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ラジオCMコンテストで大学のPRをしたら、 大学の「中の人」の素晴らしさに出会った

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文学部4年 西 宥珠菜 さん

2024年4月8日更新

 「うちの大学をもっと知ってもらいたい」と、とあるコンテストに応募したところ最優秀賞を受賞。その後、学生部長賞まで受賞した4年生の西宥珠菜(ゆずな)さん(外文4)。

 西さんが入学した当初は、世界中で新型コロナウイルスが蔓延し、世の中全体が元気を失っていた頃。そんな中でコンテストやバイトを通し、自分を磨いてきた西さんは、今、「人を支えたい」という目標に向かって進んでいる。

 

國學院大學をもっと知りたい、知ってもらいたいとラジオCMコンテストへ

 西さんの大学生活のスタートは、新型コロナウイルス感染拡大の真っ只中だった。

 「高校3年生のとき、すでに新型コロナウイルスの感染は拡大していたので、オープンキャンパスもオンライン開催でした。入学後も想像していたキャンパスライフとはまったく異なり、授業もオンラインで、学生同士会う機会もない。会えたとしてもマスクをして距離を取って……という感じでしたから。何より私自身が、國學院大學がどういう大学なのかを深く知る機会がないまま、1年目は過ぎていってしまいました」

 やや状況に慣れてきた2年目、西さんは改めて自分の大学を見つめ直し、同時に大学のことを広く知ってもらえる機会はないかと考えた。

 「私と同じように大学のことをよく知らない学生が多いに違いないと思って、大学をPRできる機会を見つけたいと思ったんです。ネットで検索したところ、ラジオCMのコンテストが目に留まりました」

「1年生のときは、入学後の新入生歓迎会などもなく、サークルにも入りそびれて、入学しながら大学のことが分からない状態でした」と、当時を語る西さん。

 それは、JFN(全国FM放送協議会)が開催している、現役大学生、専門学校生から、自身の学校のラジオCMを募集するという「JFNラジオCMコンテスト」だ。

 「コロナ禍で在宅時間が増え、テレビを見たりラジオを聴いたりする人が増えているとニュースで聞いていたので、ちょうどいいかなと思ったんです。そこから『では何をテーマにするか?』と考え始めました」

 母校のPRをするのに、どんな内容がふさわしいのだろう。西さんは、改めて大学について思い返したり、ネットでリサーチを続けたりした。

 「國學院大學というと、大学名に難しい漢字を使い〝言語や日本文化に強い大学〟という印象があるかなと思ったんです。そこで、〝言葉〟をテーマにしようと考えました。言葉といってもいろいろありますよね。やっぱり歴史に基づいた何かがいいかな? と調べ続けて出会ったのが、私たち世代が使う若者言葉が、じつは古い時代から使われていたという驚きの事実でした」

 ネットで調べた中に「この言葉は、じつは平安時代や江戸時代から使われていた!」などといった記事があり、そこには「〝マジ〟や〝ヤバい〟は江戸時代、〝ビビる〟は平安時代から使われていた」などと書かれていたのである。西さん自身も知らないことで、ビックリした。と、同時にその内容のインパクトにも気がついた。

 常々「若者の言葉は乱れている」と言われている。ところが、その乱れた言葉の代表格が、古くから使われていたという事実は非常におもしろく、かつ興味も引くだろうと思えた。ラジオで聞いても耳に残るのではないか? 「よし、これでいこう」と心が決まった。

 この言葉たちに出会う前までは結構時間がかかったが、決まってからの制作時間はわずか数10分。そのまま応募フォームを送信し、その後は応募のことをとくに思い出すことなく日々を過ごしていた。

 

親身に後押ししてくれた大学広報課の職員

 西さんの作品は、そのユニークで斬新な視点が注目されてか、一次選考を通過。知らせを受けた西さんはうれしさよりも「まさか」とビックリしたという。

 「通ると思っていなかったので……。そして次の選考前に、サイトに大学名などが載るので、大学に許可を取ってほしいとJFNの方に言われて、広報課に足を運んだんです」

 このときに、大学広報課の職員がいろいろと相談に乗ってくれ、西さんの受賞を後押しするようなサポートをしてくれた。西さんは、

 「いままでは学生生活課の方と学校生活のことなどでやり取りする程度で、大学職員の方がどんな仕事をしているのか知りませんでした。このとき、学生を支えてくれる仕事なんだと思いました」

 こうして西さんの作品は、プロの声優さんの声で演じられ、選考委員からも激賞されてみごと最優秀賞を受賞。その後、大学からも学生部長賞を受賞(令和4年度)するという快挙を成し遂げた。その作品がこちらである。

JFNラジオCMコンテスト2023~ラジオに乗せて、学校アピール~

 「一次選考のときは、まさか通過するとは思っていなくてとても驚きました。しかし、二次選考でプロの方に声を入れていただき、その現場でスタッフの方からも『これはいいね』と感想をいただいたので、いいところまでいくかなとは思っていましたが、最優秀賞だなんて……。本当にうれしかったです」

プロの声優さんが原稿を読んでくれる現場では、西さんも「話し手の順番を変えてみては?」など一緒に構想を練り、採用されたという。

現在4年生、将来は?

 3年生になると、新型コロナウイルスの感染拡大もようやく落ち着きはじめ、西さんもキャンパスに通う日々がやってきた。しかし、気がつけば渋谷でのキャンパスライフをのんびり楽しむ間もなく大学3年生となり、就職について考える時期になっていた。

 じつは西さんは、将来に向けた自己研鑽を早くから始めていた。その1つが、大学1年生のときから続けている他大学での研究室秘書のアルバイトである。

 「社会人になってから携わるような仕事で、経験を積ませていただいています。冗談みたいに、うちに就職すれば?と先生や、研究室と提携している企業の方に言われました。でも、ラジオCMコンテストのことを経て、大学という組織にも目が向くようになってきたんです」

 バイト先も含め、大学職員と接する機会は多い。

 「最近ではキャリアサポート課の方ともお話しますが、こちらが緊張しているときに『何でも聞いてください』とやさしく言ってくださったり、会話の前にアイスブレイクを入れて緊張をほぐしてくださったりするところがすごいなと思っています」

「趣味ですか? 声楽とピアノを続けていて、ストレスがあるとピアノを弾いて歌って発散しています」と語る西さん。

 こうした経験を経て、西さんの中で「大学職員になりたい」という気持ちが生まれてきたのだ。

 「はい、希望先の1つとして考えています。もちろん企業も視野に入れていますが、会社名ありきでは選んでいません。私は会社の中で人を支える、人事とか総務、労務管理などの仕事をしたいんです。DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入に積極的な企業、また、ワークライフバランスを考えた働き方ができる組織に入り、女性特有のライフイベント(出産など)を経ても、長く働きたいなと思っています」

 なるほど、大学職員も、西さんがそうしてもらったようにまさしく「人を支える仕事」だ。

 「大学を知りたい、知らせたい」という思いから始まった行動は、西さんの将来を見据える目を養うことにもなったようだ。望む道に進み、今の思いを持ち続けた活躍を期待したい。

取材・文:有川美紀子 撮影:押尾健太郎 編集:篠宮奈々子(DECO) 企画制作:國學院大學

このページに対するお問い合せ先: 広報課

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