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学問の府から刊行された教育雑誌

『兄弟』『姉妹』(國學院大學出版部)

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研究開発推進機構 助教 髙野 裕基

2020年9月10日更新

『兄弟(けいてい)』『姉妹』は、明治42(1909)年6月から國學院大學出版部により刊行された月刊児童雑誌である。43年には『兄弟姉妹』として合併され、44年7月まで刊行された。これまで両誌は本学において未所蔵であったが、今般、榊原茂氏(昭33卒・66期宗、川越八幡神社宮司)のご厚意により『兄弟』『姉妹』各第1巻1~3号の寄贈を受けた。

児童雑誌『兄弟』『姉妹』のそれぞれ第1巻第1号(明治42年)

 明治30年代から精力的に書籍の編纂や出版事業を手がけてきた國學院大學は、「普通教育の側面的補充」を目的に、『兄弟』『姉妹』を通して児童の「国語教育」「作文の修養」「趣味の啓発」を目指した。ところが、両誌は國學院大學という学問の府から刊行された教育雑誌としての特徴を強めた結果、時あたかも児童雑誌が商業主義による娯楽性を重視していく中で、経済的には思うような成果を挙げることができず、わずか2年あまりでの廃刊となった。

 なお、平成24年度文学部共同研究費による「國學院大學出版部発行の児童雑誌『兄弟』『姉妹』『兄弟姉妹』の総合研究」(研究代表者・上田正行)の報告書には、両誌および『兄弟
姉妹』刊行の意義や教育的性格などについて詳細な検討がなされている。学報連載コラム「未来へつなぐ学術資産研究ノート」(第13回)

 

 

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