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“個”を強くさせるために
チャレンジと失敗はどうあるべきか

渋谷対談!Vol17 トップが語る Vision & Mission『國學院大學×あいおいニッセイ同和損害保険株式会社』

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2018年1月12日更新

日経ビジネス(あいおい)①

 渋谷を本拠とする國學院大學の赤井益久学長とあいおいニッセイ同和損害保険の金杉恭三社長が対談。教育と保険、違う分野に携わる2人は、現代における「チャレンジと失敗」の大切さを力説する。その真意を対談から紐解いていく。

 

プロフィール

赤井益久(あかいますひさ)

金杉恭三(かなすぎやすぞう)

國學院大學 学長

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 

代表取締役社長

1950年生まれ。

國學院大學大学院文学研究科博士課程を経て、1996年より同文学部教授。2011年に学長に就任。

1956年生まれ。

1979年に大東京火災海上保険に入社。2008年にあいおい損保常務役員。2016年4月より現職。

 

失敗を恐れない姿勢をどう作っていくか

赤井 今、世界中でさまざまな技術革新が起きています。本学は日本文化を研究するセンターを標榜していますが、世界から日本を見ると、新たなイノベーションや開拓にもっとチャレンジする必要性を感じます。

金杉 保険業界も同様です。IoTによって、車との通信技術を使った新型の自動車保険が出るなど、新たな技術で問題を解決する時代。チャレンジできない組織の発展性は限られるでしょう。

赤井 とはいえ、チャレンジには失敗が伴うので、それを恐れて無難になりがちです。これでは最先端のイノベーションは生まれてきません。失敗を恐れない姿勢をどう作るか、それが今の時代に大切だと考えています。

金杉 そこで私は、社員に「脳の筋トレをしろ」と言います。難題にチャレンジして、悩み苦しみ、時には失敗する。その“痛み”が脳を強くし人を成長させます。これは筋肉を作る理屈と同じです。もちろんアウトプットで失敗すればお客様にご迷惑をかけるので避けるべきですが、そこに至るまではアグレッシブに挑むべきです。

赤井 大学は、いわば失敗を前提に制度ができています。ひとつの単位を落としても、それで終わりではありません。むしろ大学は“健全な失敗や挫折”をどう味わわせるかが使命。結果、学生が「同じ失敗は繰り返さない」と主体的に思えれば、優れた人材になると考えています。

赤井学長は「失敗を経て学生は本当の大人になっていく」という。

赤井学長は「失敗を経て学生は本当の大人になっていく」という。

 

チャレンジする場を作る それがもたらす成長

金杉 主体性は大切ですよね。私たちは、本社が細かく指示を出さず、社員で考えさせるようにしています。すると各々が個性的なアイデアを出し、実現しようと真剣になる。他の社員にも相談する。そうしてチャレンジが生まれるんですよね。

赤井 大学は、チャレンジする“場”を与えるのも役目です。たとえば企業と提携して、新商品の開拓に何をすべきか学生にプレゼンさせる。これは「アクティブラーニング」という能動的な授業ですが、そうやって学生が考える中でチャレンジや失敗を経験させています。

金杉 こういったチャレンジは他者や組織にも好影響を与えますよね。弊社は障がい者アスリートを社員として積極的に採用していますが、彼らが職場で働く姿を見ると、周りの社員も気づきや刺激を受けるのです。

赤井 自由なチャレンジは、個性の発揮にもつながりますしね。本学のミッションに「個性と共生の調和」がありますが、輝く個性が集う組織こそ伸びるはずです。

「自由にチャレンジする組織の方が間違いなく強い」と金杉氏。

「自由にチャレンジする組織の方が間違いなく強い」と金杉社長。

 

他社や組織に求められる失敗を受け入れる寛容さ

赤井 逆に言えば、チャレンジや失敗を受け入れる寛容さも必要です。今はネットで「炎上」が起きるなど、他者の失敗を叩く風潮があります。しかし、本来の日本文化が持っている精神は「主体性を持った寛容性と謙虚さ」です。相手の失敗を理解して許す。自分の意見を主張するにも、相手の立場を慮って意見する。論破して徹底的に叩くことではありません。

金杉 失敗を叩いてしまう人たちは、先ほど言った“脳の筋トレ”が足りないのではないでしょうか。自分が失敗を経験していれば、相手の苦しさが分かるはずです。今まで自分が失敗した経験が少ないからこそ、他者の失敗を許容できないのかもしれません。

赤井 同感です。相手が失敗した時に、共感や理解を示し、その人がどうすれば失敗を乗り越えられるか考える。そんな人が増えれば、もっとチャレンジが生まれ、イノベーションや個人の成長につながっていくのではないでしょうか。

失敗を生かすことの大切さについて、2人の考えは合致する。

失敗を生かすことの大切さについて、2人の考えは合致する。

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