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【先輩に聴く】大学で磨く「コミュニケーション力」

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大豊建設株式会社 東京土木支店土木営業部第二営業課長 和田 創さん(平7卒・103期法)

2022年11月21日更新

 各種の大規模工事を手掛ける総合建設業(ゼネコン)と文系の國學院大學との間には、さほど接点が多くないように思われがち。しかし、和田創さん(平7卒・103期法)はゼネコンの中でも独自の土木技術を有し、地下空間を構築する土木工事を得意とする大豊建設(東京都中央区)で主に官公庁を相手とした営業職として活躍しています。「在学時はゴルフサークルの活動に力を注いだ」という和田さんが課外活動で磨いた社会人必須のスキルについてお聞きしました。

――お勤めの大豊建設とご自身の業務について

 私が勤める大豊建設は、ゼネコンの一つに数えられ、ニューマチックケーソン工法(※)、シールド工法(※)など土木の特殊工法で地下空間を構築して、人々の快適な社会生活に欠かせないインフラ整備を得意とします。例えば、東京レインボーブリッジ芝浦側の基礎アンカレイジ工事は、当社が誇る技術で造られ、首都・東京の物流を支える要となっています。江東区では、都市型水害対策のため大深度地下の30m以深で直径6m、約4.2kmに渡る地下トンネルの工事を担いました。河川の橋梁基礎を構築する工事、大規模な排水ポンプ場等も数多く手掛け、文字通り「縁の下の力持ち」というフレーズが合いますね。技術の進歩で耐用年数が延びる一方、度重なる災害で被災する土木構造物なども多く、直して長く使うための修繕・補強工事にも対応しています。造って終わりではなく、その後も安心して使っていただくことが重要ですし、感謝の言葉を聞くと「我々の仕事が人々の暮らしを支えている」との実感も湧いてきます。

 就職活動ではバブル崩壊後の就職氷河期に直面しましたが、父親が土木業界にいて幼少期からその背中を見て育ち、学生となり大豊建設の技術力の高さを聞いたことも入社のきっかっけ。入社後は営業と土木管理の仕事を受け持ってきました。土木管理は建設会社の〝通信簿〟ともいうべき「経営事項審査」の申請業務が主で、この審査に承認されないと官公庁の入札に参加できません。「ゼネコンの生命線」ともいうべき仕事です。一方、私が担当してきた営業は外回りで多数の顧客を相手にするものとはちょっと違います。官公庁相手の仕事が多いために主な仕事は入札関連業務で、技術部門からの提案を取りまとめて書類を作成します。専門知識など文系の学生が学ぶ術はありませんから、入札業務や土木建築の技術などは入社後に一つ一つ学びましたが、この時に役立ったのが「コミュニケーション力」です。

――コミュニケーション力はどのようにして身に着けた?

 「何かスポーツを」と始めたゴルフサークルの活動を通じてです。所属した「國學院大學セントアンドリュースゴルフクラブ」(現在は解散)では、全国各地から大学に集まった部員だけでなく対戦校の選手とも盛んに交流しました。ここで、教室では得ることのできないコミュニケーション力を磨けました。当時の友人とは今も交流があり、社会人になりたてで将来に悩んだ時に話を聞いてもらったりもしました。

 文系出身者にとって建設業界の仕事は分からないことだらけ。これを自己流に曲解したり、放置したりすれば顧客の信頼を失うことになります。分からないことがあった時、ためらわずに他人に聞くコミュニケーション力を身に付けていたらからこそ、建設技術力への理解も深められましたし、不慣れな仕事も乗り切ることができたといえます。

――國學院大學に関する思い出を

 2年生の時にたまプラーザキャンパスが開設され、当時は1、2年生がたまプラーザで学ぶこととなっており、いきなりキャンパスの最上級生になってしまったことを覚えています。サークルの先輩と校舎が別れてしまい、うまくコミュニケーションが取れなくなってしまった苦い記憶もあります。

 國學院大學と建設業は縁遠いと思うかもしれませんが、実は意外な繋がりもあるのです。我々の業界では工事に先立って安全を願う地鎮祭を執り行いますが、その際にお願いする神職の多くは院友の先輩方。会社の担当者から「神職の方は國學院大學だから挨拶しておいてね」と頼まれることも頻繁にありますよ。

――社会人としての経験から後輩にアドバイスを

 建設業に限らず、専門知識を大学で学ぶ機会は多くないですが、コミュニケーション力や物事を取りまとめるノウハウなどは学生時代に身に付けることができます。専門知識は入社してから学ぶもの。「文系だから」と臆することはありません。就職活動に際して、4年間の学びに繋がる分野を選択できなければ学生時代に学んだことが無駄になったと感じる人もいるかもしれません。しかし、学びは企業に就職してからも延々と続いていきます。もっと視野を広げてコミュニケーション力を磨くことも大切ではないでしょうか。後輩たちにはこのことを心に留めて前へ進んでもらいたいですね。

※ニューマチックケーソン工法 逆さにしたコップを水中に入れると、コップ内の空気圧と水圧が釣り合った時点で水が入ってこなくなる原理を応用した工法。あらかじめ地上で作製した筒や函(ケーソン)を水中に沈め、圧縮空気を送り込んで水を排除したドライな環境で工事を行う。橋梁の基礎、ダムの基礎等、地下構造物に幅広く用いられる。

※シールド工法 「シールド」と呼ばれる筒状の掘削機を用いてトンネルなどを掘る工法。シールド先端の切り刃で掘削すると同時にシールド本体で掘った穴を支え、さらに事前に作製した「セグメント」を組み上げることで壁面を完成させる。トンネルや地下鉄工事、最近では都市部での水害に対応した地下貯水施設の工事に活用される。

※土木と建築 建設業を構成する2大事業分野。ダムや橋梁、鉄道といった社会インフラの基礎を施工するのが「土木工事」。大規模な工事となるため官公庁やそれに準じる企業が発注主となることが多い。「土木」以外で人々が暮らす空間を構成する建築物を施工するものを「建築工事」と呼び、官公庁の施設や宿舎、企業の社屋、民間のマンションなどを建てる。


わだ・はじめ 國學院大學久我山高校から國學院大學に入学。法学部法律学科を卒業後、平成7(1995)年に大豊建設に入社。横浜支店、土木本部などを経て令和2(2020)年4月に東京土木支店土木営業部第二営業課の課長に就任

 

このページに対するお問い合せ先: 総合企画部広報課

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