ARTICLE

【先輩に聴く】地方ラジオ局を新しいメディアに

  • 経済学部
  • 全ての方向け
  • 政治経済
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

茨城放送 代表取締役社長 阿部重典氏(昭61卒・94期経)

2020年9月17日更新

 國學院大學の院友に人生の経験や指針を伺う「先輩に聴く」。今回は、県域ラジオの茨城放送でアナウンサーとして活躍する一方、令和2年6月から初の生え抜き社長として舵取りを担うことになった阿部重典さん(昭61卒・94期経)に、「コロナ禍」という異常事態に直面しながらも多様なニーズに応えるため「リボーン(再生)」を掲げて新たな一歩を踏み出した心境を2回に分けてお聞きします。

――茨城放送として初の生え抜き社長に就任した

阿部 水戸出身でグロービス経営大学院大学の学長などを務める堀義人氏が昨年、茨城放送の事実上の筆頭株主となり、社内体制が変わる中で私を「生え抜き社長に」と白羽の矢が立ちました。「茨城を元気にし、情報を発信する」という堀オーナーの考えを受け止め、これまでのラジオとは違う新しいメディアに生まれ変わることに取り組んでいます。新型コロナウイルス感染拡大で収益の柱の一つであるイベントが中止・順延となったり、自粛に伴って広告収入が減ったり、非常に厳しい状況ですが、社内では「新しいメディアカンパニーを作ろう」という旗印を共有し、多様な番組編成を目指しつつ、電波をきちんと届けるという方針を立てています。また、社屋のリノベーションなどによって職場環境の改善と社員の意識変革にも取り組んでいます。それらを通じて茨城放送は「リボーン」したことをアピールしています。

――放送に関しての具体策は

阿部 私が社長に就任してからは「ダイバーシティ=多様性」を目指しています。茨城放送は自社制作が多いほうですが、今後はさらにオリジナル番組を前面に押し出すため、一つ一つ特徴のある番組を作っていきます。その具体例として掲げているのが「ニッチトップ」と「ローカルメジャー」です。

 細かいニーズを指すニッチの部分では、30分ぐらいの番組で非常に限られたジャンルの音楽番組や、一つの競技に特化したスポーツ番組などを狙っています。ローカルに関しては、現在も好評をいただいている方言を多用した番組を伸ばしていく方針です。常陸太田市出身でミュージシャンのマシコタツロウさんに以前からパーソナリティをお願いしていますが、マシコさんはバリバリの茨城弁を使いこなすので方言満載のコーナーが支持され、民放連の賞を受けるほど評価の高いものです。その辺りを中心に茨城に根ざした番組とニッチな番組の2本立てでの取り組みを考えています。

 最近、ラジオのことを「音声メディア」と表現するケースが増えました。いまやラジオは電波を受信するだけではなく、スマホやパソコンで聴ける「radiko」などインターネットを通して聞くメディアです。数多く存在する音声メディアの一つとして、ラジオの枠を超えたものとしてネットや動画、イベントを組み合わせて地方発のメディアカンパニーを作り上げることが我々の目標で、新しいラジオのあり方を完成させたいと考えています。

 災害時なども行政などが発表する公式情報だけに頼り切っていてはいけないという時代に入っていることも確かですので、リスナーが動画や写真を投稿できるようなHPの充実を図るなどして、情報をきちんと受けられる態勢を整備していきます。

――今も現役アナウンサーとして活躍している

阿部 今夏も茨城県独自の高校野球で準々決勝を中継しました。入社以来、スタジオワーク、ニュース、DJ・・・リスナーからメールやお便りをいただいて展開するワイド番組もやりました。イベント司会にも関わってきましたし、話すこと全般、どれもこれも好きな仕事で、やりたかったんですよ。話すにあたっては、リスナーや聴衆との共感を第一に考える、それは今も変わっていません。(続く)

8月に行われた高校野球の茨城県独自大会の準々決勝の中継を担当した阿部社長(茨城放送提供)

 


あべ・しげのり 國學院大學経済学部経済学科を卒業後、昭和61年株式会社茨城放送にアナウンサーとして入社。編成局放送センター部長、放送センター長、総務局長、取締役編成局長兼総務局長を経て令和2年6月から現職。在学中の4年間はアナウンス研究会に所属した。

このページに対するお問い合せ先: 広報課

MENU