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日本代表「桜のジャージ」目指す

本学ラグビーフットボール部に女子2選手

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ラグビーフットボール部 小坂海歩選手、小山晶子選手(ともに健体2)

2022年6月20日更新

小山選手(左)、小坂選手(右)

 関東大学ラグビーフットボールリーグのリーグ戦グループに所属し、1部昇格を目指す國學院大學ラグビーフットボール部で2人の女子選手が活動している。女子選手が所属するのは同部初。ともに学外のクラブチームでプレーし、若手選手の発掘・強化を目指す日本ラグビーフットボール協会のキャンプに参加するなど、2025年の女子ワールドカップでの代表入りを目指して切磋琢磨している。

 2人は小坂海歩(みぶ)選手と小山晶子選手(ともに健体2)で、恵まれた体格を生かしてボール奪取を狙うフォワード(FW)のプロップというポジションを担い、スクラムなどの場面では最前列で相手FWとせめぎ合う。
 父親がラグビースクールで指導者をしていた小坂選手は小学1年でラグビーを始め、中学時代には神奈川県代表として全国制覇を経験。「体格に勝る男子部員と一緒に練習でき、学ぶことが多く成長できる」という環境に魅力を感じて男女とも強豪の國學院大學栃木高校に進学し、3年次にはキャプテンも任された。本学への進学と同時にあこがれの選手で代表経験も豊富な鈴木実沙紀選手が所属する東京山九フェニックス(渋谷区)に加わってプレーしている。
 一方、中学までバスケットボールをしていたという小山選手は、進学先の都立石神井高校の新入生歓迎会で「ノリが良く楽しそうだし、体が大きい私の個性が生かせる」とラグビーに興味を覚えて入部を決意。その時点では「2015年のワールドカップで日本代表が話題になったことぐらいしか知らなかった」という全くの素人だ。女子部員数の関係で単独チームを組めないことから、先輩が所属するクラブチームのブレイブルーヴ(府中市)に加わってラグビーにのめり込んできた。

中学、高校時代と全国大会で活躍してきた小坂選手

 ラグビーとの出会いも経験も異なる2人だが、女子単独チームを組める他大学ではなく本学を選んだのは「教員になって女子ラグビーを広めたい」という夢があるから。「選手としての活躍や体育教員になるためには体育専門の大学が有利なのは分かっているが、勉学を重視する國學院なら幅広く勉強して見識も広げられるし、その中で教員以外の可能性にも出会うかもしれない」(小坂選手)、「将来の夢はまだ定まってはいないけれど、学生時代は自分に合った大学でしっかりと勉強をしたかった」(小山選手)と語るように、プレーヤーとして高みを目指すのはもちろん、その後の人生まで見据えてラグビーと向き合っている。2人しか女子選手がいない本学で単独チームを組みプレーすることは今のところかなわないが、一部の練習に参加しつつ、マネージャーとしてチームを支え、時には2人で分析しながらフィードバックできそうな戦略やスキルを〝盗む〟ことにも取り組んでいる。

競技歴は決して長くはないが、クラブチームでプレーを磨いてきた小山選手

 日本代表入りを目指す2人は今春、日本ラグビーフットボール協会主催の「TID(Talent IDentification=人材発掘・育成)」キャンプに参加した。中学生や高校生も参加するユースキャンプに参加した小山選手は「全国から選手が参加する合宿は初めて。『サクラフィフティーン(15人制女子代表)になりたい』という同じ目標を持った選手と過ごしたことは得難い経験」という。1ランク上のキャンプに参加して代表候補との練習もこなした小坂選手は「本気の先輩方を目の当たりにして違いを実感した。代表監督から『今のままでは日本のチームと戦う時には通用しても、海外のチームには通用しない』と指摘されて自負心をへし折られたが、『桜のジャージを着て世界の舞台で勝つ』ために代表選手は選ばれるということが理解できた」と決意を新たにする。

 それぞれのステージで活躍する2人にも課題はある。「スピード重視の流れにマッチするためスプリント力を鍛えてはいるが『まあまあ』といった感じ。チーム方針としてステップの習得にも取り組んでいる」(小山選手)、「FWとしては小柄なので一時はバックス(BK*)転向も考えたが、走力がない私が活躍するには『技術で勝るFW』になるしかないと思い直し、スプリント力をつけるトレーニングにも力を入れている」(小坂選手)と克服に力を注いでいる。

 裾野がまだ広いとは言えない女子ラグビーの世界で、「近くにいるからこそ、選手としては負けたくない」(小山選手)と語る二人は、互いの存在を刺激に、ともに日本代表として世界に挑む未来を見据えている。

*FWが奪ったボールを受けとり、攻撃を組み立ててトライに繫げていくポジション。敵陣に切り込んでの攻撃や守備も担うため、スピードとスタミナ、正確なパスやキックの技術も求められる。

 

 

 

 

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