行して受講していただければ、より理解も深まると思います。さらに、日頃裁判関係についてのニュースや法律問題に気をつけていると、実社会において法律がいかに機能しているかがよくわかり、学ぶことも面白くなると思います。

     現職の法律事務職員が講座を担当する関係で法律事務所の勤務時間外の7時限、午後7時35分からの講座となりますが、興味を持たれた方、お待ちしております!

講義以外のキャリア・サポート

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