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鉄道ファンだけじゃない。誰もが楽しめる活動を

國學院大學鉄道研究会(後編)

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國學院大學鐵道研究會

2020年6月25日更新

 鉄道や旅行に関する研究活動をしている國學院大學鉄道研究会(鉄研)の「大旅行」。鉄道車両を貸し切って行う年に1度のビッグイベントは、現役学生とともに、鉄研出身の院友が参加して一緒に旅を盛り上げることも醍醐味となっている。一方、会員は鉄道の知識に詳しい学生ばかりではない。会員は、こうした〝初心者〟にも活動の楽しさを共有してもらおうと工夫を凝らす。現地では、鉄道会社スタッフらとの交流も楽しむ。「誰もが楽しめる」を大切に、各会員の興味や知識を生かしながら、ビッグイベントを成功に導いている。

卒業後が初参加の院友も

 「えちごトキめき鉄道(トキ鉄)」(新潟県上越市)の車両を貸し切った令和元年度の大旅行には、会員である現役学生16人とともに、6人の院友も参加した。参加院友の一人、松本夏緒さん(平31卒・127期史)は在学中には費用を捻出できず参加を断念していたが、社会人となり今回初めて参加した。「現役時代は鉄道ファンというより、どちらかというと旅行が好きで所属していた。大旅行にようやく参加でき、すごく楽しめた」と松本さん。各駅では、持参したポケットモンスターのキャラクター人形と駅名標を並べて撮影するなど念願だった鉄道旅を満喫していた。

 車内では、大旅行で恒例のクイズ大会も行われた。「トンネルの中の秘境駅、筒石駅の階段は何段?」「國學院大學で来年4月に新設予定の学部の名前は?」…。新設学部の設問に「観光学部観光まちづくり学科」と正解が出ると、「まさに鉄研のための学部!」と盛り上がりは最高潮に。車掌用マイクを手に出題を手伝った院友、堀口佑介さん(平30卒・126期神文)は「トキ鉄や國學院大學に関係のある問題を織り交ぜたことで、鉄道の知識にあまり詳しくない参加者にも楽しんでもらえたと思う」と話す。

鉄道ファンにとどまらない門戸拡大が奏功

 大旅行を成功に導くことができた背景には、活動方針の転換もあった。昨年11月に会長職を後輩に引き継いだ工藤匠馬さん(神文4)は「昨年春の新入生勧誘の際に、対象を鉄道ファンだけに絞ってしまっては多くの会員が集まらないと考えた」と振り返る。「鉄研を旅行サークルと定義し直すことで、鉄道にはそれほど強く興味を抱いていないが、旅行は好きという学生にも門戸を広げた」。これが奏功した。2~4年の各学年会員数をいずれも上回る新入生8人の勧誘に成功。工藤さんは「活動の中で情報交換が活発になった」と手応えをみせる。

スイッチバックのある二本木駅で駅舎に残る展示物を見学する会員。思い思いに鉄道を楽しむ

 今回の大旅行では、クイズ大会の賞品に鉄道模型のほか、新潟県内の特産品も多数用意された。また、車内での飲食物にも、現役学生や院友が事前に購入して持ち込んだ沿線の名産品が並んだ。工藤さんは「大旅行の目的の一つは、沿線の地域文化や歴史を理解すること」としたうえで、「興味や知識が異なる会員の誰もが楽しめる。それが鉄研の活動」と語る。

粋なおもてなしでふれあい活発

全国的にも珍しい立ち売りの弁当販売にも興味津々

 大旅行では、鉄道会社や沿線企業のスタッフらとの触れ合いも楽しみの一つ。直江津駅では、今では全国で希少となった駅弁の立ち売りを見ることができる。直江津駅の駅弁といえば、JR東日本管内の駅弁頂点を決める「駅弁味の陣」で最高賞「駅弁大将軍」に選ばれたホテルハイマート(上越市)の「鱈めし」「さけめし」が有名。会員は事前に購入希望の駅弁の種類と個数を手配していた。貸し切り列車が到着すると、立ち売り歴20年というホテルハイマートの販売員、下井道夫さんが駅弁の入った木箱を肩から吊り下げ、ホームで出迎えてくれた。会員らは下井さんと記念撮影するなど昔ながらの旅情を満喫した。

 車内では、スタッフによるトキ鉄グッズの販売が行われ、中には鉄道ファン垂涎の商品もあった。その一つが、発着時刻の欄に秒単位まで記載された運転士向けの時刻表。スタッフの池田香羊さんによると、「団体向けに販売するのは初めて。2度目のご利用ということで、特別に出品させていただいた」。この時刻表を購入した紙谷亘さん(法1)は「めったに買える物ではない。旅の良い記念品になった」と顔をほころばせた。

貴重なトキ鉄グッズが並んだ車内販売

 糸魚川駅では、改札口前に「歓迎 鉄道研究会」の看板が用意された。また、列車の出発時には、駅長自らホームに出て手を振ってくれるなど、おもてなしの心が詰まったトキ鉄の粋な計らいに、会員らは感激もひとしおの様子だった。

 旅を終え、次回の大旅行に期待する声が早くも上がっている。今回の大旅行で、國學院大學鉄道研究会を表す「國鐵」と書かれた幕を現役学生に贈った院友で鉄研初代総裁の佐和橋義之さん(平28卒、124期神文)は「現役生が地域に貢献できる大旅行を企画できたことが分かり、はるばる来たかいがあった。資金面を含め、今後もバックアップしていきたい」と後輩たちの生き生きとした姿に目を細めていた。

※現役会員の学科、学年は令和元年度時点

このページに対するお問い合せ先: 広報課

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