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競争と協調のなかで「自分らしさ」を見出す

硬式野球部3選手が語るチームの中での「存在意義」

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硬式野球部 飯野周太副主将、増田陽太選手、斉藤悠哉主務

2017年7月24日更新

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 東都大学野球など各大学野球のリーグ戦で出場機会の少なかった4年生選手を中心としたトーナメント大会「第1回 Mature Cup(マチュア杯)」が6月24日~7月2日、日本体育大学健志台球場(横浜市青葉区)で開かれ、本学の硬式野球部が優勝を飾った。大会には4年生部員22人全員がベンチ入り。主将の大役を務めた増田陽太選手(法4)、選手として出場し最優秀選手賞に輝いたマネージャーの斉藤悠哉主務(経営4)、大会規定により出場権がなく裏方としてチームを支えたレギュラー組の飯野周太副主将(経営4)に、野球と向き合い続けてきた4年間の思いを聞いた。

真剣勝負がこれからの人生に生きてくる

――――マチュア杯初代王者、おめでとうございます。全2試合で、増田選手は左翼でフル出場して通算9打数2安打1打点の活躍、斉藤主務は一塁を任され同じくフル出場して通算8打数4安打3打点で最優秀選手賞を獲得しました。飯野副主将はベンチからの声援や道具運びなどで陰からチームをサポートしましたね。それぞれ通常とは違う立場で真剣勝負を仲間と一緒に戦いました。大会を振り返り、得たものは何ですか。

増田選手(以下、増田)…1年ぶりの試合出場で、久しぶりに野球をやっているんだと実感でき、楽しくて充実した時間でした。チームには秋季リーグ戦が残っていますが、マチュア杯は自分にとって最後の出場機会になるかもしれない試合であり、4年間に培った力を出し切れたと思います。この充実感を忘れず、今後に生かしたいです。

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通算8打数4安打3打点で最優秀選手賞を獲得した斉藤主務

斉藤主務(以下、斉藤)…仲間が「この大会はお前たちが主役だ」とサポートしてくれたので、精いっぱい応えたいと臨みました。試合に出たのは高校3年以来で、最優秀選手賞には驚いています。野球に限らず本気になることは大事ですし、緊張感も経験でき、これからの人生に生きてくると思います。

飯野副主将(以下、飯野)…出場した部員は、いつもは裏方として私たちを支えてくれながら、試合に出られない悔しさを抱えています。普段とは逆の立場になり、その気持ちがよく分かりました。公式戦ではサポートしてくれる仲間のために活躍しなければならないと改めて感じました。大会での経験は自分の成長につなげられると思います。

 

トップを目指す中で、見つけたもの

――――皆さんは個人としてもトップを目指し、チームは優勝に向って挑んでいます。一方で選手間には競争と協調が求められますから、心の葛藤もあるでしょう。チームが強くなるために自分の個性を際立たせながら、役割をどのように見いだし、結果に結びつけてきたのでしょうか。増田選手はチーム1の練習量を誇るそうですが、試合に出られず挫折しそうになったこともあるのではないですか。

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増田陽太選手

増田  1年生の頃は、どうにかしてメンバーに入ろうと特にバッティングに力を入れました。2年生になると代打やDH(指名打者)として試合に出ることができ、チームの勝利に貢献することができました。3年生以降は結果を出せず試合に出る回数が減り、野球がいやになったときもありました。今も悔しいです。でも、やるからには最後まで全力でやり抜くのが信条です。現チームになったとき、野球帽のつばの裏に「あきらめない」と書きました。1年生から始めた夜の素振りや休みの日の自主練習を今も続けています。下級生には「下積みをしておかないと、チャンスをもらったときに結果を出せないぞ」と話すことがありますが、自分が人一倍練習していなければ説得力はありません。自分の姿を見せることで、下級生には何かを感じてほしいと思ってきました。リーグ戦で経験したことを下級生に伝えたり、ともに練習したりして、その下級生が試合で結果を出してくれれば、それがチームの中での自分の存在意義になっているのだと感じています。

――――斉藤主務は、ともすると自己を犠牲にしがちになる立場ですが、チームや自分のために実践してきたことは何ですか。

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斉藤悠哉主務

斉藤  1年生の後半でマネージャーに転向しました。強いチームには必ず、しっかりとしたマネージャーがいます。選手を続けたいとも思いましたが、誰かが務めなければなりません。同学年の中で適任者は自分しかいないと思い、手を挙げました。私の役割は(鳥山泰孝)監督の指示を最大限に尊重しながら、選手が常に100%の力を出して試合に臨める環境づくりをすることです。環境づくりとは、1日のタイムスケジュールや今後の予定を立てたり、補食を用意したりとさまざまですが、「みんなに迷惑がかからないよう準備を整える」という自覚を常に持ちながら行動しています。選手の要望を自分から聞きにいくことで、より選手がやりやすい環境をつくることができていると思います。主務という立場から外部の関係者と接する機会が多く、その方たちから部員やチームが褒められることが、もっと良くしようと努力する糧になっています。

――――飯野副主将は主力として戦い続けています。チームの中での役割をどう意識していますか。

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飯野周太副主将

飯野  私には今、選手と副主将の2つの役割があります。どちらも部員を引っ張る立場です。選手としては試合で結果を出すにはどうしたらよいかということを常に意識し、副主将としては試合や練習ではチームの雰囲気に気を配り、寮生活では清掃や整理整頓などを率先して行うよう心がけています。4年間を振り返ってみると、大学に入ってからは自分の長所である打撃を重視して練習してきました。その結果、リーグ戦では主軸を任され、チームの勝利に貢献できるようになったと思っています。ただ、初めから試合に出られていたわけではなく、下級生の頃は基礎力づくりをしてきました。ですから、今の下級生には下積み期間の大切さやリーグ戦で経験したことを伝えるようにしていて、それがチーム力の向上につながっていれば、うれしいです。

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チームを良くするために「あきらめない」

――――チームとして戦う中で成長したと感じることはありますか。

増田  継続力です。夜の素振りや休みの日の自主練習に加え、後輩の自主練習にも付き合ってきました。誰よりも練習してきたという自信があります。

斉藤  周りを見渡す力が格段に上がったと感じます。気付くからこそ、気遣いもできるようになるのだと思います。最近は、部員の疲労具合を、背中を見ただけで分かるようになりました。

飯野  バッターボックスに立ったときの気持ちに余裕が生まれました。1、2年生のとき、投球練習のバッター役を積極的に買って出て球筋を見る機会を多く持ったことで、3年生でレギュラーに定着してからは自信を持って打席に立つことができるようになりました。

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――――4年間、野球と向き合い続けてこられた原動力は何ですか。

増田  反骨心です。野球センスがあるわけではないので、実力差を縮めるためには練習しかありません。自分自身に負けそうになったときは、「他の部員に負けたくない」と思うようにしました。

斉藤  マネージャーになることは自ら決めたことです。親には「逃げるのか」と反対されましたが、「チームを良くするためにやめない」と誓いました。自分から逃げられない環境をつくったからこそ続けてこられたのだと思います。

飯野  卒業後は社会人野球に進みます。将来も選手として活躍するんだという強い気持ちがあったから、妥協せずに続けられたのだと思います。

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最後の秋、自分らしく集大成を

 ――――今年の東都大学野球春季1部リーグ戦では優勝まであと一歩でした。大学野球生活の集大成となる秋季リーグ戦への意気込みを聞かせてください。

増田  この4年間、優勝できるチャンスは何度もありました。秋は私にとって最後のリーグ戦。メンバーに入れても入れなくても、優勝に貢献したいです。そして、明治神宮野球大会の出場と優勝を目指します。

斉藤  チームとしてなかなか優勝できなかったので、マチュア杯での優勝経験を秋季リーグ戦につなげたいです。選手に100%のパフォーマンスを発揮してもらえるようサポートに全力を尽くします。

飯野  優勝しか見据えていません。最後のリーグ戦で鳥山監督を〝男〟にしてあげたいです。自分が活躍して優勝を勝ち取ります。

――――来春には社会人として羽ばたきます。大学野球の経験をどのように生かしていきたいですか。

増田  野球は大学を最後に終えます。卒業後は就職しますが、これまでの野球人生より長い社会人生活が始まります。やめたくなるときや、いやなこともあると思いますが、大学野球で身につけたあきらめない力、継続力の自信を生かしたいです。

斉藤  マネージャーとして、さまざまな年齢の方と接する機会に恵まれ、人間関係で大切な気遣いや立ち振る舞いを学べました。自分に生かすことはもちろん、同僚や後輩にも伝えていきたいです。

飯野  大学野球で培ったリーダーシップの大切さをチームのために生かしたいです。

 

 「Mature」は英語で「成熟」の意。マチュア杯は「実社会に出る前に練習してきた成果を出せる対外試合」として、鳥山泰孝監督らによって考案された。参加校は神奈川県に拠点のある5大学。本学は1回戦で日本体育大学を5-1、続く決勝で桐蔭横浜大学を3-2でそれぞれ破った。準優勝は桐蔭横浜大学、3位は法政大学、4位は慶応義塾大学、5位は日本体育大学。優秀選手賞の一人に本学の醍醐駿平投手(経ネ4)が選ばれた。

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