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攻めのプレーでつかんだ1部残留

チーム一丸、総力戦で挑む卓球部女子

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卓球部 長尾真由選手(経ネ4)、小島叶愛選手(初教1)、阿部里歩選手(神文1)

2018年7月23日更新

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 今年で創部71年を迎えた卓球部・女子は部員17人で活動する、笑顔が印象的なチームだ。平成27年秋には関東学生卓球2部リーグで優勝をおさめ、初めて1部リーグへの昇格を勝ち取った。春と秋に行われるリーグ戦で、その後2年間は降格、昇格を繰り返したが、今春、3度目の1部リーグ挑戦で初の残留を決めた。全7試合のうち初戦から5連敗を喫する厳しい展開となったが、諦めることなく果敢に挑み続けてつかみ取った悲願。主務の長尾真由選手(経ネ4、清水国際高卒=写真中央)、1年生ながら即戦力として活躍する期待の新人、小島叶愛(かのあ)選手(初教1、明豊高卒=同右)と阿部里歩選手(神文1、四天王寺高卒=同左)の3人に、平坦な道のりではなかった1部残留までの思いや、今後の目標を聞いた。

流れを変えた2週間

――1部リーグで初の残留。おめでとうございます。試合を振り返った感想を聞かせてください。

長尾選手(以下、長尾) 今春のリーグ戦では、前半5試合は全てストレート負け。初めて1部で戦い残留できなかった2年前のつらい記憶がフラッシュバックするような苦しい展開が続きました。前半5試合と後半2試合の間に2週間ほど空いたのですが、その期間の厳しい練習があったからこそ、後半で2勝できたと思っています。

小島選手(以下、小島) 私は今回が初めてのリーグ戦でしたが、前半5試合はまったく歯が立たず、苦しかったです。でも、前半と後半の間の2週間は、チーム全員で残りの試合をどう勝つのかを考え、前を向いていたのが印象的でした。今日(※取材当日)は教育実習でいませんが、主将を務める姉の悠夏を始め先輩たちが「思いっきり向かっていけばいいんだよ」と言ってくださって、良い意味で肩の力を抜いて残る2試合に臨むことができました。

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リーグ戦2勝を挙げた小島(左)・阿部ペア

――前半戦と後半戦の間にあった2週間の練習で、流れが変わったようですね。なにかきっかけがありましたか。

長尾 私たち4年生は2部降格を2度経験しているので、「あんなに悔しい思いはもうしたくない」「今までと同じ結果には絶対にしない」という気持ちが強い学年です。前半戦は連敗してしまい、小島悠夏主将を中心に「このままではいけない」と考え、第5戦を終えてすぐに部員全員でミーティングをしました。試合に出ている、出ていないに関係なく、みんなで意見を出し合い、後半戦に向けて明確な目標を持って、チームが1つになって練習に取り組めました。

――具体的にはどのような練習をしましたか。

阿部選手(以下、阿部) 1部の選手はボールの威力が自分たちとはまったく違ったので、男子部員の方々に練習相手になってもらいました。すごく大変でしたが、男子選手の強いボールに慣れたことで、大きな自信になりました。

長尾 試合中、ラリーをしていて「いつもなら、ここで決められるのに」というところで決まらないのが、1部のレベルの高さです。相手に押されてしまうことが多く、パワー、スピードについていけなかったのが前半5試合でした。そういった強い選手に対してもしっかりと攻撃できるように取り組んだのが2週間の練習であり、精神面でも技術面でも「攻める卓球」ができるようになったと感じています。

積み重ねてきた「考えて実践する」力

――攻めるプレーへの変化をどのように自覚していますか。

小島 私は、前半戦では相手がどうこうというより、自分が守りに入ってしまって勝てなかったと思います。ですから、自分を精神的に追い込んだという意味で「攻めた」と感じています。競り合う場面で、どれだけ自分の力を発揮できるかということに集中して練習に取り組むようにしていました。

阿部 私も精神面ですね。第3戦(日本体育大学戦)でマッチポイントまで取ったのに逆転負けしてしまって…。この試合があったからこそ、気持ちで攻めないと勝てないなと痛感しましたね。

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――1年生の2人にとっては大学で初めて経験するリーグ戦でした。高校時代の卓球と違いは感じますか。

阿部 高校ではコーチにずっと指導してもらっていたので、言われた通りに練習していました。でも、大学では自分で考えてプレーしないといけないと感じています。

小島 大学生は頭を使ってプレーしているな、と試合の度に感じます。特に相手が3、4年生だと経験値も違うし、レベルの差を実感しますね。チームの先輩方は、練習中も試合中も周りのこと、私たち後輩のことまで見ていて、本当に尊敬していますし、目標でもあります。

――試合中、部員同士でアドバイスし合うなど、外から見ていても「自分たちで考えてやっているな」と感じる場面が多いですね。

長尾 大学だと、高校までと違って自分で時間をつくらないと練習量をこなせません。監督が私たちを信頼して任せてくれているので、試合のときはメンバー同士で指摘し合い、練習メニューも自分たちで考えるなど自由にやらせてもらっていますが、結果が出なければ自分たちの責任です。そのプレッシャーは常にありますが、これまでの練習やチームを運営する中での積み重ねで得た「自分たちで考えて実践する」という力は発揮できているかなと思います。

――1年を通して、リーグ戦などの団体戦以外に個人戦もありますね。

長尾 団体戦前は試合に出るメンバー中心の練習をしているため、試合に出ない部員にサポートしてもらうことも多いです。個人戦では、実力を試し、上を目指すチャンスが全員に与えられていて、皆が一番練習できる機会でもあります。チームとして強くなるためにも、個人戦に向けて一人ひとりが練習に励み、結果を残すことが大切だと思います。

部員同士で切磋琢磨し1部上位へ

――2年前、初めて挑戦した1部リーグでは全敗でした。当時、2部とのレベル差は感じましたか。

長尾 明らかなレベルの差を感じましたし、それに立ち向かえるほど自分たちの実力も伴っていませんでした。打点の高さ、ボールの回転量、サーブの強さなど細かな技術の部分で1部の強さを実感しました。「あと1本決めれば、このセットを取れる」という場面でも、相手のほうが技術でも気持ちでも上回っていて、結局一度も勝つことができませんでした。どうしたら勝てるのか分からず、ずるずると負け続けてしまったというのが2年前の記憶です。

――今春、1部に初めて残留し、秋のリーグ戦は1部定着の試金石にもなります。目標は定まっていますか。

長尾 春のリーグ戦は、1部全8チームの中で6位という成績でした。秋のリーグ戦では1部上位の4位以内に入りたいと思っています。そのためには、チーム全体の実力を高めることが必要です。春の団体戦メンバーだったからといって、秋に必ず出られるとは限りません。部員には、良い意味でライバル心を持って切磋琢磨していってほしいですね。

――1部上位という目標を達成するために、後輩へ継承していきたいことはありますか。

長尾 私自身、団体戦最後の7番手として試合に出ることが多いのですが、そこはもう実力ではなく気持ちの勝負。春の後半戦でできた「攻める卓球」というのも、技術だけではなく精神的にも強くなった結果だと思うので、後輩たちには常に勝つという気持ちを強く持ってほしいです。このチームは飛び抜けて強い選手がいるわけではありませんが、それを気持ちでカバーできるのが1つの強みです。そして、「誰かが勝つ」というよりは、サポートや声援も含め、みんなで勝ちに行くという試合が多く、総力戦で挑んでいます。秋のリーグ戦では自分たちの強みを生かして、目標を達成したいですね。

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