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子どもの「気になる」を楽しむ

人間はみな一人ひとり違いがあり、子どもの育つ姿も一人ひとり違います。違っていていいのです。

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人間開発学部教授 野本 茂夫

2017年8月2日更新

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 親は「うちの子は他の子と比べて遅れている、変わっている」と「気になる」ことがあります。人間はみな一人ひとり違いがあり、同じ人はいません。同様に、子どもの育つ姿も一人ひとり違います。違っていていいのです。その違いに気付き、大切にすることから思いやりの気持ちが生まれ、他者とは違う自分に気付くのです。また、幼児には、大人とは違った幼児らしい興味や関心の示し方、やり方や楽しみ方があります。その違いや幼児らしさから子どもの「気になる」を考えてみます。

 

「子どもは子どもが大好き」

 幼い子どもは、遊んでいる子どもの姿に惹かれ釘付けになったり、中に入って同じことをやろうとしたりします。しかし、突然の行動だったり、初めて経験することだったりして、思うようにできず、トラブルを起こしてしまいます。その姿は、大人から見ると困ったことのように見え、「気になり」ます。

 子どもは、子どもに魅力を感じるようです。身体の大きさも、動きも、見ている世界も、子ども同士にはとても近いものがあります。興味や関心も似ているのでしょう。子どもは子どもが大好きなのです。遊んでいる他の子どもの姿は、新しい魅力的な世界へ誘ってくれます。それは、子どもの新しい学びがはじまっている姿なのです。

 

「子どもは難しいことに挑戦する」

 「できそうだ」、「わくわくする」、「やってみたい」。そう思う子どもは、初めてのことに次々と挑戦を始めます。ところが、大概は思うようにできません。失敗したり、時には物を壊したり、ちょっとした怪我をしたりさえするので、大人は「気になり」ます。

 ところが、子どもは、今、育ちつつある力を使ってみることに夢中になっているだけなのかもしれません。そこが子どもの発達の最前線なのです。まだ、育ってきたばかりの新しい力を使って、子どもは少し難しいことに挑戦しているのです。そして、乗り越えようと何度も挑戦するこの意欲は、力強く素晴らしいものです。

 

「子どもは同じことを繰り返す」

 子どもは、大人がもうやめて欲しいと思うようなことを繰り返すことがあります。例えば、子どもは、同じことを何度も要求してきます。「まだやるの」とか「さっき読んだでしょう」などと言いたくなることがあります。実は、子どもは、同じことが期待通りに起こることや、自分が知っていることに繰り返し出会う面白さを楽しんでいるのかもしれません。

 子どもの「気になる」を楽しみながら付き合ってみましょう。

野本 茂夫

研究分野

保育臨床相談、保育・幼児教育

論文

「子ども支援」における保育臨床相談の視座(2014/02/28)

保育園・幼稚園での特別支援の実情 〜どの子にもうれしい保育になるために〜(2012/05/01)

このページに対するお問い合せ先: 広報課

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